レミング

イデアの町を離れ 標識の先へ
誰も知らない場所で 何でもできる気がしたんだよ
錆びたガードレール沿いで 足を止め
吸い込まれそうなほど かがやく海を見たりするんだよ

正論の意味がなくなって 夢から覚める
ミニマルな暮らしが 耐えられなくなる日が来るんだろ
そうなる前におやすみ 持って二年の
モラトリアムをちょっと 犯罪的に過ごすだけだよ

何者にもなれないなら
そのままでいいなんて言葉も嘘じゃない

境界面が剝がれて 切り離された世界 
緑に変わってゆく 青に流れてゆく
最低な歌を叫べ 全部が終わっても消えないよう
いくつか周波数が 宇宙に届くといいね

書き込んだ宝の地図は 鞄の中仕舞ったままで
予想外で運命とやら 驚かせたくて
食べかけの大好物に 新品のラップをかけて
少し涼しい風があったら 靴も脱ぎ捨て光の方へ

正しい生き方も 終点のその先も
知らずに結ばれよう 響けシュプレヒコール

水平線を眺めて はじまりを思い出す
大きな胎動が 膝を濡らしていく
繋いだ掌の 遠くに温度がまだあるよ
今日はやめておこう 今日はやめておこう

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