妄想日記

 こんにちは。また妄想日記を書きました。今度はゲゲゲの謎の二次創作です。鬼太郎のアニメ(何期なのか不明)や墓場鬼太郎をリアルタイムで見たりしてますが、うろ覚えで設定などは捏造(ねつぞう)です。岩子さんだけ出てきます。何でも許せる方のみでお願いします。


 気がつくと、閑散(かんさん)とした見知らぬ所に来ていた。どこだろうとキョロキョロしていると
「あら、久しぶりのお客様」
と声がする。振り向くと、ゲゲ郎の奥さんだった。

「こんにちは。ここはどこですか」
「月よ」「えっっ?」「幽霊族は、死ぬとここに来るみたいなの」「へえ…」
 知らなかった。
「どうして」
「さあ。でも私の仲間もいるのよ。だから寂しくないの」
「そうなんですか。あなたのお子さんは水木さんという人が育てて、立派な子になってるみたいです」
「知ってるわ。ここから見えるもの。時々だけど」
 そう言って、明るい笑顔を見せる。離れていても、時々鬼太郎たちの様子が見られるなら安心だろう。

「ウサギとか、月人なんかはいないんですね」
「ええ。がらんどうだけど、住みやすいわよ。明るい日もあるし。みんなで楽しく暮らしているわ」
 そう言うと、彼女の家へ案内してくれた。

 そこは、穴を掘ってウサギのように暮らしている所だった。ほんのり明るいのは、月の光を集めてカンテラで照らしているらしい。薄暗いけれど落ち着く場所だった。
「お団子でもどうぞ」
と出してくれる。
「ありがとう」
 おいしい、と言うとうれしそうな顔をした。
「みんながたまにお供えしてくれるから食べ物にも困らないの。あの人は必ずカエルの目玉を用意してくれるし」
 この人は、死んでも夫のことを忘れないんだなと思う。
「あなたたちはアニメ界で今一番有名な夫婦だと思いますよ」
「そうなの?」
「大勢の人たちがあなたたち家族の幸せを願ってます」
「えー⁈ 驚いた。でも嬉しいわ」と頬を染めて笑う。
 応援上映も時々あって、彼女とゲゲ郎のコスプレをした夫婦がいた話をすると、鈴を転がしたような声で笑っていた。

「もっと話していたいけど、もうすぐ夜が来るわ。だから帰ったほうがいい」
 しばらく雑談していた後で彼女が言う。
「夜になると変な妖怪も出てきて人間は危ないから」
「そうですか。ではお邪魔しました」
 ごちそうさまでした、と言って席を立つ。
「また遊びにいらしてくださいね。鬼太郎たちの話も聞きたいし」
「ええ、ぜひ」
 今度はお土産を持って遊びに来ます、そう言って家へ帰った。
               了

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