中退

看護学校に通っていた時のはなし、
座学は下の上くらいだったけど、
臨床では上の中くらい評価を貰えてて、
自分でも実習が大好きで、
患者さんの人生観を聴くのが大好きで、
出来ないことを一緒に頑張ったり、
亡くなってしまう方もいて、
感情がジェットコースターみたいに忙しい中で、
恐ろしい量の記録物をこなし、
睡眠時間は1時間だったりしたけど、
看護師になる希望は持ち続けられていたなあ。

最終学年の夏
先輩から代々伝わる厳しい領域実習で、
厳しい先生に当たった【何故か2人】。
配置図見ただけで行きたくなかったけど、
これまでの患者さんから言われた言葉とか、
これまでやってきたことを思い返したら、
何とか出来そうな気がしてた。
私は追い詰めるタイプでは無いし、
何とかなるさ精神だったので深く考えてなかった。

いざ始まった
これまでの勉強不足が祟り、
教員2人に詰められる日々。
看護師に報告するときも、
患者さんに挨拶するときも、
学生の後ろに付いて立ち、部屋の影から話を聞いてた。
会話が終わると
やっていたことの根拠を聞かれる。
自分がやられるのも嫌だし、
メンバーがやられているのを見るのも嫌だった。

私が受け持ったのは高齢の患者さん。
1番難しい事例と言われて、
誰も選ばなかったから私が選んだ。
難しいと言われていたけど、
まあ何とかなるっしょ^_^
と思っていた。

受け持ちの挨拶に行ったら、とても人当たりのいいお婆ちゃん。
手術を控えて、とても緊張しているそう。
情報収集の合間を縫って
できるだけ話に行った。
いろいろ聞かせてもらえた、
家族のこと、趣味のこと、手術に対しての想い。
病室から少し歩いて、全面窓ガラスの
市内が一望できる場所でお話しする時間、
超超楽しかった〜〜〜〜〜〜〜〜〜。

学生室に戻れば、
教員2人から記録の直し。
何で?何で?詰められる。
1:2で私が話す隙もないくらい。
最初のうちは
うるせーなーと思いながら聞けてたかな。

記録の直しと事例の難しさで、
睡眠時間が取れず、
病棟に行けば気を張り詰めてる日々。
家で記録をしてるとき
記録物を前にして、
座ったまま身体が動かなくて、
勝手に涙が出てきた。

あーもう限界なんだなあ、と
思いながらも、
とにかく終わらせて、実習へ行った。
患者さんと話せることを楽しみに、
とにかくそれだけを考えて行った。

病院につけば変わらぬ日々、辛かったなあ。

でも、患者さんと話してるとき
『あなたは絶対看護師に向いてる、頑張って、話しててこんなにエネルギーを貰えるもん』
と言って貰えた。

泣いた。
コロナ禍、感染予防のため、
ゴーグルをしててよかった〜
涙が止まらなくて、
バレない様にすぐに一緒に病室戻った

患者さんの手術が無事終わり、
一連の看護と学習をして
退院の日を迎えた。

『手術が終わって、意識が朦朧としてるとき、貴方が病室に入ってきたのが声でわかった、とても安心したの、たくさん管が繋がれてて、怖かったけど、安心したの、ありがとう』と言われた。

また泣いた。
退院してしまったら、
実習に来れなくなってしまう。
と強く思った。

少し、行かないで欲しいと思ったけど、
退院して、
家族と趣味に生きていけるんだなと、
笑顔でお別れした。

退院したのが金曜日で、
土曜日から月曜日までの3連休に入った。
莫大な量の課題を
家に帰り、泣きながら取り組んでた。

涙が出て、
机に向かってるのに体が動かなくて、
月曜日の明け方までやってたけど
終わらなくて、

患者さん、無事退院したし、
いっか。
と思って、学校と病院に休みの電話をした。
初めて休んだ。

もうこの時点で、
看護師になるのは諦めていたと思う。

その日、学校に呼ばれて
どうしたの?と聞かれた。

思ったこと、あったこと全部話した。
担当教員がやったことが【悪】とは思わないけど、辛かった。

他の教員も気にかけて、
やりすぎじゃない?とか言ってたみたいだけど、
全く気づかなかったなあ。

ここまで辛い思いをして看護師になりたくないし、あの教員たちがいる学校に戻るのも嫌で、退学しようと決めていた。

退学を考えてると言ったら、
想像以上に止められて、
3ヶ月くらい学校に通って面談した。

どれだけ謝罪されても、
改善案出されても、
自分の中であれだけ辛い思いをさせられた環境に戻る勇気がなくて、戻りたくなくて、退学の意思は揺らがなかった。

母が看護師だったから、
という理由で看護学校に入って始まった看護学生生活。
想像以上に辛かったけど、
得られたものはたくさんあったし、
絶対に後悔はしてない。

受け持った患者さん、
全員覚えてる。
お手紙のやり取りをしてる方もいる。

看護学生生活で得られたものは、
これからの人生で、
絶対に無駄にならないと思ってるし、
関わった人全員に感謝してる。

だけど、
あの時の教員は嫌い。
恨んではないし、感謝もしてる、
けど、嫌い。
だから退学する時、
教員たちがいる部屋で、
【ありがとうございました】って挨拶する時、
その教員の目絶対見なかった(笑)

今考えると幼稚だよね〜〜
でも、ぜーーーーーーーんぶ後悔してない。

泣きながら課題したこと、
課題やってるうちに明るくなる空、
勝手に涙が出てくること、
タスクが終わらない感覚、
怒られることへの強い恐怖感、
みんなの前で怒られること。
泣きながらご飯食べてたこと、
病棟の陰で誰にもバレない様に泣いたこと。
当時はしにたかったけど、今生きてるし、
これがあったから強くなれたのかな、と思う。

休みの日学校行って国試の勉強したこと、
医療の知識を得られたこと、
お昼休みのUber、
先輩に恋愛したこと、
沢山飲み会したこと、
過去問争奪バトルしたこと、
追試料金嫌々みんなで払ったこと、
年齢問わず仲良かったクラス、
出会った患者さん、クラスメイト。
小中高とは全く違う、特別な時間だったな。

戻れないし、戻りたくない気もするような、
一生思い出にしたい、大切な時間でした。

これからも頑張るぞ〜

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