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元ラグビー選手の私が「タックル」の魅力に迫る!

新年、明けましておめでとうございます。
2024年が新たに始まりました!皆さんはいかがお過ごしでしょうか。

新年早々1月2日(火)、私は高校時代の仲間たちと大好きな「ラグビー観戦」へ行ってきました!
ラグビーには、毎年1月2日に「全国大学ラグビー選手権」の準決勝が行われるという伝統があります。試合会場で見る地区予選大会を勝ち抜いたチームの激闘は迫力満点でした!

全国大学ラグビー選手権 準決勝 @新国立競技場

試合中は魂と魂がぶつかり合う激しい攻防を繰り広げる一方で、試合後には敵味方の垣根を越え互いの健闘を称え合う「ノーサイドの精神」が見られるラグビーは、やはり何ものにも代えがたい魅力があるように感じました!

さて、今回はラグビーの「タックル」について触れたいと思います。
皆さんは「タックル」と聞くと、どのようなイメージを抱きますか?
怖い、危ない、痛いというイメージがあるでしょうか?或いは、レスリング元日本代表、霊長類最強と言われた吉田沙保里選手を思い浮かべるでしょうか?

ラグビーにおいて「タックル」は非常に重要なプレーの1つです。タックルには、相手の攻撃を食い止め、得点をさせない役割があります。いくら攻撃力が優れていても、タックルの精度が悪くては防御力が低く、試合に勝利することは出来ません。またタックルは防御面だけでなく、相手からボールを奪い攻撃を仕掛ける起点となる、つまり攻撃面においても非常に重要な役割を果たします。故にラグビーにおいて「タックルは最大の武器」と言われることもある程です。勿論、切れのあるステップや速いパス、しなやかなランニングなどトライに直結するアタックプレーは華やかで見応えがありますが、泥臭く果敢に相手に突き刺さる「タックル」はそれ以上に会場を湧かせ、見ている人たちに感動を与えてくれます。

ラグビーではどんなタックルでも認められるわけではなく、「反則行為(ペナルティー)」とみなされる場合があります。中でも「ハイタックル」に対しては年々規定が厳しくなっており、近年新たなルール改正がありました。従来は相手選手の「肩」から上を狙ったタックルが反則プレーの「ハイタックル」としてみなされていましたが、2023年秋より「胸骨」の位置へのタックルが反則対象として扱われるように変わりました。

ルール改正により期待できる効果について

ルール改正の背景には「頭部外傷の対策」という狙いがあります。World Rugbyが発表したデータによると、胸骨へのタックルを禁じる新たなルールを試験的に導入した場合、頭部の衝突が64%、脳震盪が23%減少したという結果が出ています。また近年、脳の損傷による早期発症型認知症を患う選手が世界的にも発見され始めています。ラグビーにおいて安全性が問い直されている現状が窺えます。

私自身も高校2年生の春に「脳震盪」を起こした経験があります。試合中にタックルを受けてから数分間意識を失い、チームメイトに抱えられながら更衣室に移動している際にようやく意識を取り戻した状態でした。地面に倒れたままびくともしない自分の映像を後から見返し、ぞっとしたのを今でも覚えています。当時の記憶は未だに思い出すことが出来ません。福岡県開催の大会へ遠征中であったため、画面越しで試合観戦をしていた両親は担架で運ばれていく私の姿を見て酷く心配をしたそうです。

このように世界的状況や自身の経験を踏まえると、今回の「タックル」に関するルール改正は妥当だと捉えることが出来ます。しかし、ラグビーのコンタクトプレーを前提とする競技性を考えると、反則が発生しプレーが中断するシーンが今後増えることが予想され、試合会場での観戦人気が半減してしまうのではないかという懸念が否めません。

一方で、低く相手に突き刺さる「ロータックル」の価値が今まで以上に上がることで、小柄な選手が活躍できるチャンスが生まれ、今まで以上に「多様性」を尊重するスポーツになり得るのではないかという期待も膨らみます。

今後ラグビーがどのように発展し、時代を越えても社会に求められる普遍的なものとしてどのように存続していくのか。今後のラグビーの動きに目が離せません!ラグビー観戦をする機会がある際には是非、「タックル」に注目して試合を見てみて下さい!


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