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看護師を選んでいいか迷っている方へ

「看護師って国家資格だし、安定してるから看護師でいいかな。」
「私は看護師を選んでいいのかな。」
「看護師って、私に合っている職業なのかな。」

中学生や高校生になると、将来なりたい職業は何かを考え始めるのではないでしょうか。
私が進路選択で看護師になろうと決めたのは、高校生の時でした。
この記事は、将来看護師になろうか迷っている方に向けて書いた記事です。看護師の良さや大変さが分かり、職業選択の参考になればと思います。

私は大学病院、地域の中規模病院、クリニックと規模の違う3つの職場に在籍経験があります。約20年の看護師経験から分かった看護師の特徴について、ご紹介します。



看護師の良さ5選

  1. 衣食住に困らないだけの給与が得られる

  2. 生活スタイルに合わせた働き方ができる

  3. 患者から直接感謝の言葉を受けられる

  4. 絶対に無くならない職業

  5. 更なる専門性を追求できる

  1. 衣食住に困らないだけの給与が得られる
    令和5年の賃金構造基本統計調査によると、看護師の平均給与は508万1700円(平均41.9歳)です。他職種の40代男性の平均給与は550万円前後、女性は400万円前後とすると、悪くない給与だと思います。新人の給与も他職種と比較すると高く、私の時は夜勤や残業代を含めて450万近く貰っていました。自宅から病院までが遠いと、病院の寮や借り上げマンションに安く済むことも可能です。一人暮らしをしてみたい、親元から離れて自立したいと思っている人には、看護師になることでスムーズにその生活に進むことができます。お金持ちになれる職業ではないかもしれませんが、安定して稼げる職業、自立した職業を探している人には、よい職業だと思います。

  2. 生活スタイルに合わせた働き方ができる
    結婚すれば配偶者の転勤、親の介護、子供の障害や病気などで、仕事を減らしたり、辞めたりしなければいけなくなる可能性があります。看護師は、全国各地に豊富な求人があるので、辞めたとしても選ばなければ、すぐに正職員として採用されます。勤務時間も日勤のみ、夜勤専従、パートでの短時間と、自分で好きに選ぶことができます。家族との時間を最優先したい時は仕事をセーブしたり、子育てが落ち着いたら正職員でしっかり働いたりという柔軟な選択が可能です。

  3. 患者さんから直接感謝の言葉をもらえる
    自分が責任を持ってした仕事に対して、患者さんから直接「ありがとう。」「あなたがいてくれて良かった。」と感謝されることも多いです。また、菓子折りや自分の家で取れた果物や野菜を感謝の気持ちとして渡してくれる患者さんもいます。サービス対象者から直接感謝の言葉を聞けるのは、自分の仕事が評価されていると感じ、嬉しいものです。

  4. 絶対に無くならない職業 
    看護師は、どんなにテクノロジーが進化しても、無くならない仕事だと思います。「AI化、ロボット化で無くなる仕事ランキング」という記事を見かけますが、看護師がこのランキングに入っているのを見たことはありません。看護師は患者から迷いや不安を聞いたり、整理したり、励ましたりといったことを日々の会話の中でします。その状況に応じて、笑顔になったり、真剣になったりして、患者の気持ちを受け止めます。そして、患者さん全体を見ながら、患者さんの細かな変化を観察し、分析します。これを様々な状況で対応しなければならず、ロボットには変わることはできません。日々進化する新しい機器を使う側にはなりますが、使われる側にはなならないでしょう。看護師を通して身に着けた技術は一生ものの技術だと思います。

  5. 更なる専門性を追求できる
    看護師として働き経験をつみ特定の興味がある分野を極めたいと思った場合、日本看護協会が認めた「認定看護師」「専門看護師」などの資格を取ることも可能です。また、「保健師」や「助産師」になることも可能です。看護師の職場は病院だけにとどまらず、訪問看護、特養などの施設看護師、デイケアセンター、地域包括支援センターなど幅広い分野で活躍することが可能です。

看護師の大変さ5選

  1. 夜勤に伴う生活リズムの乱れ

  2. 命を預かる重い責任

  3. マルチタスクと臨機応変さ

  4. 感染症にかかる危険がある

  5. 経験によって給与があがりにくい

  1. 夜勤に伴う生活リズムの乱れ
    看護師の給与が高いのは、夜勤を行うからです。ほとんどの病院が2交代制を採用しており、1か月に4回くらい夜勤があります。私が勤務している病院の場合は、16時半から翌日の9時半までの16時間前後が夜勤の勤務時間です。朝に勤務が終了し、その後の睡眠時間の調整がうまくいかないと生活リズムが乱れます。その結果、夜眠れなかったり、疲れが取れにくくなったり、太りやすくなったりします。私は疲れやすい方で、夜勤後に睡眠をとると、どうしても短時間ですますことができずに気づいたら夜になっていたということが多かったです。そうすると夜眠れなくなり、次の日も疲れが取れずに1日をダラダラと過ごすことが多くなってしましました。現在は、自分に夜勤は合っていないと感じ、日勤のみで働いています。夜勤が合わなければ、給与面では他の一般職と大して変わりなくなりますが、日勤のみで働くという選択肢もあります。

  2. 命を預かる重い責任
    緊急度の高い患者さんや重症な患者さんを対象にする場合、常に緊張を強いられます。手術後の患者さんは、色々なチューブが入ってきているので、看護師はそれが抜けていないか、身体から出てくる液は正常範囲か等を時間単位で管理します。そして、異常があれば夜でも医師に報告します。看護師の適切な観察と管理によって、患者さんの手術後の合併症を早期に発見できたりします。それは、やりがいにもつながりますが、ミスが許されない精神的負荷が強い仕事かもしれません。また、死期が近い患者さんや家族には、不安や迷い、心の揺れなどメンタル面にも耳を傾ける必要があります。こちらも真剣で繊細な対応が求められ、心身のエネルギーを消費します。

  3. マルチタスクと臨機応変さが求められる
    看護師の日常は、業務の中断の連続です。ナースコールが鳴ったり、電話が鳴ったり、廊下であった患者さんに話しかけられたり、医師の処置が急に始まるのでその補助に回ったりと、自分が本来したい業務が中断されることが多いです。そのため、一つのことに集中できない環境下に適応する必要があります。優先順位を即座に決め、臨機応変に対応していくことが求められます。

  4. 感染症にかかる危険がある
    看護師が対象にする患者さんは、さまざまな病気を持って病院にやってきます。そのため、コロナ感染症、インフルエンザ感染症、結核、C型肝炎、B型肝炎、HIVなどに感染する可能性があります。予防接種などで予防することが可能な病気もありますが、その予防接種代金は自腹の場合もあります。感染した場合は、労災認定になる場合もありますが、どの感染症も治癒するまで辛いものです。また、化学療法の薬を扱ったり、医療被曝があったりといった医療現場特有の危険とも隣り合わせです。

  5. 経験年数が長いと給与が上がるわけではない
    ベット数が多い大きな病院は違うのかもしれませんが、中規模の病院だと経験が増えても給料はあまり上がりません。経験年数が多い看護師が処置をしても、少ない看護師がやっても、国から病院に入る診療報酬は同額です。そのため、病院は経験が多い看護師に給与を多く上げる仕組みにはできないことも影響しているでしょう。私が働いている病院では、パートの昇給は1年間で時給8円アップです。昇給しない病院が嫌なのであれば、高い給与のところに転職する選択肢が取れれば解決しますが、転職にはエネルギーが必要です。

看護師に向いている人の特徴3選

  1. 人と関わることが好き

  2. 体力があり、エネルギッシュ

  3. 臨機応変さがある

  1. 人と関わることが好き
    看護は人を対象にします。だがら、人と話すことが好きだったり、楽しさを感じたりできる人は、看護師に向いていると思います。顏と名前を一致させるのに苦労しない人もいいかもしれません。

  2. 体力があり、エネルギッシュ
    看護師は立ち仕事が主です。動けない患者さんを移動させたり、シャワーに入れたり、病棟内を動き回ったりと、体力は確実に必要です。患者さんの状態を細かに観察したり、予定を立てたり、記録を書いたりと頭も常にフル回転で使っています。ライブに行ったり、ディズニーに行ったり、朝までオールもOKなエネルギッシュな人は、生き生き働けると思います。

  3. 臨機応変さがある
    毎日が、違う患者、違うスタッフで、変化の連続です。患者さんの状態が急激に悪くなり急な対応が必要になることもあるし、緊急入院が入り、病棟全体があわただしくなることも多いです。そのため、常に優先順位が入れ変えながら仕事をします。優先順位は何か、どのような行動をとればいいのか、常に考え臨機応変に動ける柔軟さが必要になります。

どの職業も同じかもしれませんが、看護師も良さと大変さがある仕事です。私は、看護が特別好きとは感じないのですが、看護師を通して得られる生活には満足しています。大変そうにしながらも生き生きと働き、目標を持っている同僚を見ると、眩しく羨ましく思いますが、私もそんなキラキラした人になれればいいなと思います。

ここまでお読みくださり、ありがとうございます。


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