見出し画像

人生 100年時代到来!!老後のお金は大丈夫?

ミラハタのまっすんです。

「人生 100年時代到来!!老後のお金は大丈夫?」について♫

( ※「ミラハタ」とは、未来に伝えたい働き方を発信するプロジェクトの略。兵庫県で、会員制レンタルオフィス・コワーキングスペースを運営する中で出会った「起業家・フリーランス・独立事業者の新しい働き方」や、「ビジネス全般に関する」情報を発信していきます。)


■  老後への不安が一層強まった

“95 歳まで生きると、年金だけでは老後の資金が2千万円不足する"

金融庁が 2019年6月に発表した報告書に、あらゆる世代の人が衝撃を受けたのではないでしょうか。年金受給者は“老後破産”が脳裏をかすめ、現役世代は「日々の生活に精一杯で、とても預貯金に回す余裕はない」と将来への不安が募るばかり。たたでさえ「本当に年金はもらえるのか?」「受給年齢がさらに引き上げられるのではないか?」「給付水準が下がり、損をするのではないか?」という疑念があるので、「長生きしなければいいんだろう」といった、あきらめに近い声すら聞こえてきます。


■  「資産を増やせ」といわれても・・・


金融庁は同時に、現役時代から資産を増やすことを提言しています。しかし、突然「資産を2千万円以上に増やせ」といわれても、年金受給者や定年間際の世代には対応が難しいでしょう。雇用延長や別の働き口を見つけたとしても、現役時代のように稼げるわけではなく、資産を増やすどころか、年金空白期間(60 ~ 64 歳)を乗り切るだけで精一杯、というのが現状ではないでしょうか。

スクリーンショット 2020-05-20 13.32.18


■  「収入は年金だけ」という人が半数以上


では、年金受給者の“お金の事情”はどうなのでしょうか?厚生労働省が実施した「年金制度基礎調査 (老齢年金受給者実態調査) 平成 29年」から、現状をみてみましょう。

まずは収入ですが、調査からは 65 歳以上の年金受給者のうち「年金以外の収入が無い人」が 56.8% を占めていることがわかります。つまり、半数以上の人が年金だけで生活している、ということです。

これを年齢別でみてみると、年齢が上がるほど増え、「65~69歳」は 35.9%となっていますが、これは、まだ仕事をして収入を得ている人が多いからでしょう。「70~74歳」では 50%を、80歳以上になると70%を超えます。


《年金だけで暮らしている人の比率>

年齢 比率
65~69歳 35.9%
70~74歳 51.1%
75~79歳 63.3%
80~84歳 71.2%
85~89歳 77.4%
90歳以上 83.2%
65歳以上の平均 56.8%

※「年金制度基礎調査(老齢年金受給者実態調査)平成29年」


■  現在の年金受給額は?

次に、「収入が年金のみ」の受給者数から、年金受給額の比率を計算してみました。

すると、最も多いのは年額「50 ~100万円」で33.6%、次に「100 ~150万円」、「150~200万円」「200~250万円」という順になっています。


【年金受給額の比率】

金額 比率
50万円未満 10.8%
50~100万円 33.6%
100~150万円 16.9%
150~200万円 14.6%
200~250万円 14.0%
250~300万円 7.4%
300~350万円 1.8%
350万円以上 0.7%
不詳 0.1%


また、年金だけで生活している人の平均受給額は135万2000円で、月額換算すると11万2667 円となります。

一般的に、1人暮らしに必要なお金は月額 14万円程度。これでは、切り詰めた生活をしたとしても赤字になってしまうことが十分に考えられます。

夫婦の場合は、2人分を受け取って、なんとか生活しているというのが実情かもしれません。

また、年齢が上がれば、ケガや病気や不安も高まるでしょう。

自宅の修繕費用、電化製品の買い替え費用もかかるでしょう。

これらの費用も必要になってくるので「年金だけでは生活できない」ということがよくわかります。

平均受給額は 135万2000円/年

スクリーンショット 2020-05-20 13.32.48


■  世代別貯蓄額平均と中央値


では、資産の方はどうでしょうか。

金融広報委員会が公表した「平成 30年 家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯)」(2018年6~7月に実施)によると、年代別の平均値・中央値は以下の通りです。

中央値とは、データを小さい順に並べたときに真ん中にくる値で、たとえば、ずば抜けた資産家数人がデータに含まれたとき、平均値は大きく変動しますが、中央値はほとんど変わらず、平均よりも実態をつかみやすいという利点があります。年齢は世帯主を基準にしています。


〈貯蓄額平均値・中央値〉
20歳代「平均値 370万円|中央値 250万円
30歳代|平均値 810万円|中央値500万円
40歳代「平均値 1238万円|中央値 800万円
50歳代|平均値 1828万円|中央値 1186万円
60歳代「平均値 2415万円|中央値 1500万円


「おや、意外に多いな」と感じるかもしれません。

それは、銀行預金のほかに生命保険や損害保険、個人年金保険、債券、株式、投資信託、財形貯蓄なども含まれているからです。

平均値も中央値も年齢が上がるに従い高くなります。

ちなみに金融資産の中身は、預貯金が 43.9%、株式や投資信託などの有価証券が 19.2%、生命保険が22.4%となっています。


■  2千万円は、やはり高い壁か


また同調査からは、すでに貯蓄が2千万円を超えている世帯は、30 歳代で 5.0%、40歳代 13.0%、50歳代 23.8%、60 歳代 28.2%ということもわかります。

若い世代ほど少ないのは当たり前かもしれませんが、問題」は貯蓄を取り崩し始める 60 歳代でも2千万円の壁を越えている世帯が少ないということです。

さらに、金融商品を保有していない、つまり貯蓄がゼロだという世帯は全体で 22.7%となり、年金生活が迫っている50 歳代でも 17.4%と高い数値になっています。


【金融資産で2千万円以上の世帯】

30歳代 5.0%
40歳代 13.0%
50歳代 23.8%
60歳代 28.2%
70歳以上 27.9%


■   金融資産や収入源を確保


現在、65 歳以上でも働く人が増えています。

たとえ年金を受給していても、預貯金があるとしても、生活のために、将来のために働く必要に迫られているのです。

年金は老後の収入の基礎とはなりますが、頼りきるわけにはいきません。

そのためにも、現役時代から、金融資産をつくる、収入源を確保するなどの準備が必要です。

スクリーンショット 2020-05-20 13.33.02


■   できるだけ若いうちから準備を


今後、「年金の給付水準が低下する」という予測があります。

特に団塊ジュニアと呼ばれる 40 歳代から下の世代が危ないといわれます。

給付水準が下がれば老後の赤字が拡大し、「3千万円(もしくはそれ以上)必要」などといわれる時期が来るかもしれません。

だからこそ、現役時代に、しかもできるだけ早いうちに準備を開始したほうがよいのです。

一方で、年金受給者や定年間際の人も対策を講じなければなりません。


■  まとめ


人生100年時代に突入し、現在の年金受給開始年齢の 65歳(もしかしたら、もっと遅くなる可能性も ……)から数十年もの長い期間をどう過ごすか。それは、これからのあなたの行動にかかっています。


<参考資料>
「平成30年 家計の金融行動に関する世論調査(二人以上世帯)」
金融広報中央委員会「知るぽると」
https://www.shiruporuto.jp/

「年金制度基礎調査(老齢年金受給者実態調査) 平成 29 年」政府統計ポータルサイト e-Stat
https://www.e-stat.go.jp/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?