「総合優勝」をめざして/上木航

かつて私が受験生だった頃を思い返すと、今の時期が一番つらい時期だったように思います。

それは、センター試験という正真正銘の一つ目の本番が終わってしまっていて、かつ得点という名の現実が目の前に立ちはだかっているからです。

この頃になると、なんだか学校のクラスも浮足立っていて、「あいつセンター何割やったらしいぞ」「俺何割やぞ、浪人確定や。」なんておどけていたりして。
皆、平静を装いながらも、内心は「あかんわ、俺全然だめやった、ほんまにどうしよ」なんて思っていたり、あるいは「なんや、案外簡単やったな~」なんて口笛吹いていたりしているのでしょう。

そんな渦中の皆さんに、あえて使い古されたこの言葉を贈ります。
それは…
「勝負はまだ決まってないぞ!」ということです。

そう、国公立を受ける皆さんは二次試験が、私立専願の皆さんには本番がようやくこれからやってくるのです。

皆さんは、箱根駅伝をみたことがありますか?
なじみない人のために簡単に解説すると、箱根駅伝とは、関東を中心に集まった20の大学、加えて選考から漏れた代表校の選手で構成される1チームの合計21チームが、東京駅の付近から箱根芦ノ湖までをたすきでつないで往復する駅伝大会です。(ちなみに関西でいえば京都御苑~淡路島くらいの距離(!)です)
復路は往路で到着したタイム分だけはアドバンテージを得られます。
表彰されるチームはいくつかありますが、往路、復路、往路+復路のタイムでそれぞれ優勝が設けられていますが、言うまでもなく最も名誉ある賞は総合優勝です。

受験で言えば、センター試験は往路です。しかし、最終的な合否が決まるのは、あくまでそこから二次試験、本番の点数(復路)を足した総合得点です。

さて、(受験でそれどころじゃなかったと思いますが、)今年の箱根駅伝はどうだったでしょうか?
往路こそ東洋大が2位の東海大に1分14秒の差をつけていましたが…?

なんと東海大が復路に猛追をかけ、大会新記録というおまけをつけて大逆転優勝を果たしたのです。

受験も同じです。最後に笑えるかどうかはセンター後~入試までのまさに今(=復路)での取り組みにかかっているのです。

出来た人も出来なかった人も、まだ終わってもいないのに勝手に勝負を決めないこと。

皆さんの受験が「総合優勝」に終わることを願ってやみません。

上木航

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?