猫にホステス・・・Fav虚偽
ニャンコたるもの
身だしなみは欠かせない。
アゴのまわりについた節粉や
ヒゲにからむ、ちゅるちゅるちゅ~る。
これらを両の手で器用に取り除き
さあ、家政婦よ!
いざ小生をハグりたまへ~といって
じっと見つめる。準備万端。
通常ならば
ぽっく~~んと、飛びかかってくるのだが
この日は違った。
押し黙って、携帯電話と睨めっこしている。
眉間の皺が 孤独のゴローさん だ。
あ。忘れてた。
皺は加齢によるものだ。
眉間の状態に反して
笑みが顔いっぱいにあふれている。
ということは
幸せで幸せで仕方がない気持ちを
噛みしめていたのか、ふむふむ。
そのハッピー、共有したいです。
だが、彼女は小生をフル無視して
ご主人さんのもとへ駆け寄り
アルパカのように唾をはきながら
こんなことを熱く語り始めた。
先行抽選予約した劇場のチケットがとれた。
初体験のネタライブで
神がかった席番号が割り当てられている。
事後報告で申し訳ないが
某月某日、留守にする。
家政婦代行をお願いしたい。4649。
顔面の唾をぬぐいながら
涼しい顔のご主人さんは
『で、推しは誰?』と尋ねた。
小生はそれが誰だか知っている。
おそらく彼も・・・勘付いている。
それなのに家政婦のアレさんは
『ん~。ニッポンの社長です。』
と、バレバレむきだしの虚言砲を打ち込んだ。
物事を円滑に進めるためにとった
「嘘も方便」という戦略は
たった今、無駄に終わる。
なぜなら小生は
ご主人さんが大好きなので
この場を借りて
山田スコット砲で迫撃追撃。
「嘘は百毒の長」でっせ。