脱・バイイングパワーの小売りの物流

 2022年、最初の記事です。明けましておめでとうございます。というには、ちょっと遅いですが、1がたくさん並ぶ日付なので、年初の気持ちでお届けいたします。

 物流業界ではおそらく知らぬ人はない業界誌「ロジビズ」1月号で「小売りの物流」が特集されています。
 ドライバー不足と合わせ、2024年問題もあって、物流は今後、益々逼迫していくことが想定されています。
 
 一方、“届け方”を変えることで、非常に大きな効率化が実現することもわかっています。
 届け方を変えるためには、届け先(=顧客)の意識が変わることが重要です。たとえばメーカーが、生産性をあげるため、パレット単位の納品をしようとしても、問屋が了解してくれなければできません。
 問屋と小売りの関係でも同じです。いわゆるバイイングパワーというものが、これまで物流の効率化を阻んできました。

 バイイングパワーの権化とも言える小売が物流危機を回避するような物流を目指すようになれば、単なる作業の効率化を超えた、大きな改善効果が想定されます。

 岐阜県に本社を置くバローホールディングスでは長年、自社物流を行っており、物流の負担を減らすためには何が効くか、よくわかっています。
 買い手側では納品リードタイムを短くしたがる傾向がありますが、バローでは「+1日」したうえで、一律に時間を伸ばすのではなく、幅を持たせました。納品側の選択肢を広げたかたちです。

 このような行動は納品側の物流逼迫解消につながり、結果的にはバローだけでなく、バローのサプライチェーンを強化することにつながります。
 バイイングパワーを行使するということは、買い手側は一時的に都合がよい思いをするかもしれませんが、持続可能と言えるかどうか、気を付けねばならないと思われます。
 
 バローのほかヤオコー、カスミの取組みも、サプライチェーンとして、納品側、物流事業者も含めて共に成長することを目指した取組みが行われています。




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