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あのたび -ティルタガンガの水の神殿-

 ブサキで嫌な目に遭い、もうバリ島はいいかなと東隣のロンボク島へ移動する予定でいた。島を渡るには南西のパダンバイへ行きそこからフェリーに乗ると、英語版ガイドブック・ロンリープラネットに書いてあった。

 朝起きて宿を出ると昨日のぼったくりバイク野郎がまたいた。今ならUberなどで適正な価格の交通手段がみつけられるのだろうが、20年前の当時は彼らのバイクに頼って交渉するしかなかった。

 パダンバイへ連れて行ってほしいと行ったのに途中のティルタガンガで降ろされた。30000Rp(≒420円)。この距離では高いだろう。近くの宿が1泊35000Rp。

 ティルタガンガに何があるかというとWater Palaceという水の神殿だ。入場料3100Rp。まるでゲームのゼルダの伝説に出てくるようで確かに美しくキレイでひと目見る価値はある。

travelwithより。ティルタガンガの水の神殿

 そこから少し歩き丘に登ると四方は棚田に囲まれ静かな田園風景が広がっている。雲に隠れてれてしまったが夕暮れ時の眺めはすこぶる良い。

 丘を下って散歩していると『漁師』と日本語で書かれた日本食料理屋があった。こんなとこ(バリでも端っこで人気がない)に誰が来るんかい!とは思った。そこは高そうなので、屋台でナシイカンサユールを頼む。ナシは米、イカンは魚、サユールはナッパ。魚は骨がいっぱいで食べづらくスープはしょっぱくまずかった。新しいものに挑戦しようとするとたいていハズレてしまうので、インドネシアではいつも安定のナシチャンプルを頼んでしまう日々だ。

 翌朝、例のバイク野郎につかまらないようにこっそり宿を出てベモを捕まえ2000Rpでアムラプラ⇒6000Rpでパダンバイへ移動できた。これくらいの価格が通常の現地価格なのだと思う。
 とりあえずここのBagus Innで一泊(30000Rp)し翌日フェリーでロンボク島へ行くことにする。

 東へ歩くと裏手にスモールビーチがあった。砂浜ではなく岩がゴツゴツしていてサンダルだと足の裏が痛いし波が異様に高いのでとてもじゃないが泳げない。がなぜかそんな名もない小さいビーチに欧米人が30人もいた。さらにサボテンがこのあたりには多い。

 昼はナシチャンプル+茶7500Rp、夜はナシゴレン+茶5000Rpで寝る。翌朝は予想外の旨い朝食が提供された。スクランブルエッグトーストとバナナ+パパイヤ。せっかくなのでバリコーヒーも頂戴する。

 インドネシアではコーヒーの粉をフィルターでこさない。マグカップの中に挽いた豆を入れお湯で混ぜる。粉は溶けずに底にたまるので歯でさえぎり、吸わないように液体だけ飲むという形式だ。香りがとっても良かった。

バリ島ルート

(つづく)


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