毎日会社法を五条ずつ読んでみる:第十五回_第七五条~第七十九条

 引き続き創立総会のはなし……。


第七十五条(書面による議決権の行使)

(書面による議決権の行使)
第七十五条 書面による議決権の行使は、議決権行使書面に必要な事項を記載し、法務省令で定める時までに当該議決権行使書面を発起人に提出して行う。
2 前項の規定により書面によって行使した議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算入する。
3 発起人は、創立総会の日から三箇月間、第一項の規定により提出された議決権行使書面を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。
4 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、第一項の規定により提出された議決権行使書面の閲覧又は謄写の請求をすることができる。

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 書面で議決権を行使するときは、発起人から交付・提供された議決権行使書面に必要事項を記載して、通知の日から二週間後以降で総会の日時以前(ややこしい)に発起人に提出する。この場合、行使された議決権は出席した株主の議決権の数に入れる。総会に来ていなくても、出席数にカウントされるってことですね。
 発起人は三ヶ月間、この行使書面を備え置いておき、設立時株主は定められた時間内はいつでも閲覧の請求ができるよ、と。

 (書面による議決権行使の期限)
第十三条
 法第七十五条第一項に規定する法務省令で定める時は、第九条第一号ロの行使の期限とする。

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(招集の決定事項)
第九条
 法第六十七条第一項第五号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。
一 法第六十七条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときは、次に掲げる事項
イ 次条第一項の規定により創立総会参考書類に記載すべき事項
ロ 法第六十七条第一項第三号に掲げる事項を定めたときは、書面による議決権の行使の期限(創立総会の日時以前の時であって、法第六十八条第一項の規定による通知を発した日から二週間を経過した日以後の時に限る。)

同上

第七十六条(電磁的方法による議決権の行使)

(電磁的方法による議決権の行使)
第七十六条
 電磁的方法による議決権の行使は、政令で定めるところにより、発起人の承諾を得て、法務省令で定める時までに議決権行使書面に記載すべき事項を、電磁的方法により当該発起人に提供して行う。
2 設立時株主が第六十八条第三項の承諾をした者である場合には、発起人は、正当な理由がなければ、前項の承諾をすることを拒んではならない。
3 第一項の規定により電磁的方法によって行使した議決権の数は、出席した設立時株主の議決権の数に算入する。
4 発起人は、創立総会の日から三箇月間、第一項の規定により提供された事項を記録した電磁的記録を発起人が定めた場所に備え置かなければならない。
5 設立時株主は、発起人が定めた時間内は、いつでも、前項の電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したものの閲覧又は謄写の請求をすることができる。

前述「会社法 | e-Gov法令検索」

 電磁的方法で議決権を行使する場合、発起人の承諾を得て、通知の日から二週間後以降で総会の日時以前(ややこしい再び)に発起人に電磁的方法で提供する。議決権を行使したい者が、通知を電磁的生方法で受け取ることを承諾した者である場合、発起人は電磁的方法の議決権行使を正当な理由がなければ承諾を拒めない。
 電磁的方法による議決権行使も、行使された議決権は出席した株主の議決権の数に入れる。備え付けも前条と同じ感じですね。

(書面に記載すべき事項等の電磁的方法による提供の承諾等)
第一条
 次に掲げる規定に規定する事項を電磁的方法(会社法(以下「法」という。)第二条第三十四号に規定する電磁的方法をいう。以下同じ。)により提供しようとする者(次項において「提供者」という。)は、法務省令で定めるところにより、あらかじめ、当該事項の提供の相手方に対し、その用いる電磁的方法の種類及び内容を示し、書面又は電磁的方法による承諾を得なければならない。
一 法第五十九条第四項
二 法第七十四条第三項(法第八十六条において準用する場合を含む。)
三 法第七十六条第一項(法第八十六条において準用する場合を含む。)

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(電磁的方法による議決権行使の期限)
第十四条
 法第七十六条第一項に規定する法務省令で定める時は、第九条第一号ハの行使の期限とする。

前述「会社法施行規則 | e-Gov法令検索」

(招集の決定事項)
第九条
 法第六十七条第一項第五号に規定する法務省令で定める事項は、次に掲げる事項とする。
一 法第六十七条第一項第三号又は第四号に掲げる事項を定めたときは、次に掲げる事項
イ 次条第一項の規定により創立総会参考書類に記載すべき事項
ロ 法第六十七条第一項第三号に掲げる事項を定めたときは、書面による議決権の行使の期限(創立総会の日時以前の時であって、法第六十八条第一項の規定による通知を発した日から二週間を経過した日以後の時に限る。)
ハ 法第六十七条第一項第四号に掲げる事項を定めたときは、電磁的方法による議決権の行使の期限(創立総会の日時以前の時であって、法第六十八条第一項の規定による通知を発した日から二週間を経過した日以後の時に限る。)

同上

第七十七条(議決権の不統一行使)

(議決権の不統一行使)
第七十七条
 設立時株主は、その有する議決権を統一しないで行使することができる。この場合においては、創立総会の日の三日前までに、発起人に対してその旨及びその理由を通知しなければならない。
2 発起人は、前項の設立時株主が他人のために設立時発行株式を引き受けた者でないときは、当該設立時株主が同項の規定によりその有する議決権を統一しないで行使することを拒むことができる。

前述「会社法 | e-Gov法令検索」

 設立時株主は、自分の議決権を統一しないで行使できる。なるほど、3個は賛成に、1個は反対にも可能と。でも、総会の三日前までに、なんでそんなことをするのかを発起人に通知しないといけない、と。
 他人のために節率時発行株式を引受けた者の、不統一な行使は、発起人は拒むことができる(その他の場合は拒めない)。
 どんな場合やねん、と思ったら、名義株というものがあるらしいです。

会社の設立時や株式の発行時に、何らかの事情により、他人の名義を借用して株式を引き受け、払い込みをすることがあります。
 名義を貸した人を「名義貸与者」、名義を借りた人を「名義借用者」と呼びます。
 この場合、株主名簿には、真の株式の所有者たる名義借用者ではなく、名義貸与者が株式を所有する旨が記載されます。このように、株主名簿に記載された株式の所有者と、実際の株式の所有者が合致しない株式を「名義株」といいます。

名義株の法的紛争

第七十八条(発起人の説明義務)

(発起人の説明義務)
第七十八条
 発起人は、創立総会において、設立時株主から特定の事項について説明を求められた場合には、当該事項について必要な説明をしなければならない。ただし、当該事項が創立総会の目的である事項に関しないものである場合、その説明をすることにより設立時株主の共同の利益を著しく害する場合その他正当な理由がある場合として法務省令で定める場合は、この限りでない。

前述「会社法 | e-Gov法令検索」

 発起人は創立総会で株主から説明を求められたら説明をしないといけないけど、総会の目的に関しない場合や、株主の共同の利益を「著しく」害す場合、その他以下のような正当な理由がある場合にはしなくてもいい。
・説明に調査が必要な場合
・説明すると成立後の会社や株主以外の権利を侵害する場合
・同一の事項に繰り返し説明を求められている場合
・その他、正当な事由がある場合
 「正当な理由」が施行規則でも出てきちゃった……。

(発起人の説明義務)
第十五条
 法第七十八条に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一 設立時株主が説明を求めた事項について説明をするために調査をすることが必要である場合(次に掲げる場合を除く。)
イ 当該設立時株主が創立総会の日より相当の期間前に当該事項を発起人に対して通知した場合
ロ 当該事項について説明をするために必要な調査が著しく容易である場合
二 設立時株主が説明を求めた事項について説明をすることにより成立後の株式会社その他の者(当該設立時株主を除く。)の権利を侵害することとなる場合
三 設立時株主が当該創立総会において実質的に同一の事項について繰り返して説明を求める場合
四 前三号に掲げる場合のほか、設立時株主が説明を求めた事項について説明をしないことにつき正当な事由がある場合

前述「会社法施行規則 | e-Gov法令検索」

第七十九条(議長の権限)

(議長の権限)
第七十九条
 創立総会の議長は、当該創立総会の秩序を維持し、議事を整理する。
2 創立総会の議長は、その命令に従わない者その他当該創立総会の秩序を乱す者を退場させることができる。

前述「会社法 | e-Gov法令検索」

 総会の議長は、総会の秩序を維持し、疑似を整理する。命令に従わない者や秩序を乱すものを退場させられる。

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