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東京輪舞を観劇して③


東京輪舞 強い感動や、深い考察を。

※2投稿に纏められず…まだ書きます🙇

幕が開けて1週目に2回観劇して、チケットのない1週間があり、次の観劇予定は3月25日だった。

そこまでの空白の1週間という時間も大切にして…と当初は思っていたのに。

私のスケジュール的にも家族のスケジュール的にも明日の月曜日マチネの時間は空いている、と思ったら日曜の夕方 PARCO劇場に電話をかけてました。

そんな風に急遽足を運んだのが3月18日のマチネでした。

いわゆる当日券というチケット🎫
下手の高いお山から落ち着いて見える席。

この幅感もって見渡せるの
私、これはこれで好き♡

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何回書いてもまだまだ書きたいことのある「東京輪舞」という作品。
セリフ話すの2人なのに 登場人物は多いのでね。書いても書いてもアレコレ思い出します。

4回目の観劇で突如私に初めてガツーンとぶつかってきたのは「行為の部分の性」、、、
このストーリーってこんなにも「性」「性交渉」について描かれていたっけ?と頭の中混乱していました。

情事の前後のセリフがあり、行為そのものは描かれない。
文字でパッと表示される斬新な演出に思えてはいたものの、そこに注目するのはちょっと違うような思い込みがあったのか、または、
過去3度の観劇では感じ取れなかったものが、4度目で見えてきたのかもしれません。

あとは遠目に舞台が見えてるのが暗転の部分(具現化されない情事のタイミング)の私の想像力を高めるのに良かったのかもしれません。

正直その行為の部分に深い意味を与えるという行為こそが愚行と、シュニッツラーの原作からそんな「哀しさ」を感じていたけれど、
情事をサイネージの文字で「交尾する」「SEXする」「愛する」などと表現されることで、”意味を持たない” とも”意味を持つ”とも受け取れるような気持ちになり、気になり始めると結果受け止め方が…難しかったです。

性別のことも情事の行為も英語でいうならSEX。
私が子供の頃には想像も出来なかったほどの多様化される性別認知の時代にあって、複雑化したSEXの意味と行為。

誰かに見られるものでもないのに、無いものにも出来ない。
タブーにも受け取れるのに、それが無かったら人類滅亡だろという事実。

相手の想いが大きくても、そこに気持ちがなくても、出来る行為と表現されているような気もするし、そこに確かなものが無ければ、「すれ違う」ものでもある。

タツヒコさん、サヨさんの欲しい言葉が言えなかったのは、満足のいくSEXが出来なかったからに他ならないのではないのだろうか?

誰かに見られるものでは無いと書いたけど、正しくは見られること、口悪く言うなら「見世物」のような扱われ方をすることもある。
ジャスミンが過去にAVに出たというシーン。
執拗に追われ追い詰められるジャスミンと、狂気じみたマサくんを見るのは心が痛かった。

心が痛い理由の一つは舞台上のジャスミンに、もう一つは客席に多数いる女性の中で もしも同じような経験がある方がいたとしたら、、、と思うからだ。

私だったら耐えられないだろうな。
だって「そうしなければならなかった」事情がそれぞれにあるのだろうから。

幸せな2組が描かれていないから ということもあるけれど、SEXの表現は心が苦しい。

そんな風に「もの悲しさ」を抱いているところへ、なんとも素晴らしく単純で、純粋に、マカナさんが「そこにカイトがいたからカイトとしたし、あなた(社長、ショウコ)がいたからあなたと寝たし、未来にもしあなたの性欲が溜まっていて 私がそこにいたらね…」というラストシーン。

「表裏一体」という言葉がしっくりきたシーンでした。

ここで涙がでるのは、この子の純真さに、この純真さを汚す世の中に、でも現代東京を 大袈裟に言えば「生きるか死ぬか」の中を逞しく生きていくんだというメッセージ性あるキャラクターがマカナさんで、
だからマカナさんスタートのマカナさんを最後に見せてくる。

あ、目の前にある”これ”が「東京輪舞」だ。

みんな一瞬そう納得感を持つであろうお話の締め方。

ある意味私たちの思う「東京」というイメージにピッタリな彼女が、私自身に「そんな難しく考えないでよ」と言っているかのようにも見えました。

マカナさんというキャラクターを、役者を替えるという粋な演出で、舞台上に強くインパクトを与えつつ、女性で既婚者で母でもある人が、若い女の子とそんなことになったら、若い男の子とそんなことになる以上のある種の衝撃がある、日本のティピカルな考えとの対比が見えやすいのは、ラストになって2人芝居である事にまで意味を持ち始め、ものすごい衝撃でした。

情事前後の会話のやり取りに集中した過去3公演と違い、4公演目にして「性」がバーンと目の前に突きつけられたのとで、
ああ!そういうメッセージもこの作品にはあったのかと、、、
夕方の空を仰いだ観劇の帰りでした。

この新たな感想を持った時に、残りの2公演分のチケットがさらに輝きを増す。

これが見る側の私たちのコンディションも毎回違うから、演劇を観ることの醍醐味ですよね。

演劇を観るのって 楽しいな

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もう何日温めた?ってくらい書き進められなかった下書きを、今日なんとかそれらしく日本語の文章にして解き放ちます。

大学の頃、「いいか!お前たち日本語で文章なんて書くなよ!間違えてもその文章を遺そうと思うな!!」といつも真顔で学生に言っていた笹田先生の顔が浮かびながら、、、

(先生曰く、英文学科の生徒の日本語は最悪だから世の中に遺すな…。この言葉 歳をとるほどに身に染みて、私の文章ヤバいなぁって理解してます✋)

そして、今日は大阪の「東京輪舞」へ向かいます。大阪楽にお邪魔します。
チケット無駄にしなくて済みそう。
ほんと良かった♡

待ってろ!大阪!!😆

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PARCO PRODUCE 2024
東京輪舞(トウキョウロンド)
原作/アルトゥル シュニッツラー
作/山本卓卓 演出・美術/杉原邦生
出演/髙木雄也・清水くるみ
東京公演/3月10日〜3月28日 PARCO劇場
福岡公演/4月5日〜4月6日 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
大阪公演/4月12日〜4月15日 森ノ宮ピロティホール
広島公演/4月19日 広島上野学園ホール

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