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三徳山投げ入れ堂 役行者の超念力

鳥取県が誇る国宝、三徳山の投げ入れ堂をご存じでしょうか。

世界一の超絶エスパー、役行者(えんのぎょうじゃ)が、山のてっぺんまでお堂を投げ入れたとの伝説があるのです。

今回は鳥取県の三徳山三仏寺「投げ入れ堂」をご紹介します。

日本一危険な国宝 三徳山三仏寺「投げ入れ堂」

鳥取県三朝町(みささちょう)の山奥まで車を走らせると、切り立った岩山のはるか上の割れ目に大きなお堂が見えてきます。これが三徳山三仏寺の投げ入れ堂です。 

ここは山全体が山岳密教の聖域で、今でも修験者が峰々を走り回って修行に励んでいるのです。
ふもとには三仏寺という天台宗の古刹があり、この山自体が三仏寺の境内となっています。

この岩山の頂上付近の割れ目に、今回ご紹介する「投げ入れ堂」が建っているのです。いや、役行者によって投げ入れられているのです。

役行者

役行者とは、正式には役小角(えんのおづぬ)という名前で、修行によって超能力を手に入れた飛鳥時代のエスパーです。

日本各地で奇跡を起こしましたが、その奇跡の代表がここ三徳山で大きなお寺のお堂を、山のてっぺんまで「えいやっ」と投げ入れたというお話です。
しかし一体何のために?  解らん・・・

彼のお母さんは、和歌山県あたりの山に住む女鹿だったというので、彼も一般の人間とは価値観が違い、こんな訳のわからんことをしたのかも。

このオッサンが役行者です

登山開始

投げ入れ堂は国宝ですが、「日本一危険な国宝」と言われるくらい峻険な岩山を登らなければなりません。単独登山は許されず、滑落事故防止のため二人以上でなければ登山の許可が下りないのです。

今回はインドネシア在住の手下「のりぶー」という同級生と登ることにしました。
こいつ、いっちょ前に会社を経営する社長です。生意気な!

まず初めに、登山口で靴のチェックがあります。
二人ともトレッキングシューズを履いてきたので、難なくスルー出来ました。

いいかげんなスニーカーなどでは許可が出ず、1足数百円のワラジを購入しなければなりません。
ワラジは、滑らないので山登りには最適だということです。

この日もサンダル履きの金髪あんちゃんが、受付の僧侶に説教を喰らっていました。

入山届を書き、入山料を払い終えると「六根清浄」と書かれたタスキを渡されます。これを肩から掛け、いよいよ登山開始です。

謎解き探検隊 「まなきねこ」と「のりぶー」

超危険 国宝までの山登り

ここ三徳山を登るときは「ざーんげざんげ」「ろっこんしょうじょう」と、大きな声で唱和しなければなりません。

懺悔とは悔い改めること、六根清浄とは人間の五感と心を、清らかにするという意味らしいです。

しかし、でかい声は恥ずかしい。二人ともボソボソと唱えるのみでした。

歩き始めていきなり崖が現れ、木の根っこがむき出しになっています。
どうやらこの根っこをつかんで、よじ登れということらしいです。
最初から恐怖の洗礼を浴びました。

以後、このようなガケ登りをしたり、クサリをつかんでよじ登ったりと、尋常ではない恐怖と疲労の登山が続きます。

断崖のクサリ場をへっぴり腰で登る「のりぶー」

しかし、この登山は危険と疲労だけではない、面白い体験ができるのです。
途中立派な鐘楼があり、大晦日でもないのに鐘を突くことができます。
また崖っぷちの数か所に立派なお堂があって、恐怖の下界のぞきもできます。

のりぶーは肝っ玉が小さく、四つん這いで下界のぞきをする始末。
それをあざ笑いながら登山を進めます。

手すりのない縁側から下界のぞきをする 恐怖

ついに来た、国宝「投げ入れ堂」

最後のお堂の真っ暗な裏側通路を通って外に出ると、すぐ近くにお目当ての投げ入れ堂があるということでした。

ちなみに、お堂の真っ暗な裏側通路はおかあさんの産道を意味するらしく、ここを抜けると「生まれ変わる」という意味になるそうです。
二人とも過去に犯した罪を捨てて、まっさらな善人として生まれ変わりました。

お堂を通り抜け崖を見上げると、ありましたっ「国宝投げ入れ堂」。

こんなデカイお堂を、そんじょそこらの大工さんが、超危険な高い岩山の割れ目に建築できるわけもありません。
のりぶーと二人で「役行者が投げ入れたというのは嘘じゃないな」と納得したのでした。

登頂成功 テッテレー

最後に

国宝「投げ入れ堂」から帰るには、同じルートで下山します。

例の真っ暗な「産道のお堂」を通って帰りましたが、逆方向に通り抜けることになるので、残念ながら元の罪・穢れだらけの私とのりぶーに戻ってしまいました。
あぁ諸行無常。

今回は超絶エスパー役行者が岩の割れ目に投げ入れた、三徳山投げ入れ堂をご紹介しました。

修行のかいも無く、私ものりぶーも心が清らかになることはありません、筋肉痛が3日も続くという結果だけが残ったのでした。

とはいえ危険な登山も、肝の冷える下界のぞきなども、なかなかできない体験でした。
何といっても、断崖にそびえ建つ投げ入れ堂の絵になる姿が感動を呼び起こします。

皆さんも鳥取県にいらした際には、「日本一危険な国宝」三徳山三仏寺の投げ入れ堂登山をしてみてはいかがですか。 
命の保証はしませんけども・・・

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