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2023年映画ベスト10

2023年の映画マイベスト10。例年どおり順位不同(鑑賞順)で、新作として劇場公開&新作配信された長編映画から選びました。2023年に映画館&配信サービスで観た新作映画は、いまのところ130本です。
 
【2023年マイ映画ベスト10】
 
「コンパートメント No.6」
フィンランドの留学生による、モスクワから最北端への寝台列車の一人旅。旅とは思いがけず誰かと時間を共にすることであり、何が起こるか分からないという点で、まさしく映画の醍醐味とも重なって来る。目的地に着くよりも、そこに着くまでの過程がメインなのも良かった。

「コンパートメント No.6」

「BLUE GIANT」
夢を叶えるために必要なものは才能や努力ではなく、何より圧倒的な情熱なのだと、エモーショナルな物語、紡ぎ出される音楽の熱量、そしてそれらと見事に呼応する凄まじいアニメーションによって、完全に打ちのめされた。今この瞬間も、ぼくの心にずっと鳴り響いている。静かに、熱く。

「BLUE GIANT」

「ベネデッタ」
聖と俗、敬虔と冒涜、愛と憎しみ、痛みと悦び、嘘と真実、現実と幻想、そして奇跡と奇術……これらが相反・対立するものとして描かれのではなく、全てが渾然一体となってスクリーンからあふれ出し、押し寄せる。ポール・バーホーベン監督に翻弄され、試され、さらに問われ続けた131分。 

「ベネデッタ」

「長ぐつをはいたネコと9つの命」
人生の折り返し期を迎えたとき、昔の自分と今の自分とのギャップや、今後の人生への不安や焦りとどう向き合うべきなのか? それを克服するヒントを教えてくれる、まさに悩める大人のためのアニメーション。様々なアイデアあふれる活劇=アクション映画としても完璧。

「長ぐつをはいたネコと9つの命」

 「わたしの見ている世界が全て」
ひたすらに効率、成長、利益、成功を追い求める人生は。はたして幸せなのだろうか? 主人公と同じように、いますぐ生き方は変えられなくても、自分のこれまでの人生を顧みたり、疑問を持ったりするきっかけになる作品。"気づく"とは、"傷つく"ことなのだ。 

 「わたしの見ている世界が全て」

「aftersun/アフターサン」
とっても大好きな作品なんですが、その魅力は今でも上手く説明できないし、それを説明してしまったら、本当に好きな気持ちまで台無しになってしまいそうな気もする。それくらい、あのひと夏の出来事が、胸を切なく焦がし続けている。ヒリヒリとした、日焼けのように。

「aftersun/アフターサン」

 「ファルコン・レイク」
青春とは1%の美しい思い出と、99%の後悔でできている。二度と取り戻せない美しい瞬間と、やり直せない数々の後悔が、16mmフィルムならではの繊細で刹那的な映像によって、ときにやさしく、ときに残酷に映し出される。あまりにも危うくて儚い"ひと夏"を描いた青春映画。 

 「ファルコン・レイク」

「バーナデット ママは行方不明」
現実と上手く折り合いをつけられず、生きづらさを抱えた主人公が、自分の人生をつまらなくしている原因に気づき、自らの行動力と決断力で打破していく。厳しい現実を乗り越えるために、人はときとして圧倒的な非現実を必要とする。それこそが旅であり、映画なのだ。

「バーナデット ママは行方不明」

 「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
ロマンチックな愛とグロテスクな欲望を抱えながら、そのジレンマに引き裂かれるのではなく、彼の中で最後まで共存しているのが何より恐ろしい。劇中セリフの「先住民の彼らは無口だが、決して無知ではない」を見事に体現したリリー・グラッドストーンの演技も圧巻。

 「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」

 「MY (K)NIGHT マイ・ナイト」
三組の男女の“ある一夜”を描いた群像劇でありながら、それらがすべて男女の恋愛関係ではなく、他人同士のまま、つながりをロマンチックに描いているところが素晴らしかった。シンプルに面白くて、鑑賞後には、いまどき珍しいくらいすっきりと晴れやかな気持ちに。

 「MY (K)NIGHT マイ・ナイト」
#2023年映画ベスト10

#2023年映画ベスト10
「コンパートメントNo.6」
「BLUE GIANT」
「ベネデッタ」
「長ぐつをはいたネコと9つの命」
「わたしの見ている世界が全て」
「aftersun/アフターサン」
「ファルコン・レイク」
「バーナデット ママは行方不明」
「キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン」
「MY (K)NIGHT」


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