ギターの大先生ジョンマクラフリン、そして生徒のジェフベック

ギターに詳しい人なら想像できるだろうが、最善のジェフベックのインタビューを読んでも彼は自分自身のプレイに満足していなかった。
彼がなりたかったギタリストの1人は故レスポール氏であったであろう。レスポール氏は90歳で亡くなるまで全米でツアーをし、最後は90歳と言いう日本では大往生と言われる年齢まで生き生きとギタリストとして活躍した。
お互いの親密さはYouTubeで動画を見れば分かる。レスポール氏がイタズラでジェフベックのチューニングマシンをわざと狂わした瞬間、ジェフベックは苦笑いしながらあのシャイな笑顔でチューニングを戻していた。レスポール氏が亡くなったのはもう10年以上も前だろうか?一方でジェフベックはジョンマクラフリンのことはミュージシャンとして本気で尊敬してたと思う。
彼のジョンマクラフリンに対するインタビューでの回答は常にシリアスだった。
俺は彼の様なプレイばできない、俺は彼の音楽をわかりやすい様にプレイしているだけなんだ、と。
実はジェフベックとジョンマクラフリンは個人的な親交があった。
ジェフが所有してるギターの中にはジョンマクラフリンがあまりにも薦めるので買ったというストラトもあるくらいだ。先ほどジェフベックが存命の時のライブ映像を見たばかりだ。いつもはラフに、言い換えれば適当に弾いてすませるあのスキャッタープレイのスケール練習的なフレーズをその時のジェフはしっかりキチンと弾いていた。
ジェフベックにとって最も尊敬するギタリスト、ジョンマクラフリンの前では手をねげなかったんであろう。
自分はその風景をYouTubeで見て、ジョンマクラフリンはある意味ジェフベックの先生的な存在なんじゃないかと思った。あの世界的に名を轟かすジェフベックでさえも先生はいるんだと軽いショックを受けた。
でもジェフベックさん、あなたはもうすでに全世界でギターを弾きたいという人々の先生なんだよ。俺も当然その1人。しばらくは天国で休んでください。

R.I.P.

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