【神の使いの子。】4話:元凶「創作大賞2024提出用」
ー2024年2月中盤ー
霊能コミュニティに入ってから一週間程が過ぎたある日。
俺は”麗奈さんの凄さ”を改めて知ることになる。
俺は付き合いの長い友人、Aさんに
ここ最近にあった出来事と麗奈さんの事に関して話してみることにした。
Aさん「え?それマジ?」
Aさん「それがもし本当なら、その”麗奈さん”って人やばくない??」
Aさんは
日本を出て海外に移住し、自分の夢を叶えるために勉強に励んでいた。
Aさんは元々、日本を出る前から体調を崩しやすい体質ではあったが
最近では更に頻繁に体調を崩しやすく、勉学に影響が出ていた。
いきなり住んでいる環境が変われば、そこまでおかしくはない話ではあると思う。
だが、Aさんの体調の崩す頻度は”異常”だった。
俺とAさんは、よくボイスチャットで雑談等していたのだが
俺の中で"毎度体調を崩している"イメージが定着していた。
風邪の頻度で言えば二ヶ月に一度くらいの頻度だった。
だが、何かしらの理由で体調を崩しているのはほぼしょっちゅう。
元々体が弱い事もあるかもしれないが、明らかに頻度が”異常”であった。
だが、医者からはただの風邪と言われ
体調を崩しては治り、また体調を崩すという事を繰り返していた。
ここまで体調を崩していては
せっかく海外に移住して勉強しているのに、勉学に支障が出てしまうだろう。
そう思った俺はある事を思いついた。
俺(もしかしたら麗奈さんに聞いたら何か分かるかもしれないな...)
俺はそう思い
Aさんの事を霊視してもらえるよう、麗奈さんにお願いしてみる事にした。
俺「麗奈さん、自分の友人で麗奈さんに視てもらいたい人がいるんですけど」
俺「もし良ければでいいんですが、視て頂くことは可能でしょうか?」
麗奈「いいけど、私は人によって視えやすい視えにくいがあるから」
麗奈「100%ポンポン当てられる訳じゃないからね。」
麗奈さんは人によって視えやすい、視えにくいという事があるらしい。
話を聞くと、自分の事を隠したり性格が歪んでいるような人間は視えにくい為
言い当てる事が出来ず、外す事もあるとの事。
それが理由で占い師など、本職にしないそうだ。
...とは言いつつもこの人の霊視の精度は非常に高い。
そう思った俺は
俺「それでも大丈夫です。」
俺「是非、お願いします。」
夢に向かって頑張っているAさんを応援したい。
もしかしたら本当にただ単に体が弱く、環境が変わった事が原因なだけかもしれない。
だが、何か手助けしてあげられる事をしたい。
俺はそう思っていた。
麗奈「分かったよ〜。」
麗奈さんが承諾してくれたのもあり、
Aさんと麗奈さんと俺の三人で会議通話をする事になった。
───その三日後
俺と麗奈さんとAさんで会議通話をする日がやってきた。
Aさん「初めまして。今日はよろしくお願いします。」
麗奈「こちらこそよろしくお願いします〜。」
俺「麗奈さん、今日は来て頂いてありがとうございます。」
俺「俺も色々話聞きたいから、通話いてもいいですかね?」
Aさん「いいよ〜!」
麗奈さんとAさんは快く受け入れてくれた。
Aさんは、麗奈さんにこれまでの経緯で
元々体調を崩しやすいのもあるが、
最近は異常な頻度で体調を崩す事など話した。
また、Aさんと海外の移住先のシェアハウスで同居している人が
最近、交通事故に合って顔に怪我をしてしまった事をAさんは語った。
何か霊的要因はあったりしますか?と。
Aさんは麗奈さんに質問した。
麗奈「Aさんの今住んでいる家に”元凶”がいるね」
Aさん「”元凶”?」
麗奈「体調を異常な頻度で崩すこととか、病気になったりする事とかは、Aさんには一切非がないから大丈夫。」
麗奈「Aさん、普段家の中で普段立ち寄らない場所とかない?」
麗奈「霊ってあまり人が寄り付かない所へ行く”習性”があるから。」
Aさん「もしかして…家に霊がいるかもしれないって事ですか…?」
友人「ん〜。”立ち寄らない場所”かぁ...」
麗奈「…..上の方かな?」
Aさん「上の方?」
Aさん「”屋根裏”の事かな...」
Aさん「確かに屋根裏は全然立ち寄らないかも...」
麗奈「Aさん、通話つけながらカメラつけて、屋根裏行ってみてくれない?」
Aさん「分かりました。」
麗奈さんの指示でAさんはカメラを付けて
恐る恐る”屋根裏”へ向かった。
すると...
麗奈「いるね。右の方」
麗奈「”この人”が元凶だね」
なんと、Aさん宅の屋根裏には
いわゆる”悪霊”がいたのだという。
そしてAさんが異常な頻度で体調を崩していたり
同居人が事故にあって顔に怪我をしたりしたのも、この悪霊が原因であったという。
しかも驚いたのが、麗奈さんは”カメラを付けていない状態”からでも
悪霊のおおよそいる位置が分かった事だ。
悪霊がいると分かった時、俺は背筋が凍りつくようなゾッとする感覚を覚えた.....
Aさん「本当にいたんですか...怖い...」
Aさんは怯えていた。
麗奈「”この人”は結構強い悪霊だね。」
麗奈「生きている人を交通事故に合わせたり、病気にさせるくらいの力は持ってるから。」
麗奈「大丈夫。ちょっと待っててね。」
麗奈「今からこの人祓うから。」
麗奈さんはそう伝え、ボイスチャットにミュートをかけて無言になった。
…..この無言の時間、何が起こっているんだ?
前回俺の家にいた生霊をお祓いしてくれた時も
麗奈さんがお祓いをしている最中はミュートになり、しばらく無言になっていた。
通話の向こう側ではお経を唱えて
除霊の儀式的なものを行っているのだろうか?
この時、俺もAさんも通話中無言になった。
───そして麗奈さんは沈黙を解いた。
麗奈「...はい。終わったよ〜」
Aさん「え!?もう終わったんですか!?」
ものの約20秒程の出来事であった。
生きてる人間を交通事故を合わせたり
病気にさせたりするくらい”強い力”を持ってる悪霊をこんな数秒で祓えるものなのか...?
これが本当ならこの人は凄すぎる...
麗奈「もう来ないから大丈夫。安心して。」
麗奈「これで理不尽な体調不良はなくなると思う。」
Aさん「本当ですか!?信じられないw」
Aさん「ありがとうございます!!」
この日も麗奈さんは、前回の俺と同じく
無償でお祓いをしてくれた。
こうしてこの日の俺と麗奈さんとAさんの
会議通話は終わった。
───それからしばらく日が経ち
俺はAさんに最近の体調の事を個人チャットで聞いてみることにした。
俺「あれからしばらく経つけど、体調のほうどう?」
しばらくしてから返信が届いた。
Aさん「それが、本当にびっくりするくらい体調崩すことが無くなったんだよね」
Aさん「なんなら、今抱えてる病気も前ほど酷くは無くなったよ。」
Aさん「まだ多少は引きずってるけどね」
なんと、あの異常な程に続いていた体調不良が無くなったというのだ。
これには俺も驚きを隠せなかった...
俺「それガチ?」
俺「麗奈さん凄すぎんだろ...」
この物語を書いている今となっても
Aさんは以前程体調を崩す事がほとんど無くなった。
俺は、麗奈さんの凄さを改めて実感した…
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