超短編小説「罪と笑顔」
「ふぅ〜、今日も疲れた」
2週間前、人手が足りないからと急な転勤を告げられこの街へやってきた。
東京の喧騒とはかけ離れた、少し寂しいけど人は暖かい、そんな街。
仕事の帰りにこの展望台へ登って橙色に輝くこの街を見るのが日課になっていた。
丁度18時になり、街に18時を告げるチャイムが響き渡る。
この音を聞いたのはいつぶりだろう、私はこのチャイムが大好きでよくお母さんと聴いていた。
懐かしさが込み上げてくる。
それと同時に孤独と寂しさも。
それでも私は人前で決してそんな姿を見せず、アイドルのようにいつも笑顔でいる。
この街に越して来た時も新しい店舗の人に私は温かく迎えられた。
「こんな可愛い子が来てくれて嬉しいよ!」と口々に言われて、こしょばゆくもあり嬉しくもあった。
でも誰も知らない
私が人殺しだということを
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