退場

悲しみも 喜びも やって来ない
壁の中閉じ込められた
繰り返す ぶり返す 曇り空に
雨ぐらい降って欲しかった
硝子越しに 見えたのは
耀く太陽の君だ

あの日の想いも 
言葉も嘘でいいんでしょう?
もうどうでもいいから
もうどうでもいいから
救いなんてとうに無いんだと
解っているんでしょう
馬鹿な世界に 正しくあればある程に
どうしようもないから
どうしようもないけど
明日はもっと 沢山のものを愛せるように

朽ちていく 錆びていく この体に
何を確かにできるだろう
永遠が 絶対が 無いのならば
何を伝えればいいのだろう
変わらない弱さを越えて
愛を高く叫んだって
じゃあ未来の僕が 今の僕を裏切って
幾度目の有限を刻むなら

完璧で潔癖で不器用な歪みを願ってる
もうどうでもいいから
もうどうでもいいから
救いだってとうに 痛いほど
求めているんでしょう?
馬鹿な幸せ ただ望み突き通す程に
どうしようもないから
どうしようもないからって
明日がもっと 沢山のもので
満たされていくように

喜びも 悲しみも そこに在って
壁越しに見守っているの
晴れやかな 微笑みに 落ちたものは
温い一粒の雨だった

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