見出し画像

富士山の遭難事故について

こんにちは!

26日、富士山登山で行方不明になっていた3名の登山者が遺体で発見されました。
発見された場所は、共に火口付近の雪渓上だとの報道です。

静岡県警は、収容した1人の身元が東京都日野市の会社員男性(53)と判明したと発表しましたが、ほかの2人は男性を捜索している途中に山頂火口内で偶然発見されました。
3人は数十メートル離れていたようで、別々のパーティであったと見ています。

同県警によると、過去の登山届を精査したところ、昨年12月に30代男性、今年1月に50代男性が、それぞれ1人で富士山に入山して行方不明になっています。
同人とみて、調査を進めています。

今回の遭難事故は、山開きの前の入山と報道されていましたが、現状の規制は何もなく、入山は通年可能となっています。
故に、火口の雪渓目指してチャレンジする登山者も後を絶たないようです。
しかも、山スキーで・・・
特に火口の斜度は45度と、とんでもない急斜面であり、しかも酸素が地上の70%しかない場所でのスキーは、尋常ではない体力と装備が要求されます。

加えて、26日ころの気温はほぼ0度であり、体感温度はもっと下回っていた気象条件であったものと推察されます。
また、富士山は身を隠す岩場もないため、一度、強風下に晒されると軽装備であることは命の危険度が増します。

本来、大雨が続く梅雨時期ではありますが、時々晴れ間が覗く時があります。
つい、チャレンジしたいと思う気持ちは分かりますが、頂上ではまだ冬です。

私が山岳警備隊で活動していた時も、北アルプスで同様の遭難事故で出動したことが何回もあります。
殆どの登山者は、低体温で命を落としていました。

今回の富士山もそうですが、45度の斜度で遺体を引き上げるという作業は相当数の人力とリスクが伴います。
地上では救急体制が整っている日本ですが、山では原始の世界が慄然と構えています。
その中にお邪魔するという謙虚な心持が肝要ですね。


いただいたサポートは、地元の観光情報発信に使いたいと思います。