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Linux(ラズパイ含む)で音楽CDを扱うためにDVDドライブを新調

Linuxで音楽CDを利用したくロジテックのUSB接続のDVDドライブ(LDR-PMK8U2CLWH)を購入してみました。

Windows、Mac対応とありましたが、Linuxでも問題なく利用できました。

ただ、ラズパイ5の場合には外部電源が必須、PC(デスクトップ、ノート)でも外部電源を接続しないと、ドライブとしては認識するもののディスクを入れると、カチカチとアクセスし続け読み取りエラーとなってしまうPCがありました。あるPCでは、TypeAポートへの接続では外部電源なしではうまく動作しないものの、TypeCポートに接続した場合には外部電源なしでも動作するなどの症状もありました。同じPCであってもTypeAポートとTypeCポートでは、出力できる電流容量が異なるのですね。

購入したDVDドライブの外部電源用のACアダプターは別売されていますが、それでなくても+5Vでセンターが+であってコネクタ形状が合う電源なら使えると思います。

結局、自分の利用環境ではラズパイ5以外では外部電源は必要なくバスパワーのみで使えたので良かったです。バスパワーのみで動作する環境であれば、割に静かでコンパクトで安価な良いDVDドライブだと思います。


接続がうまくいったので、音楽CDをLinux(ラズパイ含む)で一通り扱うためのソフトウェア環境を整えて見ました。
以下はラズパイ5の場合の説明です。

メディアプレイヤー:VLC, SMPlayer

VLC media playerSMPlayerなどを使えばCDを再生することができます。

$ sudo apt install vlc
$ sudo apt install smplayer

DVDの再生も可能ですが、その場合は、libdvd-pkgをインストールしておく必要があるようです。

$ sudo apt install libdvd-pkg
$ sudo dpkg-reconfigure libdvd-pkg

CDリッパー:cdda2wav, cdparanoia

cdda2wavなどを使えばオーディオCDをwavファイルとして保存できます。

$ sudo apt install cdparanoia
$ sudo apt install cdda2wav

それぞれ、コマンドラインで以下のようにすればとりあえず、曲毎のwavファイルが作成されます。

% cdparanoia -B "1-"
% cdda2wav -no-infofile -alltracks -device /dev/sr0

wavファイルはaplayなどのコマンドを使えば、音声として再生されます。ラズパイ5の場合はHDMIの音声として出力されると思います。

$ aplay track01.cdda.wav

PulseAudio音量調整(pavucontrol)を起動すれば、再生されているかどうかをレベルメータで視覚的に確認もできるでしょう。

CDリッパー&エンコード:Asunder

コマンドラインではなくGUIを使ってリッピングしたい場合はAsunderなどでできます。

$ sudo apt install asunder

ラズパイ5ではパッケージを使った場合はバージョン2.9.7がインストールされるようです。最新版の3.0をインストールしたい場合は、Asunderのダウンロードページからasunder-3.0.tar.bz2をダウンロードして、次のようにビルドすればインストールできます。

$ tar xvfj asunder-3.0.tar.bz2
$ cd asunder-3.0
$ ./configure
$ make
$ sudo make install

Asunderが起動できたら、設定ウインドウで、次のようにHTTPプロキシを設定することで、GnudbからCDデータを取得できるようになります。

メーニューの「設定」:GnudbのCDDBの設定

リッピングした音声ファイルをwav以外のエンコードをさせたい場合には、「設定」メニューのエンコードで指定できます。ただ、エンコーダは別途インストールする必要があります。自分が主に使うエンコーダは下記のような感じでインストールできました。

MP3エンコーダ:Lame

$ sudo apt install lame

AAC/MP4エンコーダ:fdkaac

始めにfdkaacが利用するライブラリlibfdkをインストールします。

$ sudo apt install libfdk-aac-dev

ソースコードからビルドしたい場合は下記のようにすればできます。

$ git clone https://github.com/mstorsjo/fdk-aac.git
$ cd fdk-aac
$ ./autogen.sh
$ mkdir build
$ cd build
$ ../configure
$ make

次に本体のfdkaacですが、パッケージには無いようなので自分でビルドしました。※fdk-aacというエンコーダもありますがそれとは別物です。

$ git clone https://github.com/nu774/fdkaac.git
$ cd fdkaac
$ autoreconf --install
$ ./configure
$ make
$ sudo make install

ロスレスエンコーダ:flac

$ sudo apt install flac

オーディオプレイヤー:Audacious

Asunderで保存した曲はAudaciousなどの再生プレイヤーを使えば再生できると思います。

$ sudo apt install audacious

オーディオボード:Pi-DAC+(IQaudio)

ラズパイ5ではデフォルトで音声出力はHDMIの音声として映像と一緒に出力されます。音声単独で出力させたい場合は、ラズパイ5の場合は別のボードが必要になります。

音声ボードとしてずいぶんと前に購入したIQaudioのPiDAC+といボードが余っていたので、ラズパイ5に取り付けて見ました。

このボードは現在はRaspberry PiのDAC+として販売されているようです。ボードの形状は多少異なりますが、回路的には同じもののようです。

IQaudioのPiDAC+を取り付けた状態
スタッキング用の連結ピンソケットを使って接続

Raspberry Pi Audioのページにあるように、/boot/firmware/config.txtを開いて、dtparam=audio=onを#でコメントアウトし、dtopverlay=rpi-dacplusを追加します。

$ sudo vi /boot/firmware/config.txt
#dtparam=audio=on
dtoverlay=rpi-dacplus

再起動するとオーディオボードが認識されます。aplayを使って確認できます。

$ aplay -l
**** ハードウェアデバイス PLAYBACK のリスト ****
カード 0: vc4hdmi0 [vc4-hdmi-0], デバイス 0: MAI PCM i2s-hifi-0 [MAI PCM i2s-hifi-0]
  サブデバイス: 1/1
  サブデバイス #0: subdevice #0
カード 1: vc4hdmi1 [vc4-hdmi-1], デバイス 0: MAI PCM i2s-hifi-0 [MAI PCM i2s-hifi-0]
  サブデバイス: 1/1
  サブデバイス #0: subdevice #0
カード 2: DAC [RPi DAC+], デバイス 0: Raspberry Pi DAC+ HiFi pcm512x-hifi-0 [Raspberry Pi DAC+ HiFi pcm512x-hifi-0]
  サブデバイス: 1/1
  サブデバイス #0: subdevice #0

音声出力先をHDMIからボードの方に変更するには、PulseAudio音量調整(pavucontrol)などを使えばできます。

pavucontrolによる音声の出力先の変更

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