クルーズ船ウェルカムサポーター・デビュー!見えた課題と英語力の伸び
「ウェルカム・サポーター」をご存知ですか?
ウェルカム・サポーターとは、外国語を使って海外からの観光客を接遇する語学ボランティアのことです。
これまでテレビなどで何度か目にしたことがあり、その存在は知っていました。しかし、私が住む地域ではこの取り組みは行われていないため、遠い存在でしかありませんでした。それが縁あって、この度サポーターとしてボランティア活動に参加することになりました。今回は、私が参加している団体の活動内容や、ボランティア活動を通して実感した、課題と英語力の伸びをご紹介します。
ダメもとで応募したウェルカムサポーターの募集
友人の紹介でウェルカムサポーターの募集を知った私は、英語を使って海外からの観光客とコミュニケーションが取れることに、すごく興味が沸きました。しかし応募条件の中に、「活動地の近隣在住の方」という項目がありました。私が住んでいるのは、活動地まで車で片道1時間半の場所です。条件からは外れています。ですが、募集人数に達しなければ、遠方からの応募も受けてくれるかもしれないと思い、応募するだけしてみました。それから約1週間後、サポーターとしての採用連絡が届きました。次の月から、合計5回の養成講座(観光地をガイドと回る現地学習とクルーズターミナルの見学)を受けて、先日ついにサポーターデビューしました。
サポーターの活動内容
私が参加する団体の、クルーズターミナルでの活動は、3箇所に分かれて行います。
1)インフォメーション・デスク(既存サポーター2名)
クルーズ船から降りてきた観光客への案内を担当します。地図や資料を使って、目的地への行き方を説明したり、行き先が決まっていないお客様へ、おすすめの観光地を紹介します。1グループずつ質問に答えて案内をするため、どうしても待ち行列が出来てしまいます。基本的に、英語でのやり取りです。
2)通路の分岐点(既存サポーター1名)
タクシー乗り場と、それ以外の移動手段へと続く道の分岐点で案内をします。ここには、「タクシー乗り場はこちら」などの看板も設置しています。また、移動手段も決まっているお客様がほとんどなので、簡単な誘導がメインです。たまにちょっとした質問を受けることがあります。ここでも基本的に英語でのやり取りです。
3)タクシー乗り場(既存サポーター3名)
お客様から目的地を訊いて、タクシーのドライバーさんへ伝えます。必要に応じて、到着までの大まかな時間や料金、クレジットカード利用についての確認をします。ドライバーさんとの交渉が発生することもあります。ですので、ここは通訳ボランティアのような役割も担っています。
その日、私以外に2人のサポーターが活動初日でした。新人サポーターは、1時間交代で全ての場所に配置されました。既存の先輩サポーターについて、いよいよ実践です。私は、2)通路の分岐点 → 1)インフォメンショーンデスク → 3)タクシー乗り場の順で回ることになりました。
※活動内容は、各団体によって異なると思いますので、参考程度にしてください。
いよいよ実践!
まずは通路の分岐点での案内です。その日は、タクシーを利用される方が少なかったこともあり、スムーズに案内することができました。時折、乗客やクルーとちょっとしたおしゃべりをする余裕もありました。その時の私は、ただただ「ウェルカム・サポーターめちゃくちゃ楽しい!」と思っていました。
1時間が経ち、インフォメーションデスクへ移動しました。するといくつかのグループが、案内待ちをしていました。デスクの中を見ると、2人いる先輩サポーターが、それぞれ別のグループの対応をしています。「今ここに入ったら私もすぐに案内しなくちゃいけない……」と、急に怖くなりました。「土地勘のない私が、きちんと案内できるだろうか」「私の英語でちゃんとわかってもらえるだろうか」と、中に入るのを一瞬躊躇してしまいました。案内するためにウェルカム・サポーターになったというのに、なんとも情けないです。ですが、ウジウジしてても仕方がありません。とにかく中に入って案内を始めました。
「How can I help you?」
中に入ってすぐ、順番を待っていたグループに声をかけました。このフレーズは、Brighture のレッスン(特にBC:Business Coaching)で、何度も紹介してもらっていました。ですので、何も考えずに口からスッと出てきました。
それから、デスクの上にある観光案内地図を広げました。すると、「お土産品店が並ぶ通りに行きたいんだ。それと、その道中でオススメの飲食店はある?」と訊かれました。先輩サポーターの助けも借りながら、なんとか無事1組目の案内を終えました。ほっとしながら顔を上げると、「次は私の番ね」と、ニコニコしながら待っている女性と目が合いました。彼女はすでに目的地が決まっていて、そこまでの行き方を訊きにきていました。
それからは、「初めてここにきたんだけど、あなたのオススメはどこ?」「時計の電池が切れたんだけど、どこで買える?」「公共交通機関の1日乗車券はどこで買える?」など、様々な質問に答えました。汗だくになりながら案内を続けていると「交代の時間です」と、別の新人サポーターが声をかけてくれました。インフォメーションデスクでは、多くのお客様へ案内をしていたため、あっという間に1時間が経っていました。
最後はタクシー乗り場での案内でした。利用者が多い時は、90分待ちになることもあるそうです。ですが、この日はシャトルバスや徒歩で移動する方が多く、タクシー乗り場はとても落ち着いていました。ただ、ドライバーと乗客の通訳をする際に、行き先や大まかな料金などの伝達ミスがあると、すぐにクレームに繋がるため、ピリッとした空気が流れていました。
活動を通して見えた課題と英語力の伸び
一番の課題は、間を持たせるフレーズが即座に出てこないことでした。私は日本語でも、どう伝えたほうがいいか考えて、言葉がスッと出てこないことがあります。日本語より語彙力が劣る英語だと、それがさらに顕著です。また今回は、土地勘がないことが理由で、すぐに回答できないこともありました。そんなときには、「Let me think…」など、間を持たせるフレーズが役に立ちます。レッスンでも何度か、「こういうフレーズを使うといい」とアドバイスされたことがあります。それなのに、実践の場で使うことができませんでした。
事前準備も足りていませんでした。道案内が必要なことは想像できるのに、その準備を怠っていました。ただ、Brighture のレッスンのおかげで基本的な説明をすることはできました。これは間違いなく、LS(Listening and Speaking)や、DC(Daily Conversation)など、スピーキングのクラスで会話の練習をしていたからです。それでも、道案内のフレーズを改めて練習しておくなり、しっかり準備をしておけば、もっと落ち着いて案内できたと思います。想定できる範囲で事前準備をしっかりすることの大切さを身を持って学びました。
準備が足りなかったことで、案内中の焦りもすごかったです。そのため、お客様と会話を楽しむ余裕がありませんでした。隣で対応していた先輩サポーターたちは、案内の中にちょっとした会話も織り交ぜていました。せっかく観光で立ち寄ってくださったのだから、事務的な案内だけでなく、思い出に残るような対応ができるようになりたいです。
逆に、そんな状態の私でも、特に問題なくコミュニケーションを取れたことは自信に繋がりました。最近は、英語でコミュニケーションを取る機会が減っていたため、当日まで結構緊張していました。特に、「相手の言っていることがわかるかな」と、リスニングに関する不安が大きかったです。しかしながら、お客様の言っていることがわからなくて困ることはありませんでした。クルーズ船に乗船されている方の国籍は様々です。実際、観光案内をしているときも、アメリカンアクセントではない方も多くいらっしゃいました。ですが、聞き取れなくて困ることはありませんでした。これには自分が一番驚きました。
また、案内をしている最中に聞き返されることもありませんでした。これは間違いなく、Brighture の発音クラス(PP:Phonics and Pronunciation)で鍛えられたおかげです。英語を話していて、聞き返されないというのは、自信につながります。その自信が、「もっと頑張ろう!」というモチベーションにも繋がっていきます。
語学ボランティア、おすすめです!
私の観光案内の内容には、正直課題も多くあります。しかし、対応した皆さまが笑顔で「Thank you!」と、観光に出かけて行かれるのを見て、やってよかったと心から思いました。また、英語を使ってコミュニケーションを取れる機会を得たこともよかったです。語学ボランティアに参加することが、今後の英語学習のモチベーション維持に繋がると感じました。
この経験から、ぜひ皆さまにも語学ボランティアをおすすめしたいです。
英語学習者の皆さんの中には、日常生活で英語を使う機会がない方もいらっしゃると思います。そういった方はぜひ、このような活動に参加されてみてはいかがでしょうか? ボランティア活動はさまざまで、地域に住む外国人のサポートをする活動もあります。外国の観光客の方に、英語でガイドをするボランティアもあります。インバウンド観光が盛んないま、語学ボランティアの活動は、全国各地で行われています。
ボランティアをオススメする理由はもう一つあります。それは気軽に実践の場を作ることができることです。オンラインレッスンなどで英語学習を続けられている方の多くは、いつか英語で会話することを目標にされていると思います。その実践の場が、いきなり外国人との商談の場だと、緊張して思うように話せないかもしれません。ですが語学ボランティアだと、もう少しリラックスした気持ちで参加できると思います。ですので、ビジネスの場でも通用する英語力を身につける実践の場の一つとして、ボランティア活動に参加してみるのはいかがでしょうか?
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