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UnityTimeLineを利用したカットシーン制作実例

Unity完結(スタンドアロンプレイヤーで再生可能)のアニメーションカットシーンの制作実例です。前回記事で説明した#ウマウマトークのIK補正機能やUnityTimeLineを利用したカットシーン作成機能を用いて、映像編集ソフト等を介さずUnity上で完結するキャラクターアニメーション制作を行います。


モデリングやモーション制作等まで説明を含めると、かなり長大な構成になってしまうので、素材は全て完成した状態でのUnity上での配置や調整に話を絞って説明していきます。

今回の実例の完成品はこちら。ウマ娘のスペシャルウィークがちょうちょを10秒ほど見つめているアニメーション映像です。


事前準備

まずは作るシーンの字コンテと必要な素材をリストアップします。

字コンテ
・スペシャルウィークが柵に手を掛けながらちょうちょを見つめている
・ちょうちょが画面に向かって左から右へと移動、スペシャルウィーク
の視線はちょうちょを追っていく。
・ちょうちょが通り過ぎた後に、手を合わせて感心する(わぁ~っ みたいな

・プロップ
キャラクターモデル*1
ちょうちょアセット*1

地面
・モーション
ポーズ*2
立ちループモーション*1

キャラクターモデルにはMikuMikuDanceモデル(.pmx)形式で配布されていたwarpstar式スペシャルウィークを制服衣装に改変したものを、ちょうちょモデルはこちらのUnityEffectsampleよりお借りしています。


Unityシーン上での配置

Unity上で今回登場するキャラやプロップを配置し、
あらかじめシーンを構築しておきます。キャラクターモデルの親には、物理設定やIkターゲット等の制御システムが入ったPrefabをアタッチしています。


モーションのインポート

使用するモーションをFBX形式でUnityにインポートします。今回はMMDで作成したものをインポートしましたが、BlenderやMayaなど、FBX形式で書き出せるツールなら何でもOKです。

モーションファイルをインポートした時、InspecterビューからAnimationTypeの項目をHumanoidに変換しておく事によってUnity上でHumanoidRigを適用したモデルにモーションの流用が可能になります。


TimeLine Asset(PlayableDirector)上への配置

シーン上に配置したTimeLineAssetにキャラクターやアニメーションを配置していきます。UnityTimeLineの詳細はUnity公式等のマニュアルを参照。

シーン上にキャラモデルやプロップを配置し、TimeLine上に
アニメーショントラックを設定した状態。

Unity上でのアニメーション作成

ちょうちょのアニメーションはUnity上で行います。パスに沿って移動するアニメーションをシーン上に作成します。


AnimatorIKによるモーション調整

続いて、キャラモデルの手を柵に置くために、UnityのAnimatorIKを使ってモーションの調整を行います。Unity標準のAnimatorIKは、設定したモーションの上から補正や上書きが出来るので、モーションの細かい調整に重宝します。


LooKAtIKで姿勢調整(ちょうちょを追う動きの追加

LookAtIKを使用して、ちょうちょの軌道にモデルの視線とポーズを合わせます。軌道に従って、TimeLineにターゲットのアニメーションキーを入力して調整していきます。

表情作成~微調整~完成

モデルに設定されたBlendshapeから、瞬きや口パク、喜怒哀楽など表情の作成を行います。さらにこの間、ちょうちょの軌道やIKの挙動など、細かい部分を調整して完成です。


まとめ

UnityTimeLineを用いるとタイムラインベースでアニメーションの作成が行えるので、アーティストにとってはかなり便利な使い方が出来ると思います。

また、Unityはリアルタイムレンダリングですので、モーションの調整やカメラワークの作り込み、ライティングの調整などのトライアンドエラーの繰り返しが容易なので、ストレスフリーな制作が出来るなと感じています。

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