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【カメラ位置を決める「半円の掟」】 放送部 映像制作BasicTips #02

みなさん、こんにちは!なかちゃん です!
今回の「映像制作BasicTips」は前回の続きのお話です。
読んでいらっしゃらない方はぜひ読んでみてくださいね…!

では早速、今回の内容に入っていきたいと思います!

0.前回のあらすじ

前回は「イマジナリーラインとは何なのか?」ということについてお話をしました。簡単にまとめると「向かい合った登場人物2人を結ぶ、想像上の線」のことだよ〜と説明したと思います。

でもこのままだと、ただ2人を線で結んだだけになってしまいますので、今回はこの「イマジナリーライン」をどう使うかについてお話しようと思います!

1.今回のテーマ

今回のテーマは「カメラ位置を決める『半円の掟(おきて)』」です。

「えっ、この前『線』が出てきたと思ったら今度は『円』…?」

と思っているかもしれませんが、説明を聞いて貰えればなんとなく意味はわかると思います…!
前回、イマジナリーラインが撮影(特にドラマ)ではものすごく大切になってくるという話をしましたが、その理由がこの「半円の掟」に隠されているんです。

あ、ちなみに。この「半円の掟」にもちゃんとした名前がついています。
『180°ルール』です。(そのまんまでしょ?)よかったら覚えてあげてください。

では、ここからはその内容に入っていこうと思います!

2.「180°」ってどこのこと?

「180°ルール」の内容を説明する前に、まずこの「180°」が一体どこのことを指しているのかについて説明します。
これについては図を使って説明しますね。

スライド2

ここで言う「180°」とは、イマジナリーラインを境に、最初の映像(=最初のカット)を撮影するカメラが置かれている側の半円エリア(図では緑色に塗っている範囲)を指しています。
したがって、この図を見て勘のいい人は気がついたかもしれませんが、この「180°ルール」というのは、最初のカットを撮影するカメラの位置が決まってからでないと発動しません

では、ここからようやくルールの中身のお話です。

3.唯一のルール「ラインをまたがない」

とはいえ、この「180°ルール」に課されているルールは1つだけです。

それは「最初のカットに続くカットを撮るカメラ位置は、イマジナリーラインをまたがないこと」。

まあ、文章だけでは少しイメージしにくいと思うので、ここも図を使って説明をしていきますね。
「イマジナリーラインをまたがない」とは、こういうことです。

スライド3

この図の通り、Cut.1のカメラで撮影した映像に続くカット(Cut.2)は、イマジナリーラインをまたいだ位置、すなわち先程説明した半円のエリアの外から撮影してはならないということです。

なぜ、このようなことを避ける必要があるのか。それは、それぞれの位置で撮影される映像をイメージしてもらえばわかります。

仮にCut.1もCut.2も、上の図の通りに撮影をしたとすると、撮影される映像はどちらの映像も「被写体が画面の右を向いた映像」になりますよね。
すると観ている人は、『話してる様子的には、2人は向かい合ってるっぽいんだけど、映像ではどっちも右向いてしゃべってる(ように見える)…』ってなるわけです。
これを俗に言う『人物の位置関係が混乱する』ってやつです。

じゃあ、どうやって撮影するのがいいのかって言うと…

スライド4

単純に、同じエリアの中にカメラを置いて撮影すればいいというわけです。
こうすれば、映像内で被写体が向いてる方向が2人の位置関係と一致する、つまり、映像的にもちゃんと2人が向かい合ってるように見えますよね。

実は、これで「180°ルール」のお話はおしまいです。
要は、このことだけ意識できていれば、少なくとも『この人、どこ向いて話してるの…?』みたいな映像を撮ることはなくなるということです。

4.まとめ「片側からめっちゃ撮られてる…」

さて、2回に渡っての今回のお話をまとめると、

1.向かい合った被写体2人を結んだ想像上の線を「イマジナリーライン」と呼ぶ。
2.それぞれの被写体を写すカメラを2台以上置くとき、原則としてそのカメラはいずれもイマジナリーラインを挟んで左右どちらかのエリアにしか置くことは出来ない。これを「180°ルール」と呼ぶ。

というお話でした。

まあ、きっと撮影されている方からすると「えっ…なんかずっと私、右側からしか撮られてないけど大丈夫…?」ってなるんでしょうけど、基本的にはそれで大丈夫ってわけですね。

5.ここまでの話は「原則」ね。

もう「まとめ」まで行ったんだからスッと終わればよかったんでしょうけど、どうしても伝えたいことがあるのでもう一つ見出しを作りました。ちょっとだけお付き合いください…

今回の「180°ルール」のお話では、わかりやすくするために説明で「〜には置かない」とか「〜してはならない」という書き方をしました。でも、あくまでこれは「原則」のお話です。

もちろん、撮影する側にきちんとした考えがあって、あえてこの「180°ルール」を破って撮影することもあります。
もっと言えば、きちんとした方法で「180°ルール」から外れた撮影ができる方法だってあります(ここでは説明しませんが…)。

この先もこのコラムのみならず、いろんな所でテクニックやスキルを学ぶことがあるかもしれませんが、意外とそういうものって「意図があれば反対のことをしても通用する」ものばかりだったりもします。
今はまだイマイチよくわからない人も、頭の片隅にでも入れておいてもらえると、いつか役に立つ日が来るかもしれません…!

さて、長くなりましたが今回の「180°ルール」のお話はここまでです!ここまで読んでくれてありがとうございました〜!

ご質問、ご感想などありましたら、記事のコメントやオンライン放送室のTwitter、個人のTwitterにお寄せいただければ!(過去の記事についてでも大丈夫ですよ)質問には頑張ってお返しします…!

次回は「アフレコ」についてお話しようと思います!
興味があればぜひ読んでみてくださいね!では、また次回お会いしましょう〜!

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