毎日会社法を五条ずつ読んでみる:第二十五回_第百三十六条~第百四十条

 はい。


第百三十六条(株主からの承認の請求)

第二款 株式の譲渡に係る承認手続
(株主からの承認の請求)
第百三十六条
 譲渡制限株式の株主は、その有する譲渡制限株式を他人(当該譲渡制限株式を発行した株式会社を除く。)に譲り渡そうとするときは、当該株式会社に対し、当該他人が当該譲渡制限株式を取得することについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。

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 譲渡制限株式の株主は、誰かに譲渡したいときに会社にその誰かが当該株式を取得することを承認するかいないかの決定をすることを請求できる。
 会社は株式の譲渡に際して、会社の承認が必要と定められるので、株主は「譲ってええか?」とお伺いをたてられる。

第百三十七条(株式取得者からの承認の請求)

(株式取得者からの承認の請求)
第百三十七条
 譲渡制限株式を取得した株式取得者は、株式会社に対し、当該譲渡制限株式を取得したことについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。
2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した株式の株主として株主名簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。

「会社法」

 これは前回もう見ましたね。譲られたあとに、会社に「承認してくれんか?」と元の株主と一緒に請求するやつですね。

第百三十八条(譲渡等承認請求の方法)

(譲渡等承認請求の方法)
第百三十八条
 次の各号に掲げる請求(以下この款において「譲渡等承認請求」という。)は、当該各号に定める事項を明らかにしてしなければならない。
一 第百三十六条の規定による請求 次に掲げる事項
イ 当該請求をする株主が譲り渡そうとする譲渡制限株式の数(種類株式発行会社にあっては、譲渡制限株式の種類及び種類ごとの数)
ロ イの譲渡制限株式を譲り受ける者の氏名又は名称
ハ 株式会社が第百三十六条の承認をしない旨の決定をする場合において、当該株式会社又は第百四十条第四項に規定する指定買取人がイの譲渡制限株式を買い取ることを請求するときは、その旨
二 前条第一項の規定による請求 次に掲げる事項
イ 当該請求をする株式取得者の取得した譲渡制限株式の数(種類株式発行会社にあっては、譲渡制限株式の種類及び種類ごとの数)
ロ イの株式取得者の氏名又は名称
ハ 株式会社が前条第一項の承認をしない旨の決定をする場合において、当該株式会社又は第百四十条第四項に規定する指定買取人がイの譲渡制限株式を買い取ることを請求するときは、その旨

「会社法」

 前条、前前条の請求をする際の必要事項ですね。
 株主が譲渡前に会社にお伺いを立てる場合、譲渡したい株式の数・種類、相手の氏名/名称、譲渡がダメな場合には指定買取人に買い取ってほしい場合にはその旨、が必要。
 すでに譲り受けた場合の取得者の場合、取得した株式の数・種類、自分の氏名/名称、承認してくれない場合指定買取人に買い取って欲しい場合にはその旨、が必要。

第百三十九条(譲渡等の承認の決定)

(譲渡等の承認の決定等)
第百三十九条
 株式会社が第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をするか否かの決定をするには、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。
2 株式会社は、前項の決定をしたときは、譲渡等承認請求をした者(以下この款において「譲渡等承認請求者」という。)に対し、当該決定の内容を通知しなければならない。

「会社法」

 譲渡の承認をするかどうかは株主総会の決議が必要だけど、定款で例えば取締役会の決議とかにするならそれでもよい。可否は請求者に伝える。

第百四十条(株式会社又は指定買取人による買取り)

(株式会社又は指定買取人による買取り)
第百四十条
 株式会社は、第百三十八条第一号ハ又は第二号ハの請求を受けた場合において、第百三十六条又は第百三十七条第一項の承認をしない旨の決定をしたときは、当該譲渡等承認請求に係る譲渡制限株式(以下この款において「対象株式」という。)を買い取らなければならない。この場合においては、次に掲げる事項を定めなければならない。
一 対象株式を買い取る旨
二 株式会社が買い取る対象株式の数(種類株式発行会社にあっては、対象株式の種類及び種類ごとの数)
2 前項各号に掲げる事項の決定は、株主総会の決議によらなければならない。
3 譲渡等承認請求者は、前項の株主総会において議決権を行使することができない。ただし、当該譲渡等承認請求者以外の株主の全部が同項の株主総会において議決権を行使することができない場合は、この限りでない。
4 第一項の規定にかかわらず、同項に規定する場合には、株式会社は、対象株式の全部又は一部を買い取る者(以下この款において「指定買取人」という。)を指定することができる。
5 前項の規定による指定は、株主総会(取締役会設置会社にあっては、取締役会)の決議によらなければならない。ただし、定款に別段の定めがある場合は、この限りでない。

「会社法」

 譲渡の承認をしない場合、会社はその株式を買い取らないといけない。その場合、その株式を買い取る旨と、買い取る対象株式の数・種類を決める。この決定は株主総会の議決が必要。請求者はこの株主総会で議決権を行使できないけど、議決権を行使できるのが請求者だけの場合は行使できる。
 会社が買い取らないといけないと言ったけど、買い取る者を指定することもできる。この買取者の決定は、株主総会、取締役会がある会社は取締役会の決議が必要。でも、定款に別途定めることもできるよ。

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