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乳がんは何が契機で再発するのか?

今回はたくさんの患者さんを見てきて乳がんは何が契機で再発するのかを考えてみましょう。特にホルモン陽性乳癌患者さんで考えます。HER2タイプは薬が良くなっています。Triple negativeは何をしても抑えきれない症例もあります。
ホルモン陽性乳癌は晩期再発 術後10年でも再発してくる人がいます。昔から言われていることですがホルモン陽性乳癌のDormancyの考え方があります。Dormancyとは癌細胞が潜んで眠っている状態を言います。術後10年癌細胞はどこで何をしているのでしょうか???実はこの分野は1990年代非常に研究が進みました。私も大学で先輩がこの研究をしていて面白いと思いました。そのころの研究で乳がんと診断された患者さんの骨髄を調べるとリンパ節転移のない人でも30%近くの人に乳がん患者さんの骨髄に癌細胞が証明されました。浸潤がんになった時点で骨髄に癌細胞は30%も移動していたのです。骨髄は癌細胞が非常に住みやすい環境と思われました。
しかし、この全員が再発するわけではありません。自己免疫 ホルモン環境の変化で自然消滅していくと考えられていました。
ところが骨髄にずっと潜んでいるがん細胞もいます。このがん細胞はいつ動き出すのでしょうか?長い医師生活で離婚 子供の受験 親族の死 ペットの死 職場の環境変化等 強いストレスで再発する人を何人も見てきました。このほとんどはホルモン陽性乳がん患者さんでした。この人たちの乳癌は骨髄にずっと潜んでいた(Dormancy)だったと思われます。

乳がん患者さんは術後の一応の治療が終了したら強いストレスにさらされないように気を付けてください。

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