サステナブルな物流を目指したオタフクソースの取組み

「お好み焼きといえばオタフクソース!」という方はたくさんおられるかと思いますが、なんと「サステナブルな物流もオタフクソース!」だったようなのです。物流危機に備え、お手本のような取組みが様々あったのでまとめて紹介いたします。

効果を大きくまとめると、以下のようになります。

物流パートナーの働き方改革の進展・作業負荷軽減/運べなくなるリスク低減/BCP対応/CO2排出量削減/パレット購入費用の削減・返回送関連作業の軽減/品質向上/積載率の向上/在庫水準低減/廃棄リスク低減

では、具体的な取組みと共に紹介していきましょう。

■在庫拠点の新設

 全国4拠点から全国6拠点となりました。これにより、広島の工場から短時間で出荷作業・運行を行わないですむようになり、夜間作業が減って物流パートナーの働き方改革が進みました。在庫拠点ができたことにより、ドライバー不足から運べなくなるリスクを軽減し、工場からの供給が途絶えたとしても20日程度の出荷が可能になるなどBCP対応も進みました。

■拠点間輸送モーダルシフト

 トラックから鉄道、海運へのモーダルシフトを行っています。これにより、CO2排出量の削減が実現できました。 

■自社専用パレットから共通規格のプラスチックパレットへ

 工場のパレタイズラインの改良が必要になるなど、大規模な投資が必要になりましたが、効果も大きいと想定されます。また、いずれは対応に迫られると思われ、自社にとって都合のよい時期に取り組むべきと思われます。これにより、物流パートナーの作業負荷は飛躍的に軽減され、パレット保管スペース等も不要になります。パレットから木くずが製品に紛れ込むリスクが減り、品質も向上しました。

■同業他社との共同配送

 同業他社の貨物と混載して高い積載率を維持しています。

■生産・販売・物流の部門連係による在庫イノベーション

 在庫日数削減を60日から53日へ削減しました。キャッシュフローがよくなったと言えます。在庫が多ければその分の保管費用が不要になり、商品廃棄のリスクも減ります。

■賞味期限の年月表示

 「年月日」表示になっていることにより、日単位まで管理せねばならず、様々なムダを生んでいます。「年月」表示にすることにより無駄な作業を省き、食品廃棄ロスも減らせる環境が整います。まずは「年月」表示を浸透させることが必要です。もちろん製品そのものの品質には問題がないよう、同社では賞味期限が1年以上のものについて切り替えが行われました。

■ホワイト物流推進運動に賛同

 国が推進するホワイト物流にも賛同しており、今後は卸売り業に対し、パレット単位発注を呼び掛けていくとのことです。

 ここにあげた取組みは、多くの荷主企業においても有効な対策です。物流危機にどう対応しようとお考えの企業の方々にはぜひご検討いただきたく思います。

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