SHIORITAMAI12Colors 極私的ライナーノーツ(仮)
玉井詩織さん(ももいろクローバーZ)が満を持して、2024/3/2-3/3ソロコンサート「いろいろ」に臨む。その一瞬一瞬を全集中で脳裡に焼き付けたい。と思った音楽的素養ゼロの人間が、予習として全12曲のエッセンスを抽出しようとする無謀な試み…
1月曲「暁」
作詞:こだまさおり / 作曲:Kon-K/佐藤樹 / 編曲:SiZK
強烈な自己性の表出が淡い協和性の同居を凌駕して、12カ月連続ソロ曲配信の先駆けに相応しい楽曲。候補4、5曲から玉井さん自ら選んだ。可能性に突き動かされて飛び出していく衝動は玉井さんの性分を表してもいる
2月曲「Another World」
作詞:AKIRA / 作曲:岩見直明 / 編曲:設楽哲也
レコード針の音に始まり、鏡、リップスティック、服、バッグ、袖など、絶妙に散りばめられた小道具が象徴するbittersweet flavor。玉井さんの程よく抜けたラップも定評。12曲中最も歌い慣れてる楽曲
3月曲「日常」
作詞:矢吹香那 / 作曲:今村良太 / 編曲:今村良太
パステルカラーのイメージと爽やかな曲調に、苦境からの再生という重めのテーマを軽やかに込める。「心模様も雨上がって」「水たまりに憧れが反射する」など歌詞が秀逸。啓蟄にして脱皮。日常に暖かさが差し込む、朝にぴったりな楽曲
4月曲「Eyes on me」
作詞:Kanata Okajima / 作曲:山本玲史 / 編曲:伊藤立
肩で風切り丸の内を闊歩するための楽曲。揺れる世界で迷わず懸命に自己の立脚点を求める時、衣服はもはや戦闘服だ。史上最高のStyleを纏う玉井さんは誰も止められない!その綺麗な英語の発音が聴き所の人気曲
5月曲「Spicy Girl」
作詞・作曲・編曲:TeddyLoid
蠱惑的なアメリカンドールに扮した自己に問う「本当のあなたは誰?あなたはただのドールなの?私は私の歌を歌いたいだけ」幼少期からの英語学習をフルに生かした全編英語詞にしてノリノリのテクノポップ
6月曲「泣くな向日葵」
作詞・作曲:コアラモード. / 編曲:小幡康裕
メンバーカラーでありテーマカラーの黄色に誕生月を掛けた表現として向日葵がベストマッチな楽曲。麦わらの少女と大人との狭間でわがままな自分を明るく肯定する等身大の玉井さんを描く。語尾を切るAメロに注目
7月曲「HAPPY-END」
作詞:つむぎしゃち / 作曲・編曲:大西克巳(BlueBird'sNest)
ルールもレールも予定調和をぶっ壊すのがももクロ流だが、意外とこれまでなかったガレージロック。玉井さんも今までにない瞬発力と肺活量を要する力強い歌い方に挑んでいる。今後、密かに変化が楽しみな一曲
8月曲「マリンブルー」
作詞・作曲:miwa / 編曲:馬渕直純
海と言えば種子島の海だ。lyric videoの絶景に吸い込まれる。未知に踏み出すワクワク感と、君との夏がいつか過去形になることの恐れとが見事に相まって、独特の切なさが漂う名曲。高音Dメロの透明感が半端ない
9月曲「Sepia」
作詞:玉井詩織 / 作曲・編曲:MitsuJ.
玉井さんが全編作詞を手がけた初の楽曲。喪失感に向き合い、微かな変化への兆しを繊細な筆致で丁寧に紡いだ驚くべき作品。深く自己の中に沈潜し、内省し、自らの思考を見つめる人。MVも素晴らしく、業界人のファンも多し
ちなみに、前にダラダラ書いたやつ↓
10月曲「宝石」
作詞・作曲:志磨遠平 / 編曲:春野
玉×ぼく=メランコリックの新定理を生み出し、テーマカラーと季節感が不可分にミックスされた、晩秋に聴きたい楽曲。地声の高さもファルセットで歌う術を得て、語尾上げは朝飯前に。絶対神のいない国で、不在は帰還の巡りを予感させる
11月曲「ベルベットの森」
作詞・作曲・編曲:亀田誠治
ヒットメーカーと初タッグを組んだ念願の楽曲。D.リンチばりに美しく妖しいMVは謎めいて、赤玉井と黒玉井が3つの異界(花々に満ちたカラフルな都会・モノクロの深い森・赤玉井がベルベットの幕に反転し黒玉井の背景に化した中間界)を往還する。必聴の狂い咲き弦楽器奏法が聴けるのは音源のみ
12月曲「We Stand Alone」
作詞・作曲:TAKURO / 編曲:GLAY & 亀田誠治
ソロプロジェクトの最終章を飾るシティポップ。今後もずっと、春夏秋冬のいつでも歌い続けていける永遠性を湛えた佳品。ステージ袖でアンコールの声援を聞いている自分の姿を持ち前の客観視で眺めながら、言葉の一つ一つを豊かな情感で響かせる
最後に…
玉井さん、幸せな時間をありがとうございます。これからも、時とともにさまざまに変化し進化し深化していくだろう、あなたの歌が楽しみです。ソロコン、頑張ってください(参戦前に記す)
ちなみに、X版からちょっと文飾を変えてたり↓