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【「映るように作る」テロップ】 放送部 映像制作BasicTips #07

みなさん、こんにちは!なかちゃん です!
今回の「映像制作BasicTips」は前回の続きのお話(3部作の最終回)です。
読んでいらっしゃらない方はぜひ読んでみてくださいね…!

・前々回(テロップ 第1回)

・前回(テロップ 第2回)

では早速、今回の内容に入っていこうと思います!

0.前回のあらすじ

前回お話したのは、テロップを作る上で意識する工夫を3つ、具体例を交えてお話しました。ざっくりまとめるとこんな感じ。

1.「まとめてから区別する」:同じ要素はまとめて、他の要素とは区別できるようにする。
2.「揃える」:レイアウトや文章中の表記などが統一されるように気をつける。
3.「見せる」:テロップを出す以上は、テロップも映像もしっかり見えるようにする。

では今回は、放送部には接点の多い「上映する」ということに重点を置いたお話をしようと思います。

1.今回のテーマ

今回のテーマは「『映るように作る』テロップ」です。

たまにこんなことありませんか…?
「編集してた時は、きちんと画面内に収まっていたはずのテロップが、テレビやプロジェクターに映してみたら文字がはみ出した…」

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こんなにいろんな技術が発展している現代でも、意外とこういうことってよく起こります。
必ずしも機械が悪いわけじゃなくて、上映している環境によっても変わったりしてしまうものなので、こればかりは仕方がありません。

なので、テロップを作るときには、こうなることも見越してレイアウトする必要があるということになります。

2.「映るテロップ」を作るための「ものさし」

そもそも、なんでテロップが画面外にはみ出ちゃったのかといえば、理由は単純で「テロップの位置が画面の端すぎた」から。

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要するに、はみ出さないためにはテロップ位置を内側にすればいいってことです。とはいえ、どこかに基準がないと、どこまで内側に入れればいいのかイマイチわからないですよね…

そこで登場するのが「セーフティエリア」と呼ばれるものです!
別名「セーフマージン」「セーフエリア」なんて呼んだりもします。

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この「セーフティエリア」は、どんな視聴環境でもほぼ確実に表示できる範囲のことで、具体的には映像サイズの90%範囲を指します。
(場合や基準によっては、セーフティーエリアが画面の90%でないこともあります)

つまり、簡単に言えば「このエリアの中にテロップを収めれば、大体の上映環境で問題なく映るよ〜」ということです。

3.セーフティエリアの見方

ちなみにこの「セーフティエリア」は、大半の編集ソフトなどで、実際に映像上にガイド線を表示させて確認することができます。

といっても、編集ソフトは星の数ほどあるので、ガイド線自体の出し方は各自で確認してみてほしいのですが…(ネットで「編集ソフトの名前+セーフマージン」などで検索すれば確認できると思います)

試しに実際の画面の例を挙げるとこんな感じです。

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例として「Adobe Photoshop」と「Adobe Premiere Pro」の編集画面を出してみました。どちらの画面も、内側と外側の2つあるガイド線(枠)のうち、矢印で示した外側の枠が「セーフティエリア(90%)」を表しています。

放送部は「上映」をする機会が特に多いと思うので、こういったことを少し気にしてみると「あれ、こんなはずじゃなかったのにな…」ってなることが少なくなるのではないでしょうか?

4.まとめ「ちゃんと伝えて、ちゃんと見せる」

と、ようやく3回に渡ってお送りした「テロップ」についてのお話はおしまいです!長いことありがとうございました!

今までの3回分の内容、改めてまとめると…

【テロップを扱う上で大切にしてほしい考え方】
・テロップは必要最小限の情報で
・テロップが映像の邪魔をしないように
・テロップを出す以上は読めるようにする
【テロップを作る上で意識する工夫3つ】
1.「まとめてから区別する」:同じ要素はまとめて、他の要素とは区別できるようにする。
2.「揃える」:レイアウトや文章中の表記などが統一されるように気をつける。
3.「見せる」:テロップを出す以上は、テロップも映像もしっかり見えるようにする。
【テロップ位置を決める1つの基準】
セーフティエリア(セーフマージン)」は画面サイズの90%範囲を指し、この範囲内であれば、どんな視聴環境でもほぼ確実に表示できる

ということでした。

テロップは、映像だけでは伝わりきれない情報を伝えることができる1つの補助機能です。だからこそ、伝えたい通りにきちんと伝えて見せるべきものはきちんと見せるように作らなければいけません。
このことを、頭の片隅に入れながら、作品を作ってもらえればなと思います!

ご質問、ご感想などありましたら、記事のコメントやオンライン放送室のTwitter、個人のTwitterにお寄せいただければ!(過去の記事についてでも大丈夫ですよ)質問には頑張ってお返しします…!

今回は3部作ということで大変長くなってしまいましたが、ここまで読んでくれてありがとうございました!
次回は「作品規定に出てくる単語」についてお話しようと思います!
興味があったらぜひ読んでみてくださいね!では、また次回お会いしましょう〜!


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