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広報区長の憂鬱 242 (区長会の思い出 1)

令和4年度第2回伊予市広報区長協議会定例会
意見書の回答について

二年前、伊予市の自治会区長になって市役所で会議があった。その2回目の会議で出された意見の回答文書が送られてきた。
出された意見というのは、会議中の音声発言ではなく、文書による意見だ。
上に挙げる「意見1」の文章は、区長から提出された意見文章そのものではない。市役所担当者(おそらく総務課)が作成したのだろう。

意見を書いたA氏は、私と同じ新任区長で、同じ広報委員経験者であることが分かった。
文章を読んで思ったのは、広報委員経験者の私にとって迷惑な意見であることだった。
経験者の私には、広報委員の仕事は決して楽なものでは無かった。私の頂いた報奨額は5万円あまりだった。決して高額とは思わなかった。
広報委員の仕事は主に2点である。
1.市役所発行の広報誌(年間12回)を担当世帯に配る。
2.共同募金(年間5種)の各世帯への協力(寄付)依頼。
私の広報委員としての担当世帯は50軒余りである。
50軒に17回(12+5)の訪問をすることになるので、年間850回の訪問となる。
一回の訪問に60円の手数料ということになる。

当たり前だが、50軒を私が全部訪問するのではない。小字自治会では四つの班に分かれていて、それぞれに広報委員が居る。その一人が私で代表委員となっている。
広報誌の配布も募金活動もそれぞれの班の広報委員が行う。そのとりまとめを私が行うのである。
報奨金は、広報委員4人で分けた。私は多めにいただいた。毎月の広報誌の仕分けや、集まった募金の入金業務や、回覧板原稿の作成その他の雑用が多いからである。
辛かったのは、共同募金の各家庭への寄付お願い訪問であった。

報奨額が随分高いと思うA氏はどんな高潔な人物だろうと思った。ぜひとも会ってみたいと思った。
ある日の広報区長会議で、その高潔なA氏が判明した。
「あれ、私なんです」
隣に座っていた!!!!
私は仰天して訊ねた。
「広報誌の仕分けや配達はどうしています? 募金活動は大変でしょう?」
答えは、
「うちでは担当に任せてますから楽なんです。報奨費は、全部私が頂いています。」
私はますます驚いて
「そんなことをしたらいかんでしょうが! 誰も文句を言わないんですか!」
「うちは昔からこれでやってます。誰でもいずれは広報委員をするから問題は無いのです。」
呆れて二の句が継げないとはこのことだった。
こんな仕組みを放置して、報奨費が高すぎるというべきではないことが分からないのか。馬鹿野郎めと思った。

数か月後、伊予市広報区長会の懇親会が開かれた。
私は件のA氏の席に行って、侃侃諤々の議論を見舞った。
また先日は、伊予市広報区長協議会の分会である郡中区長会の懇親会で、2年間の区長業務と報酬のバランスについてA氏に訊いてみたが返事が無かったので二年前の広報委員報酬額問題をぶつけてみたのだった。
信じられないことは、だれも私の意見がもっともなことだと言わなかったことだ。
A氏のやり方は、当然のことらしいのだ。
伊予市とは、そういうところだったのだ!

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