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【要項に出てくる「謎の言葉たち」】 放送部 映像制作BasicTips #08

みなさん、こんにちは!なかちゃん です!

前回の「映像制作BasicTips」は「テロップ」について、3回(#05・#06・#07)に渡ってお話しておりました!我ながら長すぎました…!すいません!

今回からは新しいテーマに入っていこうと思います!
今回は前回の反省を活かして(というわけでもありませんが…)1話完結です!私が言うことではありませんが、奇跡的ですね!

では、早速今回の内容に入っていきたいと思います!

1.今回のテーマ

今回のテーマは「要項に出てくる『謎の言葉たち』」です。
ここで言う「要項」とは《放送部 都道府県大会の要項》や《全国総文祭の参加要項》、《NHK杯 全国大会の要項》のことを指しています。

当然ながら皆さん、大会に参加する前には要項の内容をよく読んで、それに従って作品を提出したり、あるいは発表したりしますよね。そんな中で「この言葉はどういう意味なの…?」とか「これは何のこと言ってるの…?」みたいに日常では聞き馴染みがあまりない言葉って、ちょこちょこあると思うんです。こんな感じの。

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そして、当時 高校放送部員だった なかちゃん少年を含め、多くの人は「まあ、今まで特に問題なかったからいつも通りにやればいいのかな」と特に気にすることなく提出することも多いと思います。

まあ実際、ほとんどの場合は問題ありません。大会側で特別な運営をしていなければ何事もなく提出できるはずです。
でも、せっかくなので「ちょこっとだけでも要項に書かれている内容を理解してみませんか?」というのが今回の記事です。

お気付きかと思いますが、今回、えらい小難しいです。
興味のない人には全くもって何の収穫もない記事になってしまいそうですが、ちょっとでも興味があったら見てみてくださいね。では、参ります。

2.「アスペクト比」

まず、要項に出てくる用語ランキング第1位(根拠なし)の「アスペクト比」から。意味はかなり単純で【映像の縦横サイズ比率】のことを指しています。

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基本的に「4:3」か「16:9」のいずれかしかありませんし、今使われている映像は「16:9」がほとんど(というか全部…?)です。
「4:3」を見るとすれば、昔のドラマの再放送みたいな古い(アナログテレビ時代の)映像ぐらいでしょうか。

また大会ルール的にも、NHK杯は「16:9」で制作した作品しか受け付けなくなりました(中学校Nコンを除く)ので、今となっては特別気にするような項目でもないかもしれません。

3.「解像度」「SD画質」「HD画質」

続いては「解像度」です。こちらは【映像をいくつのドット(点)で表現しているのか】を表す値です。

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あんまりそういう風に映像を見たことはないと思いますが、映像というのは小さなドット(点)が集まって作られています。このドットをいくつ使って映像を作るのかと言うのは自分で設定することができます。この数値を「解像度」って呼んでいるわけですね。

そしてこの解像度の中でも[720×480]のものを特に「SD画質」と呼んでいます。

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この「SD画質」というのは、実はDVDに書き込むことのできる解像度の限界です。これ以上の解像度、つまりこれ以上キレイな映像を書き込むとき「ブルーレイディスク」でなければ書き込むことができません。
(仮に書き込めても正常に再生できなくなる可能性が高いです。)
そんなわけで、DVDでの作品提出が求められている大会などでは、映像の解像度についての指定は「SD画質」となっていると思います。

【2022/03/28 追記】
2022年度(第69回)高校Nコンにおいては、映像作品がデータ提出となりました。それに伴って、要項の記述が変更されましたが、解像度における記述に「HD画質」という用語が加わりましたので、追記という形で解説します。

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今回の規定で上限となった解像度[1920×1080]は、本来「フルHD画質」と呼ばれることが一般的ではありますが、要項では「HD画質」と記載されています。
仮に、作品を書き出す際に「フルHD画質」でなく「HD画質」を選択すると、意図せずに解像度が落ちた状態になることもありえるので、出力するときは解像度の数値をよく確認しておいたほうがいいかもしれませんね。

今回の規定変更で、今までよりキレイな映像で提出できるようになりましたが、言うまでもなく[1920×1080]より大きい解像度で提出するのは規定に反するので、ここも要注意です!

4.「ファイル形式」「拡張子」

続いて「ファイル形式」「拡張子」について。これは簡単に言えば【ファイルの種類】です。もっとわかりやすい形で言うなら【ファイル名の後ろにくっついている英数字】です。

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正確にはファイルの種類を「ファイル形式」、ファイル名の後ろに付く英数字を「拡張子」と呼びます。でも、拡張子を見てしまえばファイル形式を判別することができるので、まとめて説明しました。

「ファイル名の後ろに付く」ってどういうことかというと、上図でも例をいくつか挙げていますが、パソコンで映像ファイルや音楽ファイルなどをリストで表示させたりすると表示される「.mp4」とか「.mov」みたいなやつのことです。
ファイル形式は無数にあるので例を挙げるとキリが無くなりますが、拡張子を調べれば詳しい情報が簡単に出てきますので、何かわからなくなったら検索してみましょう。ちなみに、パソコンの設定によっては拡張子が表示されないようになっていることもあるのでご注意を。

5.「コーデック」

次は普通に生活していればなかなか聞くことのない用語「コーデック」です。これを簡単に説明すると【映像の圧縮方法】のことです。

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この「コーデック」。ちゃんと理解しようとすると授業レベルのお話をしないといけなくなるので、現時点で必要最低限の説明をしますね。(ちょっと難しいことを言いますので、なんとなくで読んでね)

実は皆さんが作っている番組作品を含め、映像データというのは何もしないままでは、信じられないくらいデータ量が大きいんです。
で、データが大きいままだと何かと不便だからデータを圧縮したいと。
「コーデック」というのはこの圧縮のやり方のことを言っています(正確にはちょっと違うけど、このぐらいの理解で充分です)。

このコーデックにはいくつか種類があって、映像を書き出すときに自分で好きなものを選択することができる場合が多いのですが、実は再生する側に、再生する映像ファイルで使われているコーデックと同じコーデックが入っていないと映像ファイルを再生することができません

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そんな事もあって、要項では特定のコーデックが指定されていたりするわけです。
とはいえ、再生する側も一般的に使われるようなコーデックには対応しているはずなので、普通は特別気にする必要はないはずですがね…

6.「NTSC」

最後はもっと聞いたことがない単語「NTSC」についてです。これはいわば【映像規格の1つ】です。なんか雑に聞こえますが、簡単に説明しようとすると、そうとしかいいようがありません。

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この項目でわかっていてほしいことは2つだけです。

1つは、映像規格に「NTSC」というものがあって、別のものとして「PAL」と呼ばれる規格もあるということ。
もう1つは、そのうち「PAL」という規格を設定して書き出してしまったDVDは、一般のDVDプレイヤーで再生することができなくなるということ。

ちなみにこの規格は、DVD書き込みソフトの「ビデオ形式」とか「テレビ方式」とかの項目で設定することが多いようですが、何もしなければ「NTSC」が選択されているはずなので、基本は変更しないということで覚えていればいいと思います。

7.まとめ「わからないときはちゃんと聞こうね。」

ここまで飽きることなく読んでくれている放送部員が何人いるかわかりませんが(読んでくれた人、ありがとう…!)、一応まとめということで。ちょっとした例を見てみたいと思います。

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上図のような文言って要項だとよく見ますよね。今回は「それって、こんな意味のことを言っていたんだよ〜」というのを長々説明してまいりました。

結局の所、こんなの全部完璧になんてわかりっこありません。なので、わからなかったら顧問の先生とか、そういうことにめちゃめちゃ強い子捕まえて確認してもらったり、場合によっては大会の運営をしている先生に直接確認してしまうってことが大事だと思います。ただし、確認してもらうなら映像を書き出す前に。(書き出しちゃってからだと確認できない物も多いから)

とはいえ、なんにも知らないよりはちょっとでも分かっていたほうが、聞くときにも助けになるかなと思ったので今回はちょっと説明してみました。
もちろんここまでの説明も、わかりやすくするために省略したり、言い換えたりした部分が多いので、完全ではないことを頭に入れておいてくださいね。(いろいろ調べたおかげで僕も勉強になりました。)

ということでめちゃくちゃ難しくて長くなってしまいましたが、ここまで読んでくれてありがとうございました!(読み切ってくれた人いる…?w)

ご質問、ご感想などありましたら、記事のコメントやオンライン放送室のTwitter、個人のTwitterにお寄せいただければ!(過去の記事についてでも大丈夫ですよ)質問には頑張ってお返しします…!

さて次回は「カラーグレーディング」についてお話しようと思います!(何それ)興味があったらぜひ読んでみてくださいね!では、また次回お会いしましょう〜!

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