愛のコリーダのシナリオを読んで
コリーダって闘牛という意味なんだって。
阿部定の事件が起こったのは1936年のことだって。
私が1938年生まれだから、私が生まれる2年前の事件なんだ。
だから明治30年生まれの祖母などは、歴史上の事件でなく同時代の事件として口に出していたんだわ。私にとってはもう歴史上の事件という感覚です。
ところで映画のシナリオですから、性の営みの描写あり、セリフありですが、読み進んで行って、その営みが昇華されて私の心が洗われると言うことはなかったのです。
S〇X好きの人がどんどん深みに入っていけば、ああいう猟奇的世界に連れ込まれてしまうと言うことは分かるのですが、その行き着いた先に読者の精神を開放し,ある高みに精神を持ち上げると言うところには至ってはいません。
あたりまえでしょう、S〇Xというものは、所詮はそういうものでしょうと、私は自分でそう答えなければならないでしょう。
あの事件に人間の本質を見抜き一服の清涼感を味わいたいなどというのはあり得ないことなのでしょう。
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