やっと20回。今回から「株式」! 百条以上ある上に、次章は新株予約権だからその後も株式の話が延々と続く……。
※今回から出典の記載を、同一記事の二回目以降は「会社法」等に変更します。地味に引用の加工が面倒くさいので……。
第百四条(株主の責任)
いわゆる有限責任てやつですね。最悪でも株券が紙くずになって(今は紙で発行してないけど)、それ以上の責任は負わない。
第百五条(株主の権利)
株主は、剰余金の配当を受ける権利、清算した場合の残余財産の分配を受ける権利、株主総会の議決権と、その他別の条項で定められた権利がある。議決権以外について、株主にはあげないよという定款の定めは無効。
第百六条(共有者による権利の行使)
二人以上で株式を共有している場合、誰か一人の権利行使者を定めて、会社に氏名・名称を通知しないと権利の行使ができないけど、会社が権利行使に同意したら別に行使してええよ、と。
まあ、手続き上、誰かに代表してもらわないと厄介ですよね。
第百七条(株式の内容についての特別の定め)
長いので分割しながら読んでいきましょう。
株式会社は、発行する全部の株式の内容として、以下を定められる。第二項以下では、さらに、これらを定めた場合についても記載されているので、それも合わせて以下に記載しておきます。
・譲渡取得に会社の承認を必要とすること
→承認が必要な旨と、一定の場合承認したとみなすときは、その旨とその一定の場合をそれぞれ定款に記載
・株主が会社に対して株式の取得を請求することができること
→請求できる旨、金銭以外の株式や社債などを交付する場合はその内容等、請求期間をそれぞれ定款に記載
・一定の事由が生じた場合、会社が株式を取得できること
→その旨と事由、事由が特定の日である場合にはその旨を定款に記載
株式の譲渡取得について会社の承認を必要とする場合、定款に、そのことと、ある場合には承認したこととみなす場合には、その旨とその場合を記載しないといけない。
株主が会社に買取を請求することができるようにする場合は、
・その旨
・株式と引き換えに社債を交付する場合は、その種類・金額の合計/算定額
・新株予約権を引き換えに発行する場合は、内容と、数又は算定方法
・新株予約権付社債を交付するときは、社債のときの事項と新株予約権のときの事項
・株式等以外の財産を交付するときは、内容及び数、算定方法または算定方法
・請求できる期間
一定の事由が生じたことを条件に会社が株式を取得することができるようにする場合、
・事由発生日に株式を取得する旨と、そもそもその事由
・事由が特定の日の到来であるときにはその旨
あとは、三号と一緒ですね。
第百八条(異なる種類の株式)
これも長いので分割して読んでいきます。
株式会社は以下の項目について異なる定めをした複数の種類の株式を発行できる。指名委員会等設置会社と公開会社(上場している会社)は、発行できない株式もある。
・剰余金の配当
・残余財産の分配
・総会での議決権の行使できる事項
・譲渡について会社の承認を必要とすること
・会社に取得を請求できること
・一定の事由で会社が株式を取得できること
・株主総会の決議で全部を取得できること
・株主総会で決議すべき事項のうち、この種類の株式の株主を構成員とする種類株主総会の決議も必要とすること
・その種類株主総会で取締役、監査役の選任すること(公開会社と指名委員会等設置会社はこの事項を持つ種類株式を発行できない)
第一項の事項を定めた場合、それぞれ定款で定めておかないと行けない事項がある、ということですね。法務省令についての言及がありますが、長くなるので、第三項の後に引用しておきます。
種類株式発行までに、その種類株式について定めなければならない事項を、株主総会(取締役会設置会社は取締役会も可)の決議で定める、と定款に定めておいてもよい。この場合、定款には要綱を定款で定めておけばいいと。最初から詰めておかなくてもいいってことですね。