毎日会社法を五条ずつ読んでみる:第二十四回_第百二十七条~第百三十五条

 ちょっと飽きてきたなぁ……。


第百二十七条(株式の譲渡)

第三節 株式の譲渡等
第一款 株式の譲渡
(株式の譲渡)
第百二十七条 株主は、その有する株式を譲渡することができる。

会社法 | e-Gov法令検索

 株主は自分の持っている株式を譲渡することができる。

第百二十八条(株券発行会社の株式の譲渡)

(株券発行会社の株式の譲渡)
第百二十八条
 株券発行会社の株式の譲渡は、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。ただし、自己株式の処分による株式の譲渡については、この限りでない。
2 株券の発行前にした譲渡は、株券発行会社に対し、その効力を生じない。

「会社法」

 紙の株券を発行する会社は、それを交付しないと譲渡の効力が生じないけど、会社が自分が保有している自社の株を譲渡する場合は、この限りではない。株券を発行する前に、誰かに譲渡しても、会社としては知らん。

第百二十九条(自己株式の処分に関する特則)

(自己株式の処分に関する特則)
第百二十九条
 株券発行会社は、自己株式を処分した日以後遅滞なく、当該自己株式を取得した者に対し、株券を交付しなければならない。
2 前項の規定にかかわらず、公開会社でない株券発行会社は、同項の者から請求がある時までは、同項の株券を交付しないことができる。

「会社法」

 紙の株券を発行する会社は、自社株を誰かに譲渡した日以降、「遅滞なく」取得者に株券を交付しないといけない。
 でも、公開会社じゃない場合、請求があるまで交付しなくてもいい。

第百三十条(株式の譲渡の対抗要件)

(株式の譲渡の対抗要件)
第百三十条
 株式の譲渡は、その株式を取得した者の氏名又は名称及び住所を株主名簿に記載し、又は記録しなければ、株式会社その他の第三者に対抗することができない。
2 株券発行会社における前項の規定の適用については、同項中「株式会社その他の第三者」とあるのは、「株式会社」とする。

「会社法」

 株券の譲渡は、取得者の氏名・名称と住所を株主名簿に記載・記録しないと、会社や第三者に対抗できない。名簿への記載っていうのは、登記みたいなもんなんですね。
 株券が発行される場合は、ブツがあるから第三者には対抗できるけど、会社の方は勝手にブツが移動しているかもしれないから対抗できない。

第百三十一条(権利の指定等)

(権利の推定等)
第百三十一条
 株券の占有者は、当該株券に係る株式についての権利を適法に有するものと推定する。
2 株券の交付を受けた者は、当該株券に係る株式についての権利を取得する。ただし、その者に悪意又は重大な過失があるときは、この限りでない。

「会社法」

 株券を「持っている者」は、権利を適法に有すると「推定」される。株券の交付を受けた者は、悪意又は重大な過失があるときを除いて、権利を取得する。自分に交付されるものでないのを知っている、本来気づいてしかるべきなのに、交付されたら権利はないよ、と。

(占有権の取得)
第百八十条
 占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得する。

民法 | e-Gov法令検索

第百三十二条(株主の請求によらない株主名簿記載事項の記載又は記録)

(株主の請求によらない株主名簿記載事項の記載又は記録)
第百三十二条
 株式会社は、次の各号に掲げる場合には、当該各号の株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。
一 株式を発行した場合
二 当該株式会社の株式を取得した場合
三 自己株式を処分した場合
2 株式会社は、株式の併合をした場合には、併合した株式について、その株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。
3 株式会社は、株式の分割をした場合には、分割した株式について、その株式の株主に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録しなければならない。

「会社法」

 会社が株主名簿を自主的に更新しないといけない場合ですね。会社自体が絡む場合は、自分で更新。
・株式を発行した
・自己株式を取得/処分した
・株式の分割、併合をした

第百三十三条(株主の請求による株主名簿記載事項の記載又は記録)

(株主の請求による株主名簿記載事項の記載又は記録)
第百三十三条
 株式を当該株式を発行した株式会社以外の者から取得した者(当該株式会社を除く。以下この節において「株式取得者」という。)は、当該株式会社に対し、当該株式に係る株主名簿記載事項を株主名簿に記載し、又は記録することを請求することができる。
2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した株式の株主として株主名簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。

「会社法」

 株式をその発行する会社以外から取得した場合、会社に株主名簿の更新を請求できる。請求は、法務省令で定める場合を除いて、株主名簿に記載されている者やその権利の継承者(譲渡する者)と共同してしないといけない。
 「おれ、譲渡してもらったから更新しておいて!」だと、ほんとにそうかわからないから、前の持主と一緒に請求してねってことか。

(株主名簿記載事項の記載等の請求)
第二十二条
 法第百三十三条第二項に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一 株式取得者が、株主として株主名簿に記載若しくは記録がされた者又はその一般承継人に対して当該株式取得者の取得した株式に係る法第百三十三条第一項の規定による請求をすべきことを命ずる確定判決を得た場合において、当該確定判決の内容を証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。
二 株式取得者が前号の確定判決と同一の効力を有するものの内容を証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。
三 株式取得者が指定買取人である場合において、譲渡等承認請求者に対して売買代金の全部を支払ったことを証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。
四 株式取得者が一般承継により当該株式会社の株式を取得した者である場合において、当該一般承継を証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。
五 株式取得者が当該株式会社の株式を競売により取得した者である場合において、当該競売により取得したことを証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。
六 株式取得者が株式売渡請求により当該株式会社の発行する売渡株式の全部を取得した者である場合において、当該株式取得者が請求をしたとき。
七 株式取得者が株式交換(組織変更株式交換を含む。)により当該株式会社の発行済株式の全部を取得した会社である場合において、当該株式取得者が請求をしたとき。
八 株式取得者が株式移転(組織変更株式移転を含む。)により当該株式会社の発行済株式の全部を取得した株式会社である場合において、当該株式取得者が請求をしたとき。
九 株式取得者が法第百九十七条第一項の株式を取得した者である場合において、同条第二項の規定による売却に係る代金の全部を支払ったことを証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。
十 株式取得者が株券喪失登録者である場合において、当該株式取得者が株券喪失登録日の翌日から起算して一年を経過した日以降に、請求をしたとき(株券喪失登録が当該日前に抹消された場合を除く。)。
十一 株式取得者が法第二百三十四条第二項(法第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による売却に係る株式を取得した者である場合において、当該売却に係る代金の全部を支払ったことを証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。
2 前項の規定にかかわらず、株式会社が株券発行会社である場合には、法第百三十三条第二項に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一 株式取得者が株券を提示して請求をした場合
二 株式取得者が株式売渡請求により当該株式会社の発行する売渡株式の全部を取得した者である場合において、当該株式取得者が請求をしたとき。
三 株式取得者が株式交換(組織変更株式交換を含む。)により当該株式会社の発行済株式の全部を取得した会社である場合において、当該株式取得者が請求をしたとき。
四 株式取得者が株式移転(組織変更株式移転を含む。)により当該株式会社の発行済株式の全部を取得した株式会社である場合において、当該株式取得者が請求をしたとき。
五 株式取得者が法第百九十七条第一項の株式を取得した者である場合において、同項の規定による競売又は同条第二項の規定による売却に係る代金の全部を支払ったことを証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。
六 株式取得者が法第二百三十四条第一項若しくは第二百三十五条第一項の規定による競売又は法第二百三十四条第二項(法第二百三十五条第二項において準用する場合を含む。)の規定による売却に係る株式を取得した者である場合において、当該競売又は当該売却に係る代金の全部を支払ったことを証する書面その他の資料を提供して請求をしたとき。

会社法施行規則 | e-Gov法令検索

第百三十四条

第百三十四条 前条の規定は、株式取得者が取得した株式が譲渡制限株式である場合には、適用しない。ただし、次のいずれかに該当する場合は、この限りでない。
一 当該株式取得者が当該譲渡制限株式を取得することについて第百三十六条の承認を受けていること。
二 当該株式取得者が当該譲渡制限株式を取得したことについて第百三十七条第一項の承認を受けていること。
三 当該株式取得者が第百四十条第四項に規定する指定買取人であること。
四 当該株式取得者が相続その他の一般承継により譲渡制限株式を取得した者であること。

「会社法」

 譲渡制限株の場合は、前条は適用しませんよ。でも、譲渡する者が会社に譲渡の可否決定を請求して承認されている場合、取得した者が会社に譲渡の可否決定を請求して承認されている場合、指定買取人の場合、相続等で承継した場合は、請求できるよ。

(株主からの承認の請求)
第百三十六条
 譲渡制限株式の株主は、その有する譲渡制限株式を他人(当該譲渡制限株式を発行した株式会社を除く。)に譲り渡そうとするときは、当該株式会社に対し、当該他人が当該譲渡制限株式を取得することについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。

「会社法」

(株式取得者からの承認の請求)
第百三十七条
 譲渡制限株式を取得した株式取得者は、株式会社に対し、当該譲渡制限株式を取得したことについて承認をするか否かの決定をすることを請求することができる。
2 前項の規定による請求は、利害関係人の利益を害するおそれがないものとして法務省令で定める場合を除き、その取得した株式の株主として株主名簿に記載され、若しくは記録された者又はその相続人その他の一般承継人と共同してしなければならない。

「会社法」

第百三十五条(親会社株式の取得の禁止)

(親会社株式の取得の禁止)
第百三十五条
 子会社は、その親会社である株式会社の株式(以下この条において「親会社株式」という。)を取得してはならない。
2 前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
一 他の会社(外国会社を含む。)の事業の全部を譲り受ける場合において当該他の会社の有する親会社株式を譲り受ける場合
二 合併後消滅する会社から親会社株式を承継する場合
三 吸収分割により他の会社から親会社株式を承継する場合
四 新設分割により他の会社から親会社株式を承継する場合
五 前各号に掲げるもののほか、法務省令で定める場合
3 子会社は、相当の時期にその有する親会社株式を処分しなければならない。

「会社法」

 子会社は親会社の株式を取得できない。例外は
・他の会社の事業を譲り受ける場合に、その会社の親会社の株式を譲り受ける場合→自社とその親会社は親子関係じゃないですからね。なんか他のもそんな感じですね。
 子会社が親会社の株を持っていたら、処分しないといけない。

(子会社による親会社株式の取得)
第二十三条
 法第百三十五条第二項第五号に規定する法務省令で定める場合は、次に掲げる場合とする。
一 吸収分割(法以外の法令(外国の法令を含む。以下この条において同じ。)に基づく吸収分割に相当する行為を含む。)に際して親会社株式の割当てを受ける場合
二 株式交換(法以外の法令に基づく株式交換に相当する行為を含む。)に際してその有する自己の株式(持分その他これに準ずるものを含む。以下この条において同じ。)と引換えに親会社株式の割当てを受ける場合
三 株式移転(法以外の法令に基づく株式移転に相当する行為を含む。)に際してその有する自己の株式と引換えに親会社株式の割当てを受ける場合
四 他の法人等が行う株式交付(法以外の法令に基づく株式交付に相当する行為を含む。)に際して親会社株式の割当てを受ける場合
五 親会社株式を無償で取得する場合
六 その有する他の法人等の株式につき当該他の法人等が行う剰余金の配当又は残余財産の分配(これらに相当する行為を含む。)により親会社株式の交付を受ける場合
七 その有する他の法人等の株式につき当該他の法人等が行う次に掲げる行為に際して当該株式と引換えに当該親会社株式の交付を受ける場合
イ 組織の変更
ロ 合併
ハ 株式交換(法以外の法令に基づく株式交換に相当する行為を含む。)
ニ 株式移転(法以外の法令に基づく株式移転に相当する行為を含む。)
ホ 取得条項付株式(これに相当する株式を含む。)の取得
ヘ 全部取得条項付種類株式(これに相当する株式を含む。)の取得
八 その有する他の法人等の新株予約権等を当該他の法人等が当該新株予約権等の定めに基づき取得することと引換えに親会社株式の交付をする場合において、当該親会社株式の交付を受けるとき。
九 法第百三十五条第一項の子会社である者(会社を除く。)が行う次に掲げる行為に際して当該者がその対価として親会社株式を交付するために、その対価として交付すべき当該親会社株式の総数を超えない範囲において当該親会社株式を取得する場合
イ 組織の変更
ロ 合併
ハ 法以外の法令に基づく吸収分割に相当する行為による他の法人等がその事業に関して有する権利義務の全部又は一部の承継
ニ 法以外の法令に基づく株式交換に相当する行為による他の法人等が発行している株式の全部の取得
十 他の法人等(会社及び外国会社を除く。)の事業の全部を譲り受ける場合において、当該他の法人等の有する親会社株式を譲り受けるとき。
十一 合併後消滅する法人等(会社を除く。)から親会社株式を承継する場合
十二 吸収分割又は新設分割に相当する行為により他の法人等(会社を除く。)から親会社株式を承継する場合
十三 親会社株式を発行している株式会社(連結配当規制適用会社に限る。)の他の子会社から当該親会社株式を譲り受ける場合
十四 その権利の実行に当たり目的を達成するために親会社株式を取得することが必要かつ不可欠である場合(前各号に掲げる場合を除く。)

「会社法施行規則」

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?