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【「見えるように見せる」テロップ】放送部 映像制作BasicTips #06

みなさん、こんにちは!なかちゃん です!
今回の「映像制作BasicTips」は前回の続きのお話です。
読んでいらっしゃらない方はぜひ読んでみてくださいね…!

では早速、今回の内容に入っていこうと思います!

0.前回のあらすじ

前回お話したのは「映像作品での『テロップが持つ役割』」についてでした。テロップって文字情報だから便利だし、使い勝手もいいんだけど、あくまで「映像をフォローするもの」に過ぎないんだよというお話でした。

さらに、テロップを扱う上で大切にしてほしい考え方についても触れました。この3つです。

・テロップは必要最小限の情報で
・テロップが映像の邪魔をしないように
・テロップを出す以上は読めるようにする

では今回は、この3つの考え方をもとにした、テロップを使う(作る)上で必要な工夫やポイントを具体的にお話していこうと思います。

1.今回のテーマ

今回のテーマは「『見えるように見せる』テロップ」です。

ここで言う「見える」には色んな意味が含まれております。
そう、テロップを作るときには、意外といろんなことに気を配っておかないといけないんです…

2.説明題材

と、ここからいろいろ説明するために、まず1つ僕が作った画像を見ていただこうと思います。この画像は「テレビドキュメント作品のインタビューシーン」を模して作ったテロップイメージです。
テロップイメージは【A】と【B】の2パターンあります。

※身近に良い被写体(人間)が用意できなかったので、実家で飼っている猫を使っております。…もし猫が苦手だったら、ごめんなさい。(あまりにも不評だったら後で差し替えますので…)

スライド1

さて、この2つのパターンですが、【A】は、あまり見やすくする工夫をしていないもの、【B】は、Aにある程度工夫を加えたものです。

単純に見れば「レイアウトが違う」ということはわかると思いますが、具体的にどんな意図で、どんな工夫を加えたのかというのをここから解説していこうと思います。

テロップを作る上で意識する工夫は、大きく分けて3つあります。

3.工夫1:「まとめてから区別する」

1つ目は「まとめてから区別する」こと。

…って言われてもあんまりピンと来ないですよね。簡単に言うと、「同じタイプの情報は近くにまとめて、他の情報とはハッキリ分ける」ってことです。

さっきのテロップイメージを例に挙げるなら2箇所。「肩書き と 名前」の部分と「インタビューの質問 と 答え」の部分です。
【A】のテロップだと「肩書き」「名前」「質問」「答え」が全部同じレイアウトになっていて、少し分かりづらい印象があります。そこで、ちょっとずつ工夫してみました。

具体的な手法としては、まず「ザブトン(背景)をつける」というものがあります。「ザブトン」とは、テロップにつける背景のことです。

スライド2

こうすれば、「肩書き と 名前」という要素と「質問 と 答え」という要素をハッキリ分ける事ができます。もっと言えば、ザブトン自体のレイアウト次第では、その中で「肩書き」と「名前」を区分することもできます。

もう一つの工夫は、「位置的に同じ要素をまとめる」というものです。

スライド3

「質問 と 答え」という一連の要素が離れて配置されていると、テロップとしてわかりにくくなるので、そういったものは見ため上、できるだけまとめて配置します。

4.工夫2:「揃える」

テロップを作る上で意識する工夫 2つ目は「揃える」ことです。

これは、さっきのように「配置を揃える」といったことではありません。作品として、テロップに「統一感」を持たせるということです。

例えば、「レイアウトを揃える」。

スライド4

特に意味がないのに、1つの作品の中でテロップのレイアウト(デザイン)がコロコロ変わったら、見てて気が散ってしまいますよね。
なので、作品を編集する時に「インタビューのときのテロップはこんなデザインにしよう!」と決めてしまったら、それを最後まで統一させるようにしましょう。

あとは、ちょっと忘れられがちですが「表記を揃える」ということもあります。「表記を揃える」って、一見するとわかりにくいかもしれませんので、ちょっと例を持ってきました。

スライド5

なんか、クセの強い文章で申し訳ないんですが…
この画像の文章中で、"ねこ"という言葉は「猫」と「ネコ」の2種類で表記されていて、"かわいい"という言葉は「可愛い」と「カワイイ」の2種類で表記されています。
こんな風に日本語って、1つの読み方でもいくつもの表記ができますよね。(これが便利なところであり、厄介なところでもあるんですが…)

ただ、1つのテロップ(文章)で異なる表記が混在すると、見ている人はこれまた気が散ってしまうので、これも「この言葉はこの表記にしよう!」と決めてしまったら、それを最後まで統一させるようにします。

5.工夫3:「ちゃんと見せる」

テロップを作る上で意識する工夫 最後は「ちゃんと見せる」ことです。

スライド6

ここで言う「見せる」というのは、テロップ自体ももちろんですが、テロップを載せている映像もしっかり見せるということです。
まあ言わずもがな、テロップで映像が隠れちゃったら元も子もないですからね…
そのためには、テロップだけでなく、それを載せる映像にまで気を配りながらレイアウトする必要があります。

6.今回のまとめ

ということで、ここまでお話したことをざっくりまとめると…

【テロップを作る上で意識する工夫3つ】
1.「まとめてから区別する」:同じ要素はまとめて、他の要素とは区別できるようにする。
2.「揃える」:レイアウトや文章中の表記などが統一されるように気をつける。
3.「見せる」:テロップを出す以上は、テロップも映像もしっかり見えるようにする。

ということでした。

これだけ工夫するのでもかなり違ってくるのですが、
実はもう一つ、放送部のように作品を「上映する」機会がある皆さんにはぜひ知っておいてほしい大事なことがあるのですが…それはまた次回にお話します!

とっても長くなってしまいましたが、ここまで読んでくれてありがとうございます!興味がありましたら、次回もぜひ読んでみてくださいね!

ご質問、ご感想などありましたら、記事のコメントやオンライン放送室のTwitter、個人のTwitterにお寄せいただければ!(過去の記事についてでも大丈夫ですよ)質問には頑張ってお返しします…!

では、また次回お会いしましょう〜!


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