HITOSHI NAGASAYA & 合田ノブヨ|メルヴェイユのはざま《1》|冬の羊歯
丹念に織り込まれた「細部」というものがある。
そうした美しい「細部」はしばしば人を驚かせ、感嘆させる。
合田ノブヨさんの作品には、そんな細部がそこかしこにある。
羊歯を手にして霜の模様を描くような仕草をする少女。
窓霜の模様が羊歯を連想させることを、少女を媒介にしてまるで冬の奇跡のような作品にしている。
羊歯も窓霜も、どちらも「細部」がある存在だ。
そして手前の羊歯から白く霞む窓外まで、冬の白く溶け込む光景がしっかりした暗色の窓=フレームによって囲まれる。