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【ライブ日記#61】野田秀樹 『正三角関係』


はじめてNODA・MAPの公演を観に行く。
野田秀樹さんの脚本には、必ず社会課題が絡んでると聞いていたので今回はどんな話に落ちるのかとても楽しみにしながら観ていた。

と、その前に今回の席がとんでもなく前だった。1階のC列。長澤まさみに認知されちゃったらどうしよう、と思いながら開演を待つ。

今回は花火師をテーマにした作品だった。買ったばかりのパンフレットを読んでいると、「ずっと下を向いて考えた、上を向かせる花火師の話」と書いてあって自分も何か上を向かせる作品を作ったら絶対これ言おうと心に決める。

キャストは言わずもがな最高で、松潤が主演の長澤まさみと瑛太が兄弟として登場する。改めて思うが舞台ってTVで観ていた人がこんな近くで登場するの面白い。みんなちゃんと実在してるんだな〜

聞いていた通り、特に序盤のセリフは言葉遊びや共感を誘うものが多かった。「NISAって結局やった方がいいの〜〜〜!」とか全くストーリー関係ないのにぶち込んできたり、駄洒落も多かった。でも気がつくと、あれこれもしかして原爆の話しているんじゃない?と真ん中のテーマが浮かび上がってくるのが不思議。事件の真相に近づくにつれて今回のテーマへシームレスに繋がっていく感じが面白かった。

あと演出がとってもユニークでそしてビジュアルとして分かりやすかった。テープを柱に巻き付けてリングのようにしたり、最後の灰が降り注ぐところなんかゆっくり布が落ちていくその時間を印象的に使っていた。舞台って基本前から観られるものだから、一枚絵のビジュアルを考えることにも等しいのかな。

ただ一つちょっと物足りなかったのが、原爆というある種顕在化しすぎている問題に切り込んでいたこと。忘れかけていた問題などが取り扱われると思っていたところもあるので、今このテーマを扱うのかとちょっと驚いた。パンフレットを見ると今回はロンドン公演も控えているとのこと。海外公演用にちょっと分かりやすくもしたのかも。

でもやっぱり舞台はいいなあ、命を燃やしてる人を観てる感じがして。また行きたいな〜

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