見出し画像

【骨は教えてくれた】

※写真には、人骨の写真が出て来ますのでご納得の上,ご覧ください。

東京大学総合研究博物館へ、
「骨が語る人の生と死」の展示を見に行ってきました。

東京大学に入れたのもワクワクしました


このような、様々な分野の発達に役立つ有益な展示を、無料で開催くださることに,心から感謝と敬意をお伝えしたいです。

これまでに、骨には何度も、接してきました。
自分の骨折、患者さんの骨由来の疾患、
日々の勉強での解剖書や骨模型、解剖実習など。

そのぐらいの経験をしてもなお、 
骨のことはわからないことばかり。
身近にあるけど、いつも隠れているから。

今回の展示は、そんな私の「知りたい」を、遥かに超えて多くのことを教えてくれました。

今の「骨」の状態は、長い長い時を経て、作られたものであること。

それは「パッカードマイヤー線」が表すように、1人の人生規模でももちろんですが、

何世代にもわたって、何千年、何万年にもわたって、変わってきたのですね。

まず,よく運動することで,骨は太くなるということ。これを再確認しました。

船で海を渡り漁をしたり、遠くの山から石を採取して暮らしていた一部の縄文人の骨はとても太く立派でした。

1万年以上前の縄文人の歯並びが美しいことに驚きました。
前歯も,奥歯もしっかりと使っていた時代。
そのせいで,晩年は奥歯がすり減ってしまうほど。


それが,箸を使い出した鎌倉時代には、出っ歯になってきて、、上下の歯が噛み合わないようになってきます。


江戸時代には、顎も小さくなり,小顔化がすすみます。そして、顎に治らなくなった結果,歯並びが悪くなってきます。
(写真の手前のケースは鎌倉時代、奥のケースは江戸時代です)


そんな時代変遷を見ていたら、、「噛まなきゃ💦」と、モグモグしながら展示を観ている自分がいました。

他にも、刀傷のついた骨、小指の指つめ(切断)をしていたことがわかる骨など、その当時の文化や生活状況を,骨が教えてくれました。

その埋葬方法も時代により大きく変わります。
最後の写真、ケースに何も展示がないのは、、
奈良から平安にかけて、人々は埋葬をしなかったので、発掘されていないそうなのです。

その頃の宗教観によるものだそうです。

現代の日本も、火葬をするから、後世に私たちの骨は殆ど残りませんね。。

私たちの骨は,研究してもらえないのか、、と、複雑な気持ちにもなりました。

「骨」は、こんなにもたくさんの事を教えてくれる。

今年の6月に行く2回目のタイ🇹🇭解剖実習では、「骨」自体をもっと観察してみよう、と思ったのでした。

①バンコク解剖実習講座 説明会インスタライブ 
 日時:2月15日(木)21時~  
配信:MIHOインスタアカウント

②バンコク解剖学実習講座 ZOOM説明会
 日時:2月22日(木)21時   配信:ZOOMライブのみ

 ※なお、優先募集期間までにお申込みの方には、②の説明会の模様をアーカイブ配信いたします。

▼説明会のお申込みはこちら
 https://forms.gle/L9FT1vSVu4dGHJoG8

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?