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猫にホステス…クラバウカーマン
連れ合いが愛用するグレーの車
走行距離が初任給を越えてきた。
年式は古くない、車検は今回が3度目。
だがもう18万キロも走っている。
趣味はドライブだ、なんてことはなく
無駄に縦長なバーチー内を
通勤で走っただけだ。
メンテナンスはディーラーまかせ。
スタンドの洗車機は
前方から回転しつつ迫り来る
ムックもどきが苦手につき行かない。
休日の午前中に花壇を手入れした後
バケツ水片手に雑巾で車体を拭く。
![](https://assets.st-note.com/img/1711949557817-dqZqA5DNEl.jpg)
断っておくがコレは私(雌)の話ではなく
花壇の下りから手洗いにいたるまで
女子力高めな連れ合いのおなはしだ。
そうやって大切に乗ってきた車だが
走行距離を考慮すると
買い替え時期であるのは間違いなく
新車購入に向けて心をひとつにする。
もろもろの商談を終え
翌日は納車という日の夕暮れ時。
下取り回収される車が柿色に染まる。
彼は最後の洗車をはじめるため
バケツに水をためていた。
その背中を眺めながら、私は話しかけた。
「愛情込めて 毎週洗ってたよね。
きっと車の妖精が語り掛けてくるよ。」
勿論、彼はキョトトトトンと
瞳孔散大気味で振り返る。
仕方がないです。
彼、ワンピースを知らないですから。
![](https://assets.st-note.com/img/1711949630643-zstUCGgGZN.jpg)
新車に乗って帰宅した彼。
降りるなり真顔でこう言った。
「あの車とお別れするとき
妖精の声は聞けなかったよ。」
素晴らしいボケの
ロングシュートをきめてきた。
やるじゃん。My Buddy.com
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