「私は気にならないですけどね〜」と言ってしまうガジェット系YouTuberのレビューは信用しません

ガジェット系YouTuberの商品レビュー動画を見ていると、しばしば「私は気にならないですけどね〜」的なコメントを耳にします。

たとえば、iPhoneのカメラ性能をレビューしているときに、ちょこっとフレアが出る。すると、すかさず「やはりフレアは出ます。まあ、私は気にならないですけどね〜」とくるわけです。最近だと、iPhone15 Proの発熱が話題になっていますが、とある動画では、熱いかどうかには触れることなく、「私は気にならないですね〜」と言い放っていました。

私はこの言葉を聞いたら、速やかに動画視聴をやめることにしています。

なぜなら、極めて不自然なコメントだからです。もしフレアが出ていても気にならないなら、スルーするのが自然です。フレアが出ていると指摘している時点で、すでに気にしていることになります。発熱問題のケースでも、同様です。発熱を気にしている(少なくとも意識している)からこそ、そういう言葉が出るのです。

「私は気にならない」とわざわざ言うのは、気にしている自分(あるいは視聴者など)を打ち消したいだけだからです。つまり、「気になるけど、気にならないことにした」ということです。控えめに言って、不適当なコメントだと断じざるを得ません。

いわゆるレビューというものは、商品の良いところ、悪いところをはじめとする気になることを紹介するのがスジだと思います。まったく気にならないことだったとしたら、それをわざわざ取り上げる必要がどこにあるのでしょうか。そこになんらかのゴマカシ、ウソがあるのは明らかでしょう。

念のため、書いておきますが、「私は気にならない」と言ってはいけないとは言っていません。視聴者などに質問されたり、自然な話の流れの中でこのコメントが出ることもあるからです。そもそも、なにを気にするかどうかは、基本的にはその人の勝手です。

しかし、自分から切り出しておきながら(視聴者の関心が高いであろうことも知りながら)、その内容をちゃんと検討することなく、「気にならない」の一言で片付けようとするのは、許容できません。そんな動画は見ない、その商品レビューは信用しない、と言っているわけです。

本当のことばかり言っていてはYouTuberとして食っていけない事情は理解しているつもりです。ただ、取ってつけたようなあからさまなゴマカシ、ウソは人を不愉快にさせるものだし、不信感を抱かせるものなので、それを言っているわけです。


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