目覚めれば 僕の中に君が 棲み始め 君の中に僕が 棲み始めた 互いの影の中で 互いが息を潜めている 影絵の中で くちづけを交わし 暗闇の中で 一つになって そんなものか そんなものよ 僕の中で君はいつも 君の中で僕はいつも
手紙を書こう 誰にも送れないけど 手紙を書こう 想いを寄せるあの娘へ 唾を吐いた旧友へ 与えてくれた両親へ 未だ見ぬ我が子へ どの文章にも謝罪が入ってたりする ペン蛸は懺悔の形 もうプライドも スタイルも ズタズタだから もう痛いところはすべて 救急車に載せて送ります ピープル ピープル 送らせてください
たった一枚の 紙切れのために 今日も皆 頭を抱えている たった一枚の 紙切れのために 汗水流して皆 頑張っている たった一枚の 紙切れのために 東で西で犯罪が起きている 不思議なことに 誰もがたった一枚の 紙切れを引き破りやしない 僕は今日も颯爽と たった一枚のA4用紙を シュレッダーにかける
損失とは 失うお金だけではないということを 利益とは 得られるお金だけではないということを お金に失望していた僕に 教えてくれたのは ある晩に涙して食べた 母が握ってくれたおにぎりでした お母さん ご飯の後に見せたい詩があるんだ だから早めの いただきます そしてゆっくり噛んで ごちそうさま
きっと あの人にも事情があるのさ きっと お天道様にも事情があるのさ きっと あの人にも泣きたい時があるのさ きっと お天道様にも泣きたい時があるのさ 必ず誤解は晴れるもの 必ず青空に晴れるもの
どうしようもなく 欠けた僕の 記憶のワンピース 時は流れ 今 パズルを埋めるのは どうしようもなく 浜辺ではしゃぐ ワンピースの彼女 これでいいや 僕は 時間旅行への切符を 破り捨て 今日 彼女と 旅行に出掛ける
闇に落ちても 突き落とされても そこから光が見えたなら 諦めることはない お前には見えている それは事実なんだ その光を浴びるんだ 諦めないでくれ 諦めないでくれ 諦めないでくれ あまりにも勿体ないだろう 現に羨望し見つめるその光に ほら お前の眼だって輝いているではないか
健やかに眠れ 両親の想いを乗せて たくさんの夢を見てきた 大志を抱け 両親の想いを乗せて たくさんの夢を抱いてきた きっと枕を抱く夢でも きっと想いを抱く夢でも どちらでもいいんだ ただ夢を無くしては 生きていけない ならばいい夢を見ることだ お父さんがソファーで いびきかいて寝ている どんな夢を見ているのだろうか
形あるものは やがて崩れてしまう お気に入りのジーンズも グリースでキメた髪型も アイスクリームも やがて崩れてしまう だけど 形ないものは 崩れない 愛する心 信じる力 敬う気持ち 記憶に至るまで 崩れるにも 崩れようがないんだ 脆いようで最硬のこの心
君はその痛々しい翼に 乗れよ と言う 僕は正直言うと その翼には乗りたくはない だって鳥は抱いたり背負ったりでは 飛べないもの 僕はただ 大空を雄々しく舞う君を指さして あ 鳥だ と言いたいだけだよ 車庫から駆け足 両手いっぱいの餌を握りしめて
変人の詩を この世に蒔いたら 何が咲くだろう 答えは 聡明な学者たちが いくら研究しても わからないだろう そんな詩を書きたいんだ ただし 一応は咲くように
あいつ見ろよ と指さされても あいつ見ろよ と指さすことはきっとない こんな奴に と罵られても こんな奴に と罵しることはきっとない バカヤロー と怒鳴られても バカヤロー と怒鳴ることはきっとない 僕は通さない 言葉汚れで 真っ黒なフィルターを ずっと僕は愛用している きっと一生愛用していく
夢に生きる という言葉が嫌い 友とも会えず 誰とも会えず いつだっていつも 夢の中でしか人と出会わないから 正直 夢も現実もわからないよ そんな私を責める人よ このナイフで こうして瞑る私の両眼を 切り裂いておくれ この赤い幕が上がったならば 私は一生 極上の夢に 生きていけるだろう
優しく 包んであげたら 優しく してあげられる 強く 包んであげたら 強く してあげられる だけど 真っ先に破られ 真っ先に捨てられる すべてはあなたの大切な物のため 報いを知らない包装紙
白いシャツを 汚した人を 憎んだりしないこと 汚れたことより 問題なのは いつまでも洗濯しないこと さあ 洗濯機に回して さあ ベランダでパンパン叩いて 太陽は笑顔 シャツは笑顔 君は笑顔 憂うことがどこにあろうか
君の眼には この僕が 未練がましく映るかい それは仕方ないことかもしれないね 君の眼には この僕が 欲深く映るかい それも仕方ないことかもしれないね ジーンズのインディゴは 濃ければ濃いほど僕は好きだ 「そんなに思ってくれてありがとう」 そう思われたいだけなのさ だから あまり 色落ちしないように あまり 洗わないように