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よちよちある記#416『本所おけら長屋』

『高熱隧道』を含む数冊を
プレゼントしてくれた
お客さまとの会話で

短編小説が好きで
時代小説が好きで
推理モノとか
小難しいのとか
頭を使わないと
読めないモノは苦手

そんな話をしてくれた

司馬遼太郎とか読むんですか?
なんて聞いたら違うらしい

お客さま曰く
自分とは無関係なところで
頭を使わずに安心して
ほっこりと読めるのが
時代小説の良いところらしい

自分は歴史小説好き
架空の世界のお話よりは
歴史モノの主人公
カッコいいヒーローに感情移入して
雑魚キャラの大変身ぶりを
ワクワクしながら読むのが好きで

戦国武将や幕末の志士たちが
いきいきと描かれる世界に
お客さまのイメージと違うなぁ…
とは思ったのだけれど
やっぱり違ってた

 
本をプレゼントされたら
本をプレゼントしたくなる

いくつか思い浮かぶ
軽く読める短編小説を探しに
そして自分にとっては
未知の世界である時代小説も一緒に
ブックオフに行ってウロウロ

人氣のシリーズらしい
作品群がいくつか目に入って
その中からこの作品を選ぶ

『本所おけら長屋』畠山健二

話を共有できなきゃ話ができないので
自分でも読んでおく

あっ
こーゆーことか
落語の世界だな
自分とは無関係な世界の
ドタバタあり人情あり

絹問屋へ女中頭として奉公のお里さん
本家のお嬢様のお静さんの
花嫁修業の面倒を見ることになり

ーーーここから引用ーーー

お静は相変わらずの間抜けぶりを披露していた。この日は、もう一人の女中頭、お多喜について台所に入っていた。夕食の下ごしらえである。
「それじゃ、お嬢様、この大根をおろしてもらいましょうか」
「はい」
お静は調理台の上に置いてあった三本の大根を、一本ずつ床に下ろしだした。お多喜の後ろにいた若い女中のお多江は、口を押さえて外へと飛び出していく。
「いや、床に下ろすんじゃないんですよ。大根を『おろす』というのは、おろし金て摺りおろすことなんですよ」
「はー、それで大根おろしというんですか」

ーーー引用終わりーーー

思わず吹き出しちゃった

落語のように
声の大きさ小ささ
話す速さや声のトーン
そんな風に表現できず
活字のみで描き出す世界観

シンプルな表現でなければ
頭の中に情景を思い描けず
難しいと思うけどなぁ…さすがだわ

読み進めるうちに登場人物たちが
いきいきと動き出す
シリーズ物としてファンが多いのも
わかる氣がするな

これならお客さまも喜んでくれるかな〜

今日もいい1日✨

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