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『カフカと映画』①

 映画がなければカフカは生まれなかった。カフカは映画が好きだった。観た映画も日記や手紙からわかっている。映像表現から想を得た手法が彼の作品には随所に見られる。もしカフカが映画に「恋して」いなかったら。映画と文学を考える刺激的な一冊。(内容説明より引用)  『カフカと映画』から気になる文章を引用しつつ、カフカと映画の関係を章ごとに見ていきたい。まず、序章であるが、本書の目的が述べられている。 序章 オープニング・クレジット  カフカの短編及び長編は、映画という新しいメディアか

    • 『カフカと映画』②

      第1章 動くイメージの美学  <本章の概要> 映画が何よりも<イメージが動く>という特質によって当時のインテリ層にも刺激を与え、反=心理学的な装置として学問考察の対象にされたという事実を紹介し、カフカも早い時期から<キネマトグラフ的視覚>を文学に活かそうとした事実を紹介する。(訳者まえがきp4)  プラハの最初の映画館が開業したのは1907年9月5日のことで、その後いくつかの映画館が開館される。カフカは、プラハの映画館の早い時期における観客のひとりであった。(p.

      • カフカを映画との関連から知る

         カフカのことをよく知りたいと思い、Bing AIに「カフカを知るために読むべき本は?」と聞いてみた。次のような回答が返ってきた。  フランツ・カフカの思想や人物像を理解するためには、以下の本がおすすめです: 1.カフカのかなたへ (池内紀著):カフカの小説の翻訳や研究でも有名な池内氏による作品論。カフカ作品の普遍性を知るために最適な本です。 2.カフカ ポケットマスターピース 01 (多和田葉子編):カフカの代表的な作品とともに、カフカが残した手紙や公文書なども収録した

        • 世界観について考える その1

          芸術作品において、「アーティストの世界観を多くの人に共感させるため誰でも分かりやすく伝える」ということが言われます。アーティストの世界観とは何でしょう?調べたことを備忘録的に掲載します。 Microsoft Bing のコパイロットに聞いてみました。 質問1 世界観の定義を教えて 解答1 「世界観」とは、世界を一体的に意味づける見方であり、人生観よりも広い範囲を包含し、単なる知的な理解にとどまらず、より情意的な評価を含むものである。世界観は、世界の意味を問うもので、たとえば「

        『カフカと映画』①

          カフカ没後100年 「書く」と「描く」

           日本経済新聞2024年1月1日に「カフカ没後100年 不条理今も」という記事があった。見出しには「現代に通じる不条理な作風は、作家や思想家に大きな影響を与え続けている。一方、近年はカフカが描いた絵も注目を浴びる。」とあった。特に後段の文章が気になり、記事のポイントをまとめてみた。  カフカに魅せられた作家の一人に保坂和志氏がいる。例えば「城」では、主人公はどんなに歩いても城にたどり着かない。保坂氏はこの空間のゆがみを理屈で捉えようとするより、ユニークな描写を言葉のまま楽しむ

          カフカ没後100年 「書く」と「描く」

          干支の文字で考える未来志向の1年

           日本経済新聞 元旦 第三部に「2024年、シン時代へ」という広告記事がありました。  2024年は辰年なので、辰の音読み「シン」と同じ読みの漢字を8つピックアップして、未来志向で前向きな「シン」の2024年を考えた広告記事となっています。参考に記事の冒頭の一部をアップします。  記事で取り上げられたのは、伸、申、深、親、信、進、森、請の8文字です。それに倣って他の干支でも未来志向の漢字(8文字)が想起できないか考えてみました。結果は以下のとおりです。 干支  音読み 

          干支の文字で考える未来志向の1年

          都心の路線バス運転手不足問題

           2023年12月17日放送のBS-TBS 噂の!東京マガジン【噂の現場】では、都心の路線バス運転手不足問題を取り上げていました。以下は、同番組の要約です。  最初に紹介されるのは、運転手不足で2024年3月31日をもって廃止される足立区コミュニティバス「はるかぜ3号」です。廃止に困惑する利用者の声に続き、足立区の交通政策担当者からは「ほかにも3路線が廃止決定、28便が減便」、「バス事業者からは運転者不足を解消しないと今の運行を続けられないと言われていますが、なかなかいい策が

          都心の路線バス運転手不足問題

          自己紹介とnoteに書きたいこと

           これから「note」を始めます。  TOMO32です。TOMOは名字の上の一文字から、32は所属している美術サークルの名前から取りました。  「note」のことは、2023年12月3日に放送のTBS「がっちりマンデー!!」で知りました。WordPressはレンタルサーバーとの契約や独自ドメインの取得等が必要ですが、noteはそのような制約がないので私にも始められるかなと思いました。  「note」には、情報発信というよりも、備忘録として記録しておきたいことを書いていこうと思

          自己紹介とnoteに書きたいこと