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日本シリーズ OBスペシャル対談!

今シーズンのプロ野球は、阪神タイガースが18年ぶりにセ・リーグ優勝、オリックス・バファローズがパ・リーグ3連覇を決めた。両チームとも順調にクライマックスシリーズを勝ち上がり、59年ぶりの日本シリーズ「関西対決」が注目されるなかで、現役時代に阪神・オリックスで活躍した能見篤史さん、糸井嘉男さんの対談が実現! 両チームの優勝の要因や在籍時の思い出、岡田監督と中嶋監督のタイプの違いなど、たっぷりとトークを繰り広げた。
2人が知る4番・大山悠輔の苦悩とは?

 最終的に2位・広島に11.5ゲーム差をつけて優勝した阪神タイガース。岡田監督復帰1年目でなぜ優勝することができたのか? まずは今シーズンの阪神の強さの要因について能見さんと糸井さんに語り合ってもらった。1年間阪神の戦いを見続けてきた2人は、シーズン始動時に、岡田監督が選手全員にやりたい野球のビジョンを明確に伝えたことが大きかったと振り返る。

 まず1点目は、フォアボールへの意識。投手はフォアボールを出さない、野手はフォアボールを取る。昨シーズンまで阪神に在籍していた糸井さんは、「むしろ初球から積極的に狙う」意識だったという。

 2点目は、中野拓夢選手のセカンドへのコンバート。岡田監督のこの発想は、能見さん、糸井さんも「まったく想像していなかった」というくらい驚きだったという。

 そして今シーズンの阪神の強さを語るうえで欠かせないのが、投手陣の充実だと2人は話す。特に2人が絶賛したのは村上頌樹投手だ。7回まで完全試合をしながら降板した4月12日の巨人戦での村上投手の投球、代えるという選択した岡田監督の采配について2人も強烈なインパクトを受けたと言う。村上投手がなぜここまで活躍できたのか、その他、岩崎優投手らについても話が及んだ。
野手陣でまず2人が評価したのは、近本光司選手、中野拓夢選手の1、2番コンビ。能見さんは投手側の視点で「粘ってフォアボールを選ぶことで相手投手にダメージを与えた」と彼らの活躍を絶賛。そして8番打者として上位へ打順をつなぐ仕事を全うした木浪聖也選手への評価も高い。佐藤輝明選手は「アレ」に向かって必要不可欠な選手だったと語る糸井さんが驚愕した佐藤選手のホームランとは?

 野手陣の活躍で最も話が盛り上がったのは、4番・大山悠輔選手について。チームメイトだった能見さん、糸井さんが見た大山選手の苦悩とは? 2人だからこそ知る大山選手のエピソードも動画の大きな見どころのひとつだ。

 そして能見さん、糸井さんは「今シーズンの阪神MVP」を発表! 2人が選んだ選手とは? ぜひ動画をチェックしてほしい。

なぜオリックスから好投手が出続けるのか?

 オリックス・バファローズは最終的に2位・ロッテに15.5ゲーム差をつけ、圧倒的な強さでパ・リーグ3連覇を達成した。しかし昨年までオリックスに在籍していた能見さんは「ゲーム差ほど圧倒的な戦力はなかったのではないか」と話す。

 今シーズンは絶対的な存在であった吉田正尚選手が抜け、足のスペシャリストもリーグを代表するようなホームランバッターがいるわけでもない。今シーズンは113試合に出場して打率.307をマークした頓宮裕真選手やシーズン序盤に茶野篤政選手が健闘したが、杉本裕太郎選手、宗佑磨選手、中川圭太選手など、目立った活躍を見せてはいない。

 昨シーズンオフにFAで森友哉選手を補強したものの「突出している選手がいない」(能見)なかで、約120通りものオーダーでやりくりしてきたオリックス。日替わりメンバーだが、調子がいい選手を調子がいい時に起用するなど、中嶋監督を含めた首脳陣のマネジメントの力が大きいと2人は分析している。
一方で、今シーズンも16勝6敗の成績を残した山本由伸という絶対的なエースを筆頭に、3年連続で10勝以上をマークした宮城大弥投手など、今シーズンも期待通りの成績を残したオリックス投手陣。昨シーズンまでチームメイトとして彼らを間近で見ていた能見さんは、選手たちの「個々の能力の高さ」にびっくりしたと移籍当時の印象を振り返る。少しのきっかけがあれば劇的に変わるような選手がすごく多いと感じたと言う。

 特に2人が今シーズン目を見張ったのは、プロ初登板で今シーズンの開幕投手を務めた山下舜平大投手だ。山下投手は昨年までのファーム防御率はそこまで良かったわけではない。能見さんによると、その理由はストレートとカーブの2つの球種しか使っていなかったからだという。動画ではそ山下投手育成のポイントについて詳しく語ってくれた。また、山下投手のようなポテンシャルを秘めた若い投手が次々と頭角をあらわすのはなぜなのか? 糸井さんも納得する能見さんの解説をぜひ動画でチェックしてほしい。

 そして阪神に引き続き、「今シーズンのオリックスMVP」を発表! 糸井さんは「あの選手しかいないでしょ」と話すが、2人が書いた名前は別の選手だった。2人が絶賛したオリックスの選手とは?

両監督とも選手のことをよく見ている

 ますます「絶口調」となる能見さん、糸井さんは、岡田監督・中嶋監督のタイプの違いについてもトークを繰り広げた。阪神時代に岡田監督の下で、オリックス時代には中嶋監督の下でプレーし、両監督のことをよく知る能見さんは両監督のことを「よく似ている」と話す。

「一切そんなふうには思わなった」と糸井さんは驚くが、果たしてどんなところが似ているのだろうか?

 糸井さんは、中嶋監督が日本ハムで選手兼任コーチを務めていたころにチームメイトとして一緒にプレーしている。当時は「おい! 嘉男~」のようなノリで、よく絡んできたと昔の中嶋監督のことを振り返る。

 そんな中嶋監督について、2人は「茶化すのが好き」という点で意見が一致。2人とも現役時代、中嶋監督に茶化されたときの爆笑エピソードを披露してくれた。読者のみなさんは中嶋監督について意外な印象を持たれるかも!?
一方の岡田監督は選手と直接コミュニケーションを取るタイプではないかもしれないが、糸井さんは両監督とも「言葉の端々にユーモアがある」と、能見さんは「選手のことをよく見ている」と話す。その後2人は、岡田監督、中嶋監督の印象に残っている采配について振り返った。

 阪神は、岡田監督が選手がやりやすいようにオーダーを固定して優勝。一方でオリックスは、中嶋監督が120通りものオーダーを組んだが、選手たちがうまく順応して優勝。能見さんと糸井さんは、どちらの采配も正解であるところが野球の面白さと話していた。
最後は、能見さん、糸井さんそれぞれの阪神・オリックス時代の思い出について振り返ってもらった。能見さんは2020年オフに阪神からオリックスへ。常にメディアやファンからの視線を浴びる阪神での野球生活に慣れていた能見さんは、入団会見での「片手で数えられる」ほどの記者の少なさに驚いたが、「これが普通なんだ」「阪神時代が特別だったんだ」と納得したとか。
一方の糸井さんは、オリックス時代に大活躍しても翌日の関西スポーツ紙の一面はいつも阪神という日々にがっかりしながらも、阪神への憧れがあったという。そんな2016年オフに糸井さんはオリックスから阪神へ移籍。入団会見では想像以上の記者、カメラの多さに「こんないる?」と正直驚いたとか。プロ入りから比較的自由な雰囲気のパ・リーグで過ごしてきた糸井さんが感じた、阪神のチームの雰囲気とは?

 その他、キャンプでの練習環境や、メディアやファンへの対応など、阪神・オリックスのチームカラーはまったく正反対だったと2人は話す。それでも、それぞれ両チームならではの良さがあったと、在籍当時を振り返る。

 そして2人が阪神・オリックスに在籍していたころに「スゴイ!」と思ったチームメイトとは?
対談の最後に2人から、日本一を争う阪神・オリックスの両チームへエールを送ってもらった。

糸井「僕が在籍していた2チームが日本一を争うのはすごく楽しみ。本当に関西が、いや日本中が盛り上がると思います。全試合見ると思うので、両チームの選手のみなさん、頑張ってください!」

能見「阪神は歴史上一度しか日本一がないので新たな歴史を作ってほしい。オリックスにはもちろん連続日本一を目指してほしい。戦い方が似ている両チームの対戦は非常に楽しみ。選手たちは思い切りプレーして、楽しませていただけたらと思います」

 能見さん、糸井さんの阪神・オリックスへの「愛」を感じさせるOBトークを、ぜひ楽しんでほしい。

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