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水曜日の日記 手

水面が泡だらけの洗い桶の中で、包丁を手探りしていたら、包丁の刃が当たってしまったようで、左手中指の先を切ってしまった。圧迫止血中だから、すごくパソコンが打ちづらい。左手の中指がどれだけ働き者だったのかよくわかる。もう止まったかなと思うので絆創膏に変えてくる。

傷の上に脱脂綿を畳んだのを傷の上に乗せて、外側からきつくテーピングしておいた。小さい傷なら、だいたい我に返ってくれる気がする。血を流してる場合じゃねえぞ、おい、俺たちさっきまでくっ付いていたじゃねえか。そうだな、そうだそうだ。みたいな感じで。

手に絆創膏を貼って過ごすのはいろいろと悲しい。料理するのも気を使う。肉や魚を触りたくないし、豆腐も触りたくないし、何も触りたくない。それから、顔を洗うのも、絆創膏が当たるし、絆創膏が吸ってしまった水が、どんな水なのか謎だし、気にすると、いちいち交換しなくてはならないし、化粧水を顔に塗る時は、化粧水がほぼ絆創膏に吸い取られる。

昔、離乳食を作っていた頃、離乳食の本に、「絶対にしてはいけないことがあります」と書いてあって、何だろうと、先を読み進めた。答えは、「手のケガ」だった。なるほどねと、思った記憶がある。でもまあ、絶対と言われても、どうしてもケガをしてしまう時はあるから、しょうがない。

この、離乳食本のくだりを、かれこれいろんな人に話してきた。最後に「でもしょうがないよね」と、付け足す。結果、納得なのか納得じゃないのかよくわからない話になってしまって、ちょっと微妙なのだけれど、なんか話してしまう。なぞなぞ的だからかな。

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