持続可能な物流を目指し検品を見直したキユーピー
先週に続き、SCI大賞(優秀賞)を受賞した事例を紹介します(https://www.meti.go.jp/policy/economy/distribution/sci_2021.html)。
キユーピーと日本アクセスとが持続可能な物流を目指し、共同で取り組んだものです(https://www.meti.go.jp/policy/economy/distribution/shh/2021_kiyupinipponaccess.pdf)。検品を見直すことにより、待機・荷役時間を大幅に削減することができました。
【効果】検品時間 納品のたびに30分 → 6分
検品とは、納品に間違いがないか確認するものです。納品に来たドライバーと受入側である倉庫の担当者が一緒に確認する必要があり、納品時の待機や作業時間を長時間化させる原因となっていました。
キユーピーでは2013年から加藤産業との取組みで検品レスを進め、大きな効果をあげていました。ここでポイントとなったのが事前出荷情報(ASN)であり、この後、業界標準フォーマットとして承認されています。
今回は、その取組みを踏まえ、より多くの現場に導入できる検品レスとして、クルマ単位(または納品先ごと)のASNを作成することとし、この情報に基づいてスムーズに作業を行うにはどうすればよいか、納品効率の最大化を目指し、現場で様々な工夫が行われました。
納品側での作業が楽になるようなASNを作成するためには時間が必要です。キユーピーではリードタイムの延長によって生まれた納品リードタイムを活用し、ASNを作成しました。
着側では納品時の検品・仕分けが楽にできるよう、商品ごとの置き場を見直しました。同じパレットに載せられていた商品が別々の場所に納品されるのでは、そこで仕分けが発生します。それでは着側の作業者の作業を減らすことはできません。着側でも作業量や作業時間を最小限にできるよう、両社で工夫を行いました。
国土交通省の調査では、トラックの拘束時間のうち、待機や荷役・付帯作業を行っている時間は平均で4時間半を超えています。
ドライバーの拘束時間のうち、走行時間以外は極力減らすべき時間です。両社の取組は、これらの時間を大幅に減らすものであり、多くの現場で取り組む価値があるものだといえるでしょう。
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