「ディズニー ミュージック & ファイヤーワークス」の運営がとんでもなかった件
知っている人は知っていると思うが、今年はディズニーの創立100周年である。
これを記念して各地で色々なイベントが行われており、その中のひとつとして「ディズニーの名曲の数々と花火がシンクロした日本初となる音楽と花火のエンターテイメント【ディズニー ミュージック & ファイヤーワークス】が今年全国で開催され」ている。(「」内は公式サイトより引用)
具体的には今年の6月の広島を皮切りに、全国7カ所でディズニーの音楽を使った有料花火大会が実施されている。
筆者は先日9/2(土)、ひたち海浜公園の公演に参加した。
結論から言うと、8,800円払って列整理もできないクソ運営に振り回されたいドM以外には一切お勧めできない。内容以前の問題で、運営に運営能力が皆無であるため、客同士のトラブルが刑事事件に発展しなかったのも死者が出なかったのもただの運である。
※個人の感想です!
いわゆるDオタとしてディズニーと某OLCの殿様経営に慣れている筆者でも目を疑いたくなるレベルのクソ運営だと感じたため、やり場のない怒りをぶちまけるとともにこれから参加を予定する諸氏の参考になればという思いから筆を執ったものである。
なお、前者の動機が99%くらいなので、それほど読みやすさには配慮していない。
また、詳細なものではないがセトリのネタバレは含んでいる。
前提情報
公演内容&チケット情報
ディズニー ミュージック & ファイヤーワークス(DISNEY MUSIC&FIREWORKS)というけったいな名前がついているが、要するに完全有料の花火大会である。
ディズニー映画でおなじみの音楽や東京ディズニーリゾートのパークミュージックに合わせて花火12000発(だったと思うが資料が見つからないので違ったかもしれない)が打ちあげられる。公演時間は約1時間ほど。
これで筆者が参加した9/2の回は通常大人8,800円、グッズ付き12,100円(なおついてくるグッズはフェイスタオル)という強気の価格設定だ。ドリンクチケットなどの付録もない。
全席有料なので一概には比べられないが、一般の花火大会の有料席に比べても割高だろう。
たぶん公式サイトの記載を見るに、他の会場も同額だと思う。この値段をよくよく覚えておいてほしい。
なお、客数がどの程度だったのかは発表がなくまったくわからないのだが、ひたち海浜公園の草原エリアが座り見で埋まる程度の人間は来ていた。
ざっと検索してみたところ、かつてのロッキンのメインステージが同エリアで4万人収容だったらしいので、少なくとも2万人くらいはいたのではないだろうか?(これは完全に推測なので全く違ったら申し訳ない)
会場・時間
9/2回の会場はひたち海浜公園。ロッキンなどの会場にもなっていた有名どころではあるのだが、アクセスがかなり厳しい。
自家用車・レンタカー以外の手段だと、最寄りのJR勝田駅からでもバスで公園入口まで15分ほどかかり、会場になっている草原エリアまでさらに20分ほどかかる。
運営側もこれはわかっていたようで、別料金(往復800円)ではあるが最寄りのJR勝田駅から臨時シャトルバスを出していた。
(https://sp.universal-music.co.jp/disney/music-and-fireworks/shuttle-bus.pdf)
なお、車組はどうだったかというと、臨時駐車場も含めてイベント専用の駐車場が用意されていた。
ただし、当日駐車券代4,400円がチケットとは別にかかるうえで、駐車場から会場まで徒歩40分である。
バスを選択した観客が多かったであろうことはやっぱり覚えておいていただきたい。
なお、観覧エリアの開場は16:00、開演は18:30の予定であった。
公演開始前
最低3回の整列を強いる驚異の入場システム
知っている方は知っているかもしれないが、ひたち海浜公園は本来入場料がかかる。一人頭450円だ。
そして先ほどの強気のチケット8800円には、入場料が含まれていない。会場はひたち海浜公園内なので絶対に入場料を払う必要があるのだが、現地以外に事前に購入する手段は存在しない。
結果どうなるかというと、シャトルバスで続々と運ばれてきた客は100%まず公園自体の入場券を別途購入しなければならない。
しかも通常の公園の営業時間との関係で、開場が16:00なのに16:30以降は入場券自販機が閉まっており、仮設テントで現金でしか入場券を購入できない。450円とかいうクソ端数なので当然列の進みはしこたま遅い。
シャトルバスは12:30から出ていたので海浜公園自体には早く着けるとはいえ、どう考えても人の集中する開場時刻の16:00以降に窓口が減るというディズニー驚異のプログラムである。
(開場時刻前は公園には入れるが観覧エリアには入れない)
その上で、なんと入園後には別途リストバンドとチケットの交換が必要である。
つまり、観覧エリアに辿り着くまでの間に、入園券の購入列→公園の入園ゲート列→リストバンド交換列と3回列に並ぶ。
グッズ交換窓口はまた別なので、グッズ付きチケットの人は交換のためにもう一回並ぶ。
もちろん観覧エリアの入り口にはリストバンドの確認ブースがあるため、通り過ぎるだけではあるが詰まっているときはここも並ぶ。
最大5回(物販除く)の整列を楽しめるディズニーならではのサービス精神、凡夫はまこと感じ入るばかりだ。
ちなみに、この日の水戸の最高気温は32.2度。一時の酷暑よりマシとはいえ、どこに出しても恥ずかしくない快晴とどこに出しても恥ずかしい運営の奇跡のコラボレーションに感涙を禁じ得ない。
多分既にさんざん言われているだろうが、チケットを買った奴は100%入場券を買いリストバンドを交換するのだから、チケットに入園券代を含めておいて入場ゲート前でリストバンドと交換して入らせればよかったのではないか?
一応運営も入場券が別途必要なことは公式サイトに載せていたが、入園券はネット購入できないので客側も早く行くくらいしか手の打ちようがない。それで全員早く来るなら世に争いは生まれまい。
なお、物販も仮設テントで行われていたが、こちらは電子マネー等が使用可能だった。用意するところが逆じゃねえか?
「指定ブロック制」の罠
さて、本チケットは「ブロック指定・指定席チケット」として売られていた。
正直よくわからないと思うが、ひたち海浜公園においてはこれは「ブロック指定チケット」という意味である。つまり席の用意はない。
おそらく、このチケット名称は椅子のある他会場と共通でつけているせいだと思う。
わかりにくい名前なのはともかくとして、ブロック指定制である。さらにFAQを読むと、レジャーシートの持ち込みは禁止だが、会場で一人一枚レジャーシートを配るのでそれを使え、と記載がある。
今回は観覧会場が草原エリア(芝生)だ。そこがいくつかのブロックに分けられており、線の中にレジャーシートを敷くんだろう……と思いましたか?筆者は思った。
結論から言うと、「いくつかの」ブロックに分けられている、というのは間違いではない。
ただしブロックはAとBの二つしかない。
以下の地図の観覧エリアのうち、左側(入口に近い側)がA,おそらく右側がBだ。
おそらくというのは、筆者はAブロックでBブロック入口を見ていない上、人がいすぎてブロック分けの地図の写真をとれなかったためだ。しかしブロックがAとBしかないのは確実である。
そして、このことは当日まで伏せられており、運営は頑としてブロック分けを事前公表しなかった。
「ブロックは当日ご確認ください」の一点張りである。2ブロックしかないのになぜ伏せたのか?
※発券時にチケットにブロック名が印字されていたので、ブロック分けが当日決まったわけではない。AとBが多いなと思ってはいたが……。
じゃあブロック内が区画に分けられてるのかな?と思ったかもしれないが、それもない。ブロック内はほぼ線など引かれておらず、チケットもマジでブロック以外の指定要素がなく、完全に自由席という名の無法地帯である。
一応、前方半分くらいには通路を隔てたいらしき細い白線が引かれていたが、後方には通路の線すらない。誘導のスタッフも非常に少ない。
(※筆者は早めに行って後方を陣取ったので最前列付近の事情は知らないため、もしかしたら前の方はもうちょっとなんかあったのかもしれない。後ろの方は本当になにもガイドがなく、観覧エリア全体を囲むテープ以外はありのままの芝生が広がっていた。)
結果どうなるかというと、入り口に近い後方エリアがまず通路もクソもなく適当に埋まり、後から来た人はその合間を縫って延々と前方へ空き場所を探しに行くという地獄絵図が完成した。
おまけにルールは配られたレジャーシートを使うというただ一点のみ。レジャーシートからはみ出さないように座れとかそういう指示も一切ないので、人によって確保スペースがまちまちになった。(そもそもシートが小さすぎてケツしか乗らない)
なお、後方エリアがほとんど埋まった状態でも、スタッフは(少なくとも公演開始予定時刻までは)強制的な場所指定等は一切行わず、「前方に余裕がございますよ」と優しく声掛けをするだけだった。当たり前だが、後になればなるほど公演開始が近付き客はとりあえず座ろうとするため、ひたすら後方がギチギチになった。さすがは天下のサービス企業である。
これがのちのち更なる悲劇を生むのだが、今はただ「8,800円払わせて席の確保は客に丸投げ」という事実をかみしめていただきたい。
誘導が全くない
そもそも実を言うと、リストバンド交換以降観覧エリアへの行程に誘導のスタッフが全くいないため、結構な人数は道を間違えて見晴らしの丘エリアに迷い込んでいた。
地図を見ろよと思うかもしれないが、会場内で本公演に対応したマップが掲示されていたのは筆者が確認できた限り観覧エリアの入り口だけで、配布もされない。
あとはもともとの園内マップを見るかネットで公式サイトのクs……シンプルな地図を見るかしかない。さらに人が多すぎて17時以降は基本的にネット不通だった。いまどきコミケのがつながるレベル。
おまけに観覧エリアの手前と脇に物販とフードトラックがあり、列整理が放棄されているため、時間帯によっては並んでいる人間が道を塞いでおり通れないように見える状況だった。
ちなみに、見晴らしの丘は立ち入り禁止エリアなので、見晴らしの丘に入らないでほしい旨のアナウンスはメガホンなどで繰り返しされていた。
だが、見晴らしの丘に行く分かれ道にスタッフがいるわけでも、正しい道に誘導してくれるわけでもなかったので迷子にとっては何の意味もなかった。遠くからメガホンで虚空に向かって叫んでいるだけだ。
叫んでいるスタッフの方におかれては、日が落ちて見晴らしもクソもない丘に公演直前になって自ら望んで立ち入る客がいっぱいいるとお考えだったのだろうか?「立ち入らないようにお願いします」をメガホンで叫び続ける前にやることがあったのではないだろうか?
上記以外の物販でも受付でもないスタッフは何をしていたのかというとよくわからない。少なくともトイレについては、筆者が利用しているときには空いているところへの誘導などは一切なかった。
実は観覧エリア奥(Bブロックのおそらく入り口あたり)に仮設トイレが大量に設置されていたのだが、Aブロック入り口付近の常設トイレの待機列が3重折になっていても仮設トイレへの誘導はなく、仮設トイレは大変空いていた。
正直、もしかしたらスタッフの一部は仮設トイレの存在を把握していなかったのではないかと疑っている。スタッフに仮設トイレにはトイレットペーパーが備え付けられているのか質問している人がいたのだが、スタッフは「わかりません」と回答していたからだ。
飲食物は持ち込み禁止だが確実に買えるとは言っていない
本公演には持ち込み不可物が大量にあり、飲食物は持ち込み規制の対象になっていた。以下に公式FAQを抜粋しておく。
Q:当日飲食物などの販売はありますか?また会場に持ち込んでもいいですか?
A:会場ゲート前にフードトラックが出店予定です。会場ゲート前のフードトラック等で購入した飲食の持ち込みは可能です。お座席等でご飲食ください。
(太字は筆者)
上記FAQを見る限り、「飲食物」は基本的に外からは持ち込めないと判断すると思う。
じゃあさぞ潤沢に用意があるんでしょうねえ……と思うだろうが、現実には17時の時点で以下のような状況だった。
・園内の自販機は水・お茶系が軒並み売り切れ
・ソフトドリンク(ペットボトル)は販売ブース2カ所(多分。なにせどこで何を売っているかの案内がないので自力で発見したところしかわからない)。ただし20分待ちの上、なぜか水のペットボトルだけ常温(一応冷えているポカリとお茶はあり)
・アルコール販売は一カ所のみ(これは確実)で約60分並ぶ
さらにアルコールの販売もあるフードトラックエリアからはBブロックまで早くて徒歩10分程度かかる坂道である。Aブロックはさすがにもうちょっとは近い。
また、筆者は食べ物を諦めたので詳細は確認していないが、上記飲み物ブースではポップコーン以外の食べ物は買えないので、なにか食べたければさらに並ぶ必要がある。
もしかするともう少しスムーズに買える店があった可能性はあるが、少なくとも筆者が購入した時点では販売店マップも誘導も一切なかったので見つけたところで買うしかなかった。
当然メニュー表の確認手段も店に近付くしかなく、列に並んでいる時点ではざっくり「飲み物だな」「牛串だな」程度以上のことはわからない。
当然レジ前で注文を考えるため、余計に進みが遅かった。列整理?ねえよそんなもんなので順番の前後や横入りも当然に発生しまくる。
なお、公式サイトには持ち込み禁止物が大量に記載されているが、実際には手荷物検査は一切なかったので、結果的に熱中症対策としては注意をガン無視してクーラーボックスいっぱいの飲み物を持ち込むのが最適解だったと思う。
この状況で「熱中症に気を付けて水分をたっぷり摂りましょう」というポスターを張りまくっていた運営の煽りのセンスには脱帽するほかない。
公演開始予定時刻~公演中
公演開始予定時刻(18:30)
当然のように時間になっても始まらず、Aブロックでは会場左側に作られた一本道の通路(おそらく観覧エリア外側)に大量の人が一列に並び前方に誘導されていた。一応通路に誘導するスタッフは出てきたらしい。
まあ当然と言えば当然である。最低3回の整列ポイントがある上、飲食物の持ち込み禁止を律儀に守ると飲食物の購入の手間がかかるのに飲食物ブースの待ち時間は最低20分、さらに前方から客を詰めなかったので後から来た人ほど延々と前列まで行かないと座れない。ついでに前方まで行って席がある保証もない。
この状況で16:00開場から二時間半で捌けるわけがない。時間通りに開始できると思っていたのは運営だけだろう。
さらに、一切整理せず客を座らせた弊害として、客の方も一度トイレなどで離れると取った場所がわからなくなるという事態が発生し、会場内に大量の迷子が仁王立ちになっていた。席番号はおろかきちんとした通路すらない上まわりは森と芝生である。席の場所を覚えておくのも限界がある。
ちなみに時間が経つにつれて日は落ちろくに照明がないため、迷っているうちにどんどん視認性が悪くなるというおまけつき。しかもこのころにはもうネットは全くつながらず、LINEしか知らない相手や通常の通話プランでない相手に対する連絡手段が消滅していた。通常の電話が使えなければ、連れと合流できるかどうかは視力と記憶力次第ということだ。
この地獄絵図を前に、ほとんどの客は予定どおりに始まることは諦めていただろう。諦めてはいただろうが、まさか開始予定を10分以上過ぎても運営から何のアナウンスもないとは思わなかった。
そう、公演開始が遅れることのお詫びやら開始予定時刻どころか、遅れていることのアナウンスすらなかったのだ。客の着席が終わっていないのか物販列が捌き終わっていないのか他の理由なのかすらわからない。あったのは帰りは規制退場なので勝手に出ないでくれというアナウンスばかり。
ちなみに規制退場はHPにも書かれており、しょっちゅうアナウンスもされ、めちゃくちゃ念押しされていた。このことは覚えておいてほしい。
そのまま放置され続けることまさかの20分、18:50頃にようやく明かりが消え、アナウンスが入った。公演開始時刻について説明があるか、最悪いきなり始まるか……と誰もが思っただろう。
「こんにちは、皆さん!公演開始までまだ時間があるので、みんなでジャンボリミッキーのダンスをしましょう!」
流れるような確実に録音済みのナレーション、そしてモニターいっぱいに映し出されるジャンボリダンス。筆者は思わず自分の正気を疑った。
会場もさすがに悪い方向でざわめいていた。そりゃそうよ。この状況でダンスで客のガス抜きをしようと試みる運営の存在を認めたくないわよ。だいたい「まだ時間がある」って何?開演時間はすでに20分押してるんだが。
そしてジャンボリミッキーをひととおり踊り終えた19時ごろ、まだ前方に移動している客をまったく気にせずまもなくのアナウンスから続けて花火が始まった。
ネタバレになるが、これから公演終了後も含めて、開始時間が押したことに対する謝罪はおろかアナウンスも一切なかった。
公演中
最初に書いたが、花火自体は1時間ほどだった。席に帰れない迷子とトイレ限界勢が通路に仁王立ちしまくっておりモニターがしばしば見えないことを除けば、花火自体はそれなりに派手で見ごたえもあったと思う。
花火そのものの感想は主眼ではないので省くが、強いて気になったところを言うなら、ディズニー映画の曲→パーク40周年の曲→ディズニー映画の曲というラインナップだったので唐突に終わった感があった。
最後が最新作の曲とか逆に最初の作品の曲というわけでもないので、終わったことがアナウンスが入るまでわからなかったくらいだ。
終了後
さんざんアナウンスしていた規制退場は……
なかった。
もう一度言わせてほしい、規制退場はなかった。本当に一切の制限なしの超自由退場である。フツーに最後の花火が終わってただ待っていたら、「足元にお気をつけてお帰り下さい」と言われた。当然出入口は客が殺到して麻のように乱れまくっていた。
この点、noteで「区画ごとの退場だった」と記載している記事があるがAブロックに関しては間違いである。また、「Aブロックから退場させる」旨のアナウンスもなかった。
少なくとも、Aブロック後方で退場順序についてのアナウンスは一切聞こえていない。
規制退場を避けるために最後の花火の最中に見ている人の目の前を無理やり突っ切って帰っていった人たちが大正解で、規制退場に従おうと真面目に待っていた客はバカを見るようになっていたわけだ。
ちなみに、観覧会場から公園の入場ゲートまでの間の誘導も一切なかった。乏しい明かりと前の人だけが頼りである。
結果どうなるかというと、なぜか道のど真ん中に作られていたAブロックのベビーカー置き場のど真ん中を突っ切るルートが主流の帰宅ルートになってしまった。
先頭の人は悪くないと思う。ベビーカー置き場の入り口に明かりがあるわけでもなく、看板が横にあるだけなので、あの暗さでは突っ込むまでわからないからだ。ベビーカー置き場内に多分通路らしき道がもともとあったのもよくなかった。
というか運営は何を考えて道の真ん中にベビーカー置き場を設置したのだろう。客を仕留めようとしていたとしか思えないのだが。
バス乗り場の誘導(笑)
さて、前述のとおり、40分かけて駐車場に戻る車勢を除けば、基本的に帰路の選択肢はバスしかない。
そのシャトルバス乗り場は当然超長蛇の列になっていた。具体的には最後尾の札をもった誘導員が全く最後尾ではないところにいた。
おまけに最後尾への誘導も甘く、一応九十九折りに並ばせようとしてはいたものの、途中から合流し放題だった。ここでも正解は運営の誘導に従わず、無理やり突っ込むことだったわけだ。
どうも列形成などのテープなどは用意していたようなのだが、人数に追いつかなかったようである。運営なのに来場客数の把握もしてないのか、4400円のオフィシャル駐車場+会場まで徒歩40分を選択する自家用車組が多いとでも思っていたのか?
予想できたことだが、この状況は相当やばかった。まずは客のメンタル面が。
ここまで散々運営の素晴らしい手際に振り回されてきた同士だ。おまけに飲食物の持ち込みに規制退場と真面目に運営に従ってきた客がバカを見る構造になっており、相当フラストレーションがたまっていたのではなかろうか。
実際、横入りしただのなんだのという発言はちらほら聞こえており、喧嘩に発展する可能性はそれなりに高かっただろう。
それを抜きにしても、逆向きの列が激突しているところがあり、人が暗闇の中で入り乱れて普通に危なかった。真っ暗で足元も見えないのに列は段差を突っ切る配置をしており、転びかけること数回。なにせ誘導が圧倒的に足りないので、前の人の「段差がある!」という発言だけが頼りだった。戦場か?
その状況に業を煮やしたのか、誘導している数少ないスタッフに「列がめちゃくちゃになっており、途中から合流されてしまっていて危ない」とちょうど筆者の目の前で訴えたお客さんがいた。おそらくわざわざ列を外れてきた人だったと思う。
そのお客さんへの、スタッフ様のありがたい回答がこちら。
「はあ?そこはコントロールできないんで」
まとめ
以上が筆者の体験した「ディズニー ミュージック & ファイヤーワークス」9/2ひたち海浜公園回8,800円である。いかがだっただろうか?
筆者の正直な感想としては、この運営は大人数の参加する野外イベントを運営する資格がないと思う。
そして8,800円を払って、ハッキリ言ってかろうじて楽しいと言えるのが1時間の公演中だけ、前後に2時間ずつはかかり、その計4時間はただ不快なだけでなく危険だった。個人的には8,800円どころか、危険を踏み倒してまで見るほどの価値は全くない。
筆者は野外イベントにはそれなりに経験があるし、熱中症対策や足の確保など、客側で自衛すべき部分があるのも承知の上だ。
しかし、自治体のように市民の要請で持ち出しでやっているわけでもなく、自ら企画して、しかも最低8,800円という値段をとってやるのであれば、単に公演を行うだけでなく、最低限協力的な客が安全に来場して退場できるようにすべき義務は負っていると思う。それがチケット代という利益を享受している側の責任だ。
しかし今回の公演では、私見だが結果的に運営に真面目に従った人ほど不利益を被り、あげく最低限の安全性も確保されていなかった。
熱中症患者の大量発生や客同士の喧嘩が起こらなかったのは運営の手際がよかったからではなく、客自身の功績と運だ。
もちろん運営にも限界はある。客側も自衛すべき義務はあるが、それを理由に運営が安全確保の義務を放棄していいわけではない。
具体的には、飲食物の持ち込みを禁じるなら観覧エリアに近い場所にもっと飲食物の販売箇所を増やすべきだし、整列ポイントを複数作るべきじゃないし、ブロック指定をもっと細かくして前から詰めさせるべきだし、長蛇の列になることが分かっていたバス乗り場だけでも無益な諍いが起こらない程度に列整理をすべきだと思うし、それらは現実的に可能だったはずだ。
にもかかわらず「そこはコントロールできない」というのなら、飲食物の持ち込み制限をすべきでないし、2つだけのブロック分けでブロック指定制を標榜すべきでないし、そもそも長蛇の列が発生するようなイベントを企画すべきではない。ただ手際が悪いだけならともかく、わざわざ運営の手で危険を増やしているのだ。
しかも繰り返しになるが、公演が1時間足らずなのに8,800円である。一日いていいフェスならともかく、この値段である程度運営側のフォローを期待することがそれほど的外れとは思えない。
そりゃミュージカルとか演劇は同じ程度の時間でそのくらい(それ以上)するのもあるが、あれは天候異常とかを除けば行き帰りに命の危険を伴わないし、指定時刻までに行けば席も確保されてますからね。普通この値段で自治体の花火大会の有料席以下の運営姿勢だとは思わないだろう。
というか規制退場の有無とか窓口の閉鎖時間とかではっきり嘘をついているあたり、比べるのも失礼な不誠実さだ。
花火の締めのところで「この先の100年もディズニーをどうたらこうたら」と言っていたが、個人的には正直なところ100年どころか1年以内に潰れていただきたい。
今後のこのイベントに参加を考えている方には、平気で予定を翻し謝罪もフォローもしない運営だということをよく踏まえた上で、こういう扱いもあると理解した上で、本当に8,800円を出すべきかよく考えてほしいと思う。
なお、本当はさすがに運営に苦情を言って終わりにしようと思っていたのだが、なんと本イベントにはアンケートがなかった。ちなみにディズニーのイベントにつきものの関連イベントのチラシは大量にもらったので、配るチャンスはあったはずである(チラシはレジャーシートと同じ袋に入って配られた)。
ま、つまり運営としては、「われわれがコントロールできるのは花火の打ち上げだけなんで、ちゃんと打ち上げたのに苦情なんか言われても笑」ということだろう。
この態度をありがたがってやってくれるだけ喜べる人以外は行かない方がいいイベントだ、というのが筆者の最終的な見解である。
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