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Taskmaster | Series 17

Taskmaster | Series 17 (Full Episodes Playlist)

シリーズも宴も酣の17(!!!)、前回に続き英国放送1日遅れのユーチューブ即配信のお陰でのほぼオンタイム視聴。

ところで、今シリーズはいつものシリーズとはちょっと違う心持ちで視聴開始となった。と言うのは、出演者ラインアップビデオを見て画面の前で真剣に「え!!!!」と叫んでしまった位全く予想してなかった楽しみな人がいた為。それはなんとあの英国の至宝スティーブ・ペンバトン!

英国モダンカルトコメディブームを先駆けとなるリース・シアスミスとマーク・ゲイティスとトリオを組んだ出世作「リーグ・オブ・ジェントルメン」が当時近所の奇妙なマニア向けDVDも置いてくれていたTSUTAYA(移転したので行かなくなったがその移転先も2年ほど前に閉店した)に奇跡的に全シリーズ置いてあり(あの店舗で果たして何人の人が借りたのだろう?並列して00年代のカルトコメディ「マイティ・ブーシュ」も置かれていて奇跡的に視聴出来たし私のTSUTAYAに対する企業イメージはあまり良いものでは無いのだけど今から思えば有難い店舗だったと思う。) 「オカルトの怖さの中に潜む不気味でいてコミカルな笑い」と言う新ジャンルを知ったのを皮切りに、その後もワオワオなんかで放映された英国サスペンステレビドラマ等で度々お目にかかる事のあった、あの個性派コメディアン兼俳優兼脚本家として全て一流の位置にいるあのスティーブ・ペンバトンがタスクマスターに出演ですと!!!(白目)


Justice for Pemberton!!!

と興奮したものの、素顔の人物像は結構謎なまま、と言うのは日本に住んでるとよくある事なのだけど、御本人もポッドキャストでイギリス本国でも自身パネルショーの類は避けていて素の自分をさらけ出したのは長年のキャリアの中で今回がほぼ初めてだと仰っていたし、ジェニー・エクレア(シリーズ15に出演、現人民の為のタスクマスターポッドキャスト進行役)も素の彼は実はあまり知らないと言っていたので、イギリス人にとっても顔はお馴染みとは言えその素顔は謎な部分が多かったらしい。そこら辺の新たな一面が見られる事に関してもますます期待がかかるというもの。

そしてエピソード1から、早くもその期待は確信へと変わりワクワクが最高潮を迎えることになる。とにかくタスクに対する取り組み方がこれを機に一攫千金の大ブレイクを狙う新人コメディアンも太刀打ち出来ない真剣さで、全てのタスクで独自の物語を作り上げ、自らその物語の演じ手となる。緻密に計算されつくされていて度肝を抜かれた。

如何なるタスクも彼の脳味噌を通過すると全て「リーグ・オブ・ジェントルメン」や「Inside No. 9」のキャラクターや物語が目の前に広がり、瞬時に100%スティーブ・ペンバトンワールドになるのだ。

私はあまり知らないけど多分イギリスではもう結構上の方に居るんだろうと思われる出演者は今までもちょくちょく出演していたけど、大概そういう人は「普段の息抜き」程度に参加し、真剣さは二の次でとにかく何も気にせずただ楽しむと言うスタンスが多く見られたので、てっきり重鎮ペンバトンもそんな感じで挑むのだろうと高を括っていたが大間違いだった!と言うのは嬉しい誤算だった。
ペンバトンのタスクへの取り組み方を見て、この人は妥協したり手を抜くと言うことを知らないのだなと思った。時にそれが邪魔をしてしまい、最悪の場合タスクを無駄に難しくしてしまい足を引っ張る形となり、採点が低くなることもあった。そうであってもペンバトンはあくまでとことん独自の世界を追求し続けた。

とかく冒頭のプライズタスクはタスクに真剣な出演者でもかなりの割合で軽視している傾向があり、無難にやり過ごす、または、適当に用意して口先で誤魔化す事が数多いのだけど、ペンバトンのプライズタスクへの準備の仕方は並大抵では無かった。一瞬普通のプライズかと思いきや、二重三重に仕掛けていたり、リース・シアスミスとの共作(リーグ・オブ・ジェントルメン愛がたっぷりで可愛い)のこけし、計算機俳句、全国紙の新聞に秘密メッセージを潜めたクロスワードを掲載する等時間のかけようが尋常でない。プライズタスクも真剣に挑めばここまでのものが出来上がるのか、とシリーズ17にして開眼した。

あまりに一人に入れ込みすぎた事が無く、今まで誰が勝ってもあまり何とも思わなかったしシリーズ観直してもこのシリーズは結局誰が優勝したんだっけ?と言う位勝敗には全く興味が無く観ていただけに、今回は応援に熱が入り込みすぎ、ファンの人なら当然この悲しみを判ってもらえると思うが、エピソード6視聴後はショック過ぎて、いつもなら視聴後すぐ聞くポッドキャストも冷静さが取り戻せず2,3日見送った位。(更に正直に言えば最終回の勝者がゲストの回も聞いていないし多分今後も聞かないだろうと思う)しかもそのエピソード6の回のゲストがアメリカ人の私の全く知らないコメディアンだったせいもあるが、プライズタスクのクロスワードも大したこと無いと言う憤懣たる言いっ振りでその温度差に思わず(人民の為のポッドキャストの方でもそんな評価を下した人は誰もいなかったので、イギリスの新聞クロスワード暗号の伝統を知らないか、思い入れが薄すぎなんじゃないだろうか)激怒。一人に思い入れが強いとあまり良い事ばかりではないなと反省した。
その他2件意見したいタスクがあったりするのだが、共にジェニーエクレアも同じ意見なだったのであまり的外れでは無いと思いつついずれもペンバトンが低得点なものなので、きっと公正かつ冷静には批評出来ていないと判断し割愛した。

ペンバトンの個人タスク以外での一番お気に入りのタスクは、矢張りチームタスクで、大雑把に言えば「ステージ上にあるスイカを居間の机に置く」タスクなのだけど、当然そんな単純なものでなく色々クリアせねばならぬ条件があり、更にプラス個人個人個別の内緒タスクがあると言う二重タスクになっており、そのおかげで人間と言うのは人の話を何も聞いちゃいないし人の行動も何も見ちゃいないだけでなく、チームタスクと言う名目でも結局欲しいのは自分の手柄だけで人間は所詮エゴの塊と言う人間学の人証実験の良い例にもなっていて可笑しすぎた。更にこのタスクの前に全員に内緒で個人タスクをアレックスが配る場面が映されていて、これがちょろっとなんだけれどもタスクマスターファン(+ペンバトンファン)にはたまらんお宝映像で、撮影前にリラックスしてる様子やら番組内では決して映らなかったタスクマスターハウスの控室の様子が見られたりして、チームタスクの撮影の裏側が観られたのがとにかくシリーズ17にして初公開みたいな感じで嬉しかった!!!

シリーズ本国のチャンネル4放送終了直後(昨日)にシリーズ18の出演者が発表されたが、次回はペンバトン級の出演者は居ない模様なので、きっとこれまでのシリーズ16までみたいな冷静な見方が出来ると思う。

ユーチューブ一日遅れ即配信お陰でアメリカでも人気爆発でプレミア上映も本国に先駆けNYで行われたとかで、今までイギリスのものがアメリカで人気が爆発するとあまり良い方向へと向かった事例が少ないので一抹の不安を感じずにいられないのだが、これからも自分を見失わず頑張ってほしい。

今回のタスクマスターを観てスティーヴ・ペンバトンの作品がもっと見てみたい!と思った人にオススメ。
今回の件でもう一度見返してみたシリーズ。
Inside No.9 (Amazon Prime Videoではシリーズ1と2が視聴可能)
リーグ・オブ・ジェントルメン以降タッグを組むリース・シアスミスとの共同制作兼脚本。二人以外はエピソード毎に割と大物俳優、タスクマスター出演者も含めゲスト出演。

"A Quiet Night In" - Inside no.9 (Series 1, Episode 2)

一番のお気に入りはシリーズ1のエピソード2

Sardines - Inside No. 9 (Series 1, Episode 1)


シリーズ最初のエピソードではタスクマスターアシスタントアレックスホーンの親友にしてシリーズ1の出演者であり現在もタスクマスターコンサルタントとしてクレジットにその名が載るティム・キーとシリーズ10に出演していたキャサリン・パーキンソンが出演。(イラストはタスクマスターシリーズ1を観た後、このエピソードにティム・キーが出ていたと知り急いで見直した時に描いたもの。)

Whitechapel (Amazon Prime Videoでシリーズ全話視聴可能)
シリーズ1の切り裂きジャックを真似た事件を皮切りにホワイトチャペルで次々起こる事件を扱うドラマシリーズ。ペンバトンは切り裂きジャック研究家で登場していて正にはまり役。最終シリーズ4では3-4話「仮面」で脚本も担当。最終シリーズが殺人課も捜査に深入りしていくに連れ段々捜査員もホワイトチャペルに蝕まれていく、と言う展開での打ち切りでこの後の展開を思うと非常に残念。


Happy Valley 


後、プライムで観られるもので今思い出せる限りでは「Happy Valley」でも如何にもペンバトンと言う役で出演していたり 「Good Omens」 にも「リーグ・オブ・ジェントルメン」トリオで豪華ゲスト出演!!
*イラストは全て観た当時に描いたもの


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