見出し画像

ミンドロ島カラパン旅行4日目

Czscapeリゾートは超快適

さて、Czscapeリゾート内は壁もとても厚くて静寂そのもの。朝までとてもよく眠れました。でも、波の中でサンライズを見てみたく少し早めに起きました。水着でビーチに向かうと、とても細いビニール紐で扉が縛られています。振り返ると掃除のお兄さんが走ってきて手で引きちぎって開けてくれました。鍵ではなく紐一本での防犯って〆縄の結界みたいで面白いです。

少し海に入ると少し暗い中でも砂の上の水中の指がよく見えるほど透明で、波も驚くほど穏やかです。でも水温はぬるいというほどでもない、まあまあの冷たさです。平日の朝ということで誰もいない海で夜明けを眺めました。海が明るくなって日が昇り、自分に向かって一直線に光が少しずつ伸びるこの光景は正に神々しさそのもの。人間にとって、とても大切な光をこちらに差し伸べられた気持ちになります。昔から人は自然の恵みをこうして感じてきたのかな、と感じました。



朝食には昨日のメニューでは見なかった、ロンガニーサ(longganisa)というのを注文してみました。スペイン語で細長いソーセージという意味だそうです。カソリックの宗教や建物以外に食生活にもスペイン統治時代の歴史が残されているようです。ミリエンダmeriendaというスペイン語のオヤツを意味するらしい言葉も健在で、バナナのお菓子やスナック等を食べてる習慣もあるみたいです。

さてこのロンガニーサ、細い豚の腸に詰められた本格的ソーセージの炒め物でした。でも味付けが想像していたよりもかなり甘めで驚きました。付け合わせのパパイヤピクルスやキュウリ、目玉焼きと一緒に食べるとちょうどいい味になります。なるほど。ほんの少しの油で僅かに炒めたサフランライスも少し塩味があるし、正に全体としてちょうどいい塩梅を狙っているわけだ。これは美味しいです。

ゆっくりビーチのレストランで食事を終えて部屋に戻ると、女の子が部屋までモーニングプレートを届けに来てくれました。部屋食プランだったんですね。イエル先生達がタガログ語でチェックイン作業してくれたのでよく分かっていませんでした。

湖上の貸切レストラン

イエル先生達が今日は湖と教会、リゾート巡りをしよう、と迎えに来てくれました。軽くあなたの健康に効くというエアコンがよく効いた教会に立ち寄った後、案内されたのはエバーランドレイクリゾートというところでした。ここはバルヤン湖という地殻変動でできた池の少し下流に位置しています。自噴泉があり、これを利用したプールや直接、川の流れに飛び込んで遊べるリゾートのようです。

特にここの凄いのは川の中に筏として浮かぶニッパハウスがあり、そこを貸し切ってフルコースをいただけることです。湖面の涼しい風を水面スレスレで楽しめるなんて、なんだか京都貴船の川床料理を連想します。でも予約した1組専用のこちらの方が面積的には贅沢かもしれません。

昨日、唐揚げでいただいたティラピアが今度はココナッツミルクなどで美味しく味付けされていました。見た目はカレーみたいですがターメリックは使っていないそうで、全くカレーの味はしませんが、香草が効いていてとても美味しいです。アサリや空芯菜や生姜、レモングラスの味がするスープも絶品です。焼きイカの中にはこちらの野菜が色々詰まっていたりと、食材が豊富で手が混んでいて凄いです。これで1人700円ぐらいでしょうか?すごく美味しいのに格安でとてもいいレストランでしたが問題は交通手段の他に、ここもメニューが全てタガログ語で書いてあることです。予約して注文までしてもらえて助かりました。

原始の人の思いを感じる場所

次に1680年に造られたという、珊瑚だけを積み上げて壁が造られたSimbahang Batoという森の奥の美しい教会に連れて行ってもらいました。

ステンドグラスがないのに、石の窓からアナハウ葺きの屋根に差し込んでいる柔らかい光はなんなのでしょう。神々しくキラキラしています。まるでいい香りが立ち込めるよう。感動的な美しさです。これが全く飾りたてない原始信仰の姿なのかも。ゴテゴテ奉って神様大好き感をこれ以上ないほど演出しようとする装飾の対極に位置するような、南の島にぴったりの教会でした。キリスト教徒でもなんでもないのに、なんかこの懐かしい感動の感覚、かつて予知夢か何かでここを見たのかもしれないと感じるほどでした。


秘密のリゾート


続いてBenilda ng Bancuro Resortというところに連れて行ってもらいました。ここは女性オーナーが亡くなってから複数の相続人がいてその処理中で、従業員達が掃除だけして営業はしていないそうです。でも知り合いという事で特別に入れてもらえました。広大な敷地に豪華な施設ばかりですが、特に日本庭園を力を入れて作ったそうで、それを是非見て、との事でした。

うーん、千と千尋の神隠し的な、とても不思議な日本庭園です。日光東照宮で見たはずの小さな三猿が、超巨大なコンクリート像になってます。しかも局部が視線の高さで大きく強調され気になりすぎる。

京都竜安寺の枯山水みたいな中に蓮で囲まれた厳島神社のような舞台もあり、兎と亀の競争に鶴が参戦し亀と寄り添ってる像がある。ここにカオス極まれりといった感じ。しきりに感想を求められたのですが、元オーナーさんがとても日本を好きでいてくれるようでありがたいです、と答えました。



それはともかく、この日もあちこちでいろいろな美味しい果物を道々教えてもらいました。知らないと存在も食べ方も分からない物ばかりで、市場には売っていない果物が多いとの事でした。

フィリピンの人は果樹や高級家具になる木を好んで庭木や空き地の日陰用にたくさん植えているそうです。牛や山羊を山沿いに連れていって繋いどいたり、散歩して雑草を食べさせ、太ったり、子供を産んだら売るそうです。餌なんて草だけでいいとか。

ヒヨコを連れたニワトリのお母さんもたくさん歩き回ってて和みます。バナナとかは季節に関係なくいつでもたくさんなるのだそうです。なんて豊かな土地。原始のアバウトな時間が今なおここには流れている事を感じました。

人ってビーチで朝日を受けたり、こんな風に外で色々な自然の恩恵をうけたりしている事を感じるだけでも幸せになれるのに、それを都会にいると見えなくて忘れ、いつも何かに飢えているようになっているのかもな、と感じました。

これは中身だけを押し出して食べ、皮は残す果物。中は驚くほど甘く、皮はとても酸っぱい。

マヒンドロキシロって何?呪文?


ここから先、ちょっと車に興味のある人向けっぽいので、興味ない方は読み飛ばしてください。

そういえば、終日乗せてもらっている九人乗りの大きな車が見た事のない珍しい車だったので気になりました。これは何?、と聞いてみました。カラパンに多分、一台しかない珍しい車だとのこと。何回か聞き直しましたがメーカーも車種も聞いたことがありません。MahindroのXyloだとか。マヒンドロサイロ?なんだか呪文のようです。

2200ccの二輪駆動ディーゼルでマニュアル仕様しかないそうで、この古いトラックみたいなラインナップだと今の日本では絶対並ばないはずで、とても興味深いです。車両サイズは長さ: 4520 mm 幅: 1850 mm 高さ: 1905 mmとかなり大きめです。

マヒンドロというのは、インドの自動車会社らしいです。インドではスズキ、ヒュンダイ、タタに次ぐシェアを持つ有名なメーカーだとか。インドは大衆車の時代となり価格競争が凄いらしいので、車の価格設定も安いらしいです。インドに行ったことがないのでタタしか聞いたことがありませんでしたが、フィリピンでは警察車両やトラックやバスでマヒンドロ製をよく見るとか。

キシロの感想を聞くと、かなり丈夫で故障知らず。荷物もたくさん積め、車高が高いのでオフロードの傾斜のきつい山の上にでも楽に登れ、軽油で燃費もいいし、とてもいいとのことでした。ネットの口コミも見ると98人平均で88点を付けていたので確かにとてもいい車なのでしょう。マヒンドロ、いつか日本にも来るのかな?日本人としては、内装も乗り心地も音もトラックよりかなりいいと感じるけど、ちょっとシートの皮風の素材だけはヒビ割れやすい素材みたいなので改善した方が良さそうな気がしました。

wikiを参照するとキシロは南アジアやアフリカで売られているモデルだそうです。ネットのレビュー記事ではフィリピンの排ガス規制の強化で安めのデリカやビッグホーンのような日本車が撤退した車両クラスにこのインド車キシロが陣取ったとか。早めに低コストで排ガス規制クリアして陣取るとはインド車、凄い。昔、アメリカにその手で進出した日本車みたい。日本にもまだまだ頑張ってほしいです。

キシロのレビュー記事



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?