見出し画像

葬儀社を頼まないで葬儀はできる??

たぶん葬儀を考える必要が出てきたら最初にググる言葉は、「葬儀 横浜」とかですよね。

だからインターネット集客をメインとする葬儀社は必死に上位に表示されようとします。

今日はそんな考えを覆しかねない話をします。

葬儀社の必要性を考える


そもそも論で、葬儀社は社会において必要なサービスなのか。

葬儀社がサービスとして成立したのは明治時代になります。
その前は家族が地域の住人達の協力を得て自分たちで葬儀を執り行っていました。

じゃあ葬儀社が存在する現代と葬儀社が存在しない世界線を、遺族になって想像してみましょう。

【あり】→葬儀社がいる
【なし】→葬儀社がいない

逝去後

まず自分の家族が病院で亡くなりました。
自宅に連れて帰りたいので移動をする必要があります。

【あり】
葬儀社に依頼して搬送用の寝台車、車に乗せる、下ろす、運ぶための人材を手配します。
寝台車にはストレッチャーがあるので、寝かせたまま車に乗せます。下ろす時は担架で部屋まで入り、体液などが出たときに滲み出ないよう防水シーツを引いて布団やベッドに寝かせます。

【なし】
自分で移動のための車を用意します。自家用車でもOKですが、横になっている状態で乗らない場合は体の関節を曲げて無理やり座らせる状態になります。この時身体の中の体液が口などから出る恐れもあるので、家族が感染症などにかかってしまうリスクがあります。部屋へ運ぶために担架を持っているという家は恐らくないので、複数人の家族で家の中まで運び入れます。

式場選択・日程決定

次に葬儀をするための場所と火葬場、お墓があるお寺に連絡する必要があります。
今回は近所のホールで葬儀をやる意思をもった家族とします。

【あり】
希望式場の空き状況と火葬場の空き状況を確認して施工できる候補日を確認、家族からお寺に連絡して都合を聞いて葬儀社に伝え、葬儀社が各方面予約を行います。

【なし】
希望式場に自分で電話、その後火葬場にも自分で電話をして出来る日程を考え、お寺の方にも連絡して調整、その後各方面正式に予約手続きを行います。電話だけで予約できるかどうかは施設により変わります。

打ち合わせ・ドライアイス処置

日程が決まったら祭壇や供花(葬儀のために外部の方が注文、用意するお花)を受け付けるか、食事や返礼品の用意をします。
葬儀までの間はドライアイス(10kg前後が一般的)の処置をします。

【あり】
葬儀社が用意できるサービスを説明するので、それを元に選択をしていきます。
供花の注文は葬儀社が取りまとめ、花屋さんへと手配します。
家族で用意する必須項目は、遺影写真の原稿(元になる写真データ)くらいです。
ドライアイスは葬儀社のスタッフが適宜交換します。

【なし】
花祭壇がいい場合はお花屋さんを手配、食事は料理屋さんを手配、返礼品は返礼品屋さんを手配、お寺様が使う道具は葬儀社でないと持っているケースは少ないので、レンタルしてくれる会社を探す、遺影写真を作る写真屋さんの手配、供花を出したい方は家族に連絡、家族が花屋さんに札名や花の種類を伝えます。
ドライアイスは自分でドライアイス屋さんから購入します。
あまり時間が経つとドライアイスは小さくなるので、買いだめすることは難しいです。相当大きい冷凍庫なら別ですが。

火葬手続き


病院から発行された死亡診断書に添付される死亡届を記入して役所へ提出、火葬許可証を受けとり、火葬場へ提出します。

【あり】
葬儀社が死亡届自体を預かり、所定の役所へ提出し、火葬許可証を受け取ります。火葬許可証は火葬場に提出します。

【なし】
自分で死亡届を所定の役所に提出し、火葬許可証を受け取ります。火葬許可証は火葬場に提出します。

通夜

お通夜の日に自宅で納棺、式場に搬送して祭壇設営、お寺様を迎えてお通夜を開式します。

【あり】
自宅に棺を持ち込んで納棺、専門のメイク師(納棺師)がいれば着せ替えをしたり口を閉じる処置をします。
棺を乗せられる車を用意して搬送、祭壇に安置をして通夜を迎えます。
式場内ではスタッフが案内を適宜するので、お焼香のタイミングは言われたらで大丈夫です。
お寺様へのお茶出しなども葬儀社で対応しています。
お通夜振舞いの食事も料理屋に手配されているので、お経が終わったら控室に移動して食事開始となります。

【なし】
棺が入る車があれば自宅で自分たちで納棺、この時棺もどこかで買ってくる。
車に入らなければ式場まで身体で連れてくるようになります。
各業者がさまざまな用意を進めているので、状況を確認します。
お寺様が来るのでご挨拶やお茶出しをします。当然このお茶の用意も必要になります。
お経を読むために必要な備品(木魚など)を手配、用意して時間に開式します。
案内する人がいないので、自分たちがお寺様と打ち合わせして各タイミングを図ります。
お通夜振舞いを直接料理屋さんに手配していれば準備してくれていますが、手配していない場合は自分で作ったり買いに行くなど対応しなくてはいけません。また配膳する人や飲み物の用意も必要になります。

ここまででお通夜が終わりました。

告別式

さぁいよいよ告別式。
この日は長い一日になります。

【あり】
葬儀社が指定した時間に式場に行き、弔電の確認や挨拶をするかの確認をスタッフからされます。
開式後は前日と同じく葬儀社の指示に従って動き、最後にお別れするための準備を葬儀社がするので待ち、お盆に用意されているお花を入れてお別れをして、司会から誘導されて挨拶をし、手配されている霊柩車に棺を乗せて火葬場へ移動します。
火葬場での手続きも基本葬儀社が終えているので、案内されるまま火葬炉に行き、故人を見送ります。
控室で料理が用意されているので席について、食べながらお骨上げまで待ちます。
放送で呼ばれて収骨する部屋に移動、みんなで骨を拾って解散します。
自宅に戻るときに葬儀社が中陰段(後飾り段ともいいます)というお線香をあげられる道具一式を用意しているので、そこにお骨や位牌を置いて終了です。

【なし】
朝式場についたら告別式が始められるようにお通夜で使った焼香道具を掃除したり、他の人やお寺様が来る前にお茶の準備をしたりします。また火葬場で食べる食事も手配している場合はいいですが、手配していない場合は用意しなくてはなりません。
来ている弔電を確認して読むかどうかを考え、自分で読むため名前の読み方を調べます。
時間に開式、前日と同じ流れで焼香を行います。
お寺様のお経が終わったらお花屋さんにお別れのためにお花をもいでお盆に移してもらいます。
お花を入れてお別れして、自分で手配した霊柩車に棺を入れます。
この時の車は棺が乗れば自家用車でもOKです。
火葬場到着後に自分で手続きや支払いをし、火葬が始まります。
火葬中は準備していた食事を配り、飲み物も用意して火葬終了まで待ちます。
お骨上げで使用する骨壺を自分で持ってきている場合は火葬場に引き渡すこともあります。なければ火葬場で購入します。売っていない場合もありますが。
お骨上げは火葬場の職員の指示に従い、終わったら解散します。
帰宅して家の適した台を利用して骨壺と写真と位牌を置いて、お線香道具一式用意して終了になります。

葬儀社に依頼するメリット

想像しただけで葬儀社がいないことがどれだけ大変かわかりますよね。

葬儀社にこういう面倒なことを一切お任せする、だからその対価を払うということが葬儀社への支払いをする主たる目的になります。

葬儀に携わる身として、感謝して欲しいと思っているわけではありません。

ただ葬儀社が何をしているのか、
どうしてお金がかかるのか、
頼まなかったらどういうことが起きるのか。

そこをわかってもらいたかっただけです。

今回は勢いでバーッと書いたので、漏れている項目もあるかもしれません。
悪しからず。

もしこれを読んでそれでも自力でやりたい方はぜひ感想を教えてください。
その感想は葬儀社ならぜひ自分達のサービスにフィードバックしたい情報だと思います。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?