中国が領土拡大を叫んでいる理由

参考文献「地政学で読む近現代史」 内藤博文

 皆さんは,中国がなぜ尖閣諸島や台湾を自国のものにしようとしているのか疑問に思ったことはありませんか。

 私は,ニュースなどを見て疑問に思っていました。この本を手に取るまでは,中国はただ覇権主義的な考え方をしているのではないか,15世紀末に始まった大航海時代を経て植民地支配を始めた欧米諸国のような帝国主義的な考えで行動しているのではないかと考えていました。しかし,どうやら中国が尖閣諸島や台湾の領土を自国領土と主張しているのには,それなりmの理由があることが分かりました。以下では,①中国が尖閣諸島や台湾の領土を自国領土と主張する理由を考察していきます。

【なぜ,中国は尖閣諸島や台湾の領有を強固に主張しているのか。】
 尖閣諸島は,日本の固有の領土です。「小学校学習指導要領 社会科」でも竹島,北方領土と並んでいわゆる「領土問題」として5年生で扱うことになっています。尖閣諸島は,1985年に明治政府によって正式に日本の領土として宣言された地である。宣言を行った時に中国を支配していた清朝は何の抗議もしなかった。つまり,当初中国側は尖閣諸島に無関心だったのです。尖閣諸島に対する無関心は,清が倒れ,中華民国を経て中華人民共和国が成立した直後まで続いた。
 しかし,1960年代に尖閣諸島周辺に石油資源が眠っているという情報が流れてから中国は尖閣諸島の領有を主張するようになった。そして,今現在,ほぼ毎日のように領海侵入し,自国の領土であることを主張している。ここまでして中国が尖閣諸島を自国の領土にしたい理由は,石油資源のほかにもある。
 それは,尖閣諸島を太平洋,東シナ海,南シナ海進出の突破口にしようと考えていることです。台湾から尖閣諸島,沖縄,日本列島は中国から見たら弧のように連なっています。(グーグルなどで確認してみてください)これをみると,私も「あっ」っと察することができました。つまり,中国にとって日本から台湾にかけての島弧は背後にアメリカの影を見る,いわば海からの中国包囲網なのです。これがある限り中国は安心して東シナ海や南シナ海を自分たちの海にできないのです。だから,中国は以前から領有を主張している尖閣諸島に希望を見出しているのです。
 また,台湾も同じように中国にとっては東シナ海や南シナ海進出を阻むものとなっています。台湾は尖閣諸島とは違って,中国の憲法で「台湾省」になっているそうです。

 ここまで地政学の視点で中国の領土問題を考えていくと,中国の行動の意図も見えてきます。これからの中国はどのように行動していくのでしょうか。これからも注視していきたいと思います。



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